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今週のヘッドライン: 2018年06月 3週号

「里親」が若手の飛躍支援 県の制度を活用し新規就農8年(1面)【2018年6月3週号】

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 農林水産省の調査では、2016年の新規就農者数6万150人のうち49歳以下の若手は2万2050人となり、3年連続で2万人を超えた。この背景には、各地域の農政局や都道府県、自治体単位で講じられた就農支援策を活用し、就農につなげている例も多い。長野県佐久市でズッキーニ2.2ヘクタールやミニトマト25アールなどを栽培する、坂下農園の代表・坂下理人(りひと)さん(37)は、8年前に出身地の神奈川県からIターン就農する際に、長野県の新規就農里親制度(以下、里親制度)を活用。「里親」と呼ばれる経験豊富な農業者の下で研修を受け、スムーズな独り立ちにつなげた。若い担い手を育成するには、新規就農者の意欲はもちろんだが、受け入れる側の体制づくりが問われている。

(1面)

〈写真:定植から2週間ほどたったミニトマト「アイコ」の苗を管理する坂下さん。ミニトマトは就農当初から手掛けている〉

18年産適正生産量 ミカンは過去最少 生産基盤の強化急げ(2面・総合)【2018年6月3週号】

 農林水産省は13日までに、2018年産温州ミカンの適正生産量を84万トンに設定したと発表した。リンゴは81万トンで、ともに予想生産量が需要量を下回ったため、予想生産量をそのまま適正生産量にした。18年産需給は、引き締まり傾向が予想されるものの、ミカンの適正生産量は01年以降最少となるなど、生産・需要とも縮小傾向が続いており、生産基盤の強化と需要の掘り起こしが喫緊の課題だ。特に多くの産地で高齢化などによる離農や廃園の増加に歯止めがかからず、担い手の確保や高度な栽培技術の継承などは待ったなしの状況にある。永年作物である果樹の特性なども踏まえ、果樹農業の振興対策の強化・拡充が求められる。

(2面・総合)

収入保険の普及へ 農水省が「10分でわかる」動画更新(2面・総合)【2018年6月3週号】

 農林水産省はこのほど、収入保険制度のポイントを解説する新たな動画「新10分でわかる収入保険のポイント」を作成し、ホームページ上で公開を始めた。今秋からの加入申請開始を控え、正しい制度内容の周知徹底につなげるのが狙い。動画では、同省経営局の前田剛志保険課長が、特に(1)対象品目の限定は基本的になく、簡易な加工品も含まれる(2)自然災害や価格低下に加え、「ケガや病気による収穫不能」や「収穫後の保管中の事故」などによる収入減少も補償対象となる(3)基準収入は過去5年の収入を基本に、当年の営農計画を踏まえて設定する――などについて図表を用いて説明している。

◆「動画:新10分でわかる収入保険のポイント」はこちら
 http://www.maff.go.jp/j/keiei/nogyohoken/syu_kyosai.html

(2面・総合)

女性の活躍の場広げる 後輩農家を応援するグループ設立(3面・暮らし)【2018年6月3週号】

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 仙台市若林区荒井の髙山真里子さん(46)はリーキやケール、パクチー、ルッコラなどの野菜をハウス3棟など80アールで栽培する傍ら、後輩の地域農家の成長を手助けする女性農家で構成するグループを立ち上げ活動する。ファーマーズカフェを開くほか、メンバーとともにデパートでの野菜販売に参加するなど、楽しくイベントを開くことで、地域農業を盛り上げている。

(3面・暮らし)

〈写真:髙山さんは両親から野菜農家を引き継いだという〉

スイカ 労力の「選択と集中」で効率化 ―― 熊本県・伊藤譲二さん(8面・流通)【2018年6月3週号】

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 スイカの生産量全国1位の熊本県。熊本市北区植木町の「伊藤家の西瓜&vegetables」は、大玉から小玉まで良質なスイカ生産を経営の柱とする。代表の伊藤譲二さん(53)は、食味を重視し主力の大玉を1番果のみ収穫し出荷、「暑くなってからの栽培は苗にも人にも負担がかかり、食味も落ちる」と、2番果以降は実らせず、夏場の植え替えも行わない。特級品は独自ブランド「玄翠」の名を付けホームページで直販。優れた外観や食味の良さから贈り物需要が大きく、100玉以上購入する常連など大口の個人客も抱える。ホームページの管理を委託する会社に顧客データの管理も担ってもらうことで負荷を減らし、生産と出荷調整に労力を集中させている。

(8面・流通)

〈写真:大玉スイカの肥大を確かめる伊藤さん〉

先端技術を現場普及へ 「スマート農業」シンポジウムで成果を報告(9面・営農技術)【2018年6月3週号】

 ロボット農機や小型無人航空機(ドローン)などを活用して生産性向上につなげる「スマート農業」の実用化が進む中で、農林水産省は12日、各地の取り組み事例などを紹介するシンポジウムを開いた。最新技術を導入する農業経営者や開発企業などが講演し、水田での無人走行トラクターによる労力軽減などの成果が報告された。

(9面・営農技術)

農薬ネット販売 小分けで違反事例も 農薬工業会が講演会(9面・営農技術)【2018年6月3週号】

 農薬工業会は11日、東京都千代田区で、農薬危害防止と小型無人航空機(ドローン)の安全確保をテーマにした講演会を開いた。
 農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室の雨宮崇課長補佐は、同省が実施する農薬危害防止運動について説明。近年、インターネットのオークション・フリーマーケットサイトなどで農薬を届け出なく販売したり、小分けして販売したりといった農薬取締法に違反する事例が発生していることを報告した。

(9面・営農技術)

養蚕の灯 守り続ける【兵庫県 6月3週号】

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 【兵庫支局】「蚕を飼うのが好きでやっているだけですよ」と話す丹波市春日町中山の柿原啓志(ひろし)さん(82)は、蚕の飼育と繭の出荷を手掛ける県内唯一の養蚕農家だ。柿原さんは「桑が不作のとき京都まで買いに行ったことがある。病気で蚕が半分くらい死んでしまったこともあった。そのときはNOSAIの蚕繭共済に加入していたので助かった」と振り返る。

〈写真:蚕を見守る柿原さん。「病気をせず繭になってくれるのがうれしい」と話す〉

青汁原料野菜を40戸が契約栽培【高知県 6月3週号】

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 【高知支局】農薬不使用を条件に、丹精込めて野菜を手掛ける40戸の契約農家と、企業の熱意が詰まった健康青汁「菜食健美」。10種類の野菜を使用し、飲みにくさを緩和させ、栄養バランスの良さで幅広い年齢層から支持を得ている。

〈写真:契約農家同士が栽培方法や害虫の情報を共有する〉

まき割り機を自作 重い丸太でも大丈夫【鹿児島県 6月3週号】

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 【鹿児島支局】「まき割り機としてまた動くようになるのが楽しみ」と話す曽於市末吉町の村釘政親(むらくぎ・まさちか)さん(68)。風呂たき用のまき割り作業を簡単にできないかと、使えなくなった農機具を利用して自動まき割り機を製作した。2003年から作り始め、友人にも好評で、これまでに13台手掛けてきた。

〈写真:まき割り機を操作する村釘さん〉

分散圃場の水位をスマホで確認【栃木県 6月3週号】

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 【栃木支局】宇都宮市氷室町で水稲30ヘクタールを作付ける福田修史(しゅうし)さん(50)は、昨年度から圃場の水位をスマートフォンで管理している。圃場は五つのエリアに140筆あり、水管理に割く手間と時間を軽減させるのが狙いだ。導入したのは、クラウド型水位確認システム「水田farmo(ファーモ)」で、宇都宮市今泉の株式会社ぶらんこが開発した。

〈写真:ファーモを設定する福田さん〉

省力化・品質向上へ ハウスのデータ収集システム【島根県 6月3週号】

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 【島根支局】益田市の島根県農協益田メロン部会(松本哲夫部会長=54歳、部会員69人)は、ICT(情報通信技術)を使ったビニールハウス内外の温度や湿度などのデータ収集ができる圃場モニタリングシステム「みどりクラウド」を今年3月に設置、活用を開始した。

〈写真:タブレット端末などで画像と蓄積データを随時閲覧できる〉

防風林「江戸の衛生は屎尿(しにょう)処理の循環が育んだ【2018年6月3週号】」

 ▼先週に続き"うん"のつく話題。江戸期に人口100万人を超えた世界屈指の大都市・江戸。庶民の食料供給を担ったのは近郷や武蔵、相模国などの百姓たち。
 ▼徳川家康の江戸入府以降、利根川の流れを東に移し海を埋め立て武家屋敷や町屋を形成。荒川支流の隅田川などを引いて、随所に堀割を設け、肥大した人口を支えるための食料や物資運搬に供する河岸を設けた。考古学者で旅行家のシュリーマンが中国や日本に立ち寄った『旅行記』には、清潔で衛生的な都市に驚愕(きょうがく)した記述がある。
 ▼江戸庶民の大量な排せつ物は水運、肥船で近くの村々へ運んで貯留し作物の肥料とする循環システムを構築していたのだ。西欧でも下水道を完備した国は少なく、シュリーマンのみならず訪れた外国人は日本の文明や意識の高さに感嘆したことは容易に想像できよう。
 ▼屎尿(しにょう)・下水道研究会編の『トイレ』によると、江戸庶民は長屋住まいが多く、共同便所からの排せつ物は高額で売買され家主の収入源だった。同書籍によると、明治初期に米10キロの価格が59銭で、大人1年分のふん尿が35銭、子供は半分で売れたとしており大家族ならば相当額の実入りになったはず。
 ▼江戸は、都市と農村が有機物連携で循環社会を形成した。働き方が議論されるなか農業も若手確保対策が叫ばれる。労働現場で「臭いものにふた」では敬遠されて当然だろう。将来、地域・世代を超えた人の連携が色濃くなるとすればなおのことだ。

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