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今週のヘッドライン: 2018年06月 4週号

年間重点企画:米を作る 米を創る 飼料用米で守る水田 ブランド米生産を下支え(1面)【2018年6月4週号】

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 「おいしいお米が育つ水田は限られる。飼料用米は農地維持に欠かせない」と滋賀県長浜市で水稲42ヘクタールを栽培する吉田道明さん(50)。代表を務める吉田農園株式会社では、5キロ当たり3千円前後で直売する独自ブランド米を経営の軸に据えつつ、圃場の土質や品質の記録などに基づいて飼料用米を約14ヘクタールで生産。管理面で労力がかかる良食味米に比べ、飼料用米は多収・省力化や安定販売が図りやすく、規模拡大を下支えする作目となっている。米政策の転換期こそ「水田の特性に応じた米づくりを推進していくべき」と吉田さんは主張する。

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〈写真:「特に生育後半は、カラースケールで葉色を見る」と北陸193号の圃場で吉田さん〉

収入保険にタブレット導入 農家の庭先で試算、手続き(1面)【2018年6月4週号】

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 収入保険制度の普及推進に向け、NOSAI団体は7月から順次、タブレット端末機材(携帯型通信端末機材)を導入する。同機材には保険料・保険金等の試算をはじめ、選択加入となる類似制度の掛金・補てん金などと比較できるシミュレーションソフトなどが搭載されており、農家の庭先で個々の経営状況に即した具体的な制度説明や今秋から始まる加入申請に向けた手続きに活用する。農家が抱えるさまざまなリスクに対応する新たなセーフティーネットとして、収入保険制度への関心が高まる中、NOSAI団体では、これまで以上に分かりやすい制度説明に全力を挙げる。

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〈写真:NOSAI全国連(全国農業共済組合連合会)が開催した収入保険の担当者会議には、全国から100人を超えるNOSAIの職員が集まり、タブレット端末機材の活用に関する研修を行った(21日、東京都内)〉

外国人材の受け入れ拡大に骨太方針決定 共生社会へ環境整備を(2面・総合)【2018年6月4週号】

 政府は15日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太方針)で、一定の専門性と技能を持つ外国人が就労できる新たな在留資格の創設を盛り込んだ。深刻な人手不足への対応が目的。最長5年の就労を可能とし、25年までに50万人超の受け入れを目指すとしている。高齢化と担い手不足が深刻化する中、農業労働力の確保は喫緊の課題であり、外国人材への期待は小さくない。ただ、受け入れを巡っては、トラブルの多発や治安の悪化など不安を抱く声もある。共生社会の実現に向けた環境整備を早急に進める必要がある。

(2面・総合)

改正市場法が成立 民設が可能に(2面・総合)【2018年6月4週号】

 卸売市場法などの改正法が15日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。公設に限り中央卸売市場として開設を認可する現行制度を廃止し、一定の要件を満たせば、民設でも市場の開設を認める「認定制」に移行するのが柱。現行の取引ルールも緩和する。ただ、卸売市場は農産物流通の中核を担っており、卸売市場が持つ公的機能が引き続き維持・発揮されるよう国の適切な関与を求める声は強い。

(2面・総合)

家畜共済 多彩な「損防」で経営支援 地域の実情に合わせて(5面・農業保険)【2018年6月4週号】

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 全国的に梅雨期に入り、気温や湿度が高くなると畜舎環境の変化によって、各種疾病の要因となり、暑熱対策とともに衛生管理面も注意したいもの。万が一の病気や事故に備えて家畜共済に加入しておくことは重要だ。NOSAI団体では、畜舎消毒や獣医師による代謝プロファイルテストによる個体管理への支援など、家畜損害防止にも取り組んでいる。損害防止事業や家畜共済の仕組みについて共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・農業保険)

〈写真:畜舎の屋根にドロマイト石灰を散布〉

NOSAIにお任せください(36) ―― NOSAI長野 水稲栽培支援装置を設置(5面・農業保険)【2018年6月4週号】

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 NOSAI長野(長野県農業共済組合)では損害防止事業の一環として、圃場の水温や気温などを計測して水稲のいもち病発生や生育時期予測に利用できる栽培支援装置「クロップナビ」を県内の56カ所に設置。JAや普及センターなどと協力し、ホームページで県内農家へ情報を提供している。また、装置で計測した情報を普及機関などが利用することで、農家への技術指導などにも役立っている。

(5面・農業保険)

〈写真:NOSAI職員がJAと協力してクロップナビを設置。奥は協力農家の栁澤さん〉

特定外来生物コクチバス 河川や湖沼で過繁殖 在来種を脅かす(3面・暮らし)【2018年6月4週号】

 外来動植物に、在来の生き物が駆逐されることで、自然生態系が崩されることが危惧されている。河川や湖沼などには最近、外来魚「コクチバス」の過繁殖が報告されている。最新の駆除の取り組みについて、埼玉県水産研究所水産技術担当の担当部長、山口光太郎さんに聞いた。

(3面・暮らし)

知って身近に収入保険 今秋から受け付け開始(11面・特集)【2018年6月4週号】

 今秋から始まる収入保険制度の加入申請を控え、NOSAI団体では、7月からタブレット端末機材(携帯型通信端末機材)を活用し、農家の庭先で個々の農業経営に応じた加入試算(シミュレーション)を示しながら、より具体的で詳細な制度説明に着手します。改めて制度の特徴を整理するとともに、保険料や保険金等の試算を解説します。

(11面・特集)

果樹の樹勢抑えるコントロール鉢 低樹高で栽培省力化(14面・資材)【2018年6月4週号】

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 果樹の根圏域の成長を抑制することで、樹勢を弱め低樹高化や糖度向上を狙う栽培も見られるようになってきた。コンテナや土中にシートを埋設する方式ではなく、側面と底面に複数の穴を開けた鉢に樹体を入れ、土中に埋め込んで根の伸長を一定の範囲に制限する「コントロール鉢」を開発したのは、神奈川県厚木市中依知で造園業を営む松本選(すぐる)さん(65)。鉢の側面に開けた穴には取り外しできる栓を付け、これを着脱することで微妙な生育コントロールができるという。一般家庭の植木での利用を目的に開発したが、松本さん自らビワなどの果樹に応用したところ、低木化による労力低減や糖度向上にもつながった。果樹分野での拡大が期待されている。

(14面・資材)

〈写真:栓は縁に引っかけて断線を防ぐ〉

スプリンクラーで薬液散布 ドリフト減少 都市部のナシ園に対応(15面・営農技術)【2018年6月4週号】

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 埼玉県農業技術研究センターは、スプリンクラーを利用したナシ園の省力的な防除法を検討し、技術確立へ向けた研究開発を進めている。スプリンクラーによる薬液散布は、スピードスプレヤー(SS)と比較して短時間で作業でき、ドリフトや騒音が少ないことが特徴。そのため、特に近隣住民や周辺環境への配慮が求められる都市部の園地での活用に期待が大きい。SSとの比較試験では、防除効果は若干劣るものの、同等の品質・収量を確保した。同センターでは今後、スプリンクラーの、より効果的な使用法についてマニュアル化する計画だ。

(15面・営農技術)

〈写真:スプリンクラーを説明する浅野専門研究員。棚上に二つ、棚下に一つのノズルがあり、薬液を立体的に散布する〉

ASIAGAP、WAP100、エコファーマーの小ネギ生産【山口県 6月4週号】

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 【山口支局】「今の会社の体制が10年続くことはないと思い、日々チャレンジしています」と話すのは、山陽小野田市の有限会社グリーンハウスの松村正勝代表取締役社長(48)。1994年8月に同社を設立、主に小ネギの栽培を始めた。今年4月には、さらなる生産の拡大を目指し、集出荷施設「有限会社グリーンハウスおのだネギ三味(ざんまい)包装センター」が完成、本格的に稼働を開始した。

〈写真:調製作業後の小ネギを箱に詰めるスタッフ〉

多くの支援でハウスを再建【北海道 6月4週号】

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 【北海道支局】日高地方を襲った今年2月の記録的な大雪は、ビニールハウスなどに甚大な被害をもたらした。新冠町明和でピーマンを栽培する本間敏次郎さん(41)は昨年、ビニールハウスを増棟し、べトナムからの研修生を受け入れる宿舎が完成する予定だった矢先、所有する24棟すべてが全壊。同町では17戸129棟のビニールハウスが被害を受けた。同町役場やJAにいかっぷ、新冠建設協会の職員らが、除雪作業や施設の撤去などを自主的に行い復旧を支援。本間さんの農場には60人もの支援者が駆け付けた。

〈写真:営農再開を果たした本間さん。「皆さんのおかげです」と感謝している〉

イノシシ捕獲のくくりわな 右前足の着地点に埋設【栃木県 6月4週号】

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 【栃木支局】市貝町大谷津で水稲70アールを作付けする上野俊英さん(70)は、近隣の3人とわなによるイノシシ駆除に取り組み、多い年で約200頭を捕獲する。わなの設置は、獣道が狭くなっている所に障害物を置いてまたがせ、平地なら手前、傾斜地なら下側に埋める。上野さんは、生態分析と駆除技術の向上に余念がない。「イノシシはほとんどが右利きです。右前足が着地する位置に設置するのがコツです」

〈写真:わなを設置する上野さん〉

農機具を自作・改良 経費を大幅に削減【愛知県 6月4週号】

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 【愛知支局】豊橋市天伯町でキャベツを7.2ヘクタール栽培している柴田隆夫さん(59)は、農機具を自作・改良し、経費削減と農作業の効率化を図っている。農機具を作るようになったのは25年前。初めての発明は、当時栽培していた赤シソの収穫機だという。夏場に手作業で収穫していたので、どうにか楽にしたいと考え、茶刈機を応用した収穫機を完成させた。柴田さんは「この発明が最初の大きなハードルで、それを超えたことが自分の自信につながった」と話す。

〈写真:修理したトラクターの前で笑顔の柴田さん〉

幸運をもたらす? 真っ白な雌牛【岩手県 6月4週号】

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 【岩手支局】一関市薄衣の伊藤和夫さん(69)が飼養する乳牛が、3月20日に全身の体毛が白い雌牛を出産した。「逆子だったので、獣医師さんにお産を手伝ってもらった」と和夫さんの妻・日出子さん(67)。NOSAI岩手県南家畜診療所磐井診療所長の菊池祐浩獣医師は「全身が白くても脚だけ黒い牛は見たことはあるが、ここまで白い牛は見たことがない」と驚く。

〈写真:「耳だけ黒いので、孫が『ピカチュウみたい』と喜んでいる」とすっかり家族の人気者となっている〉

防風林「「風土記」は世の鏡、平成版は何を映すのか?【2018年6月4週号】」

 ▼武蔵国(埼玉県)の秩父地方でわが国初の銅山が発見されたことから、元号を「和銅」(708年)と改められ、後に「和同開珎(わどうかいちん)」と銭文の和製通貨が初めて流通した。
 ▼今、「一世一元制」の世だが、過去には幾度か改元した例は多い。和銅銭の文字に「銅」ではなく、「同」をあてた所以(ゆえん)は中国古典に「天地和同」などの言葉も見られ、安寧の願いを込めたとされる。銅山の麓に建つ聖(ひじり)神社には今も和銅が御神体として祭られている。
 ▼『古事記』『日本書紀』は日本最古の書とされ、『風土記(ふどき)』もまた同じ和銅期に編さんされた。前2書は神話の時代から推古・持統天皇期までの歴史書に対して、風土記は中央政権が地方官吏に伝承や気候・風土、地名とその由来を提出させることで、地方掌握目的の地誌的役割を帯びていた。
 ▼『風土記 日本人の感覚を読む』(橋本雅之著)では「地方の村里視線からみた歴史観がある」とし、稲作文化や日本人のむら意識、精神性などの源泉がうかがえるという。現存する風土記は、常陸・出雲・播磨・肥前・豊後の5地方のみ。
 ▼文書の多くが散逸した伊勢風土記には、土地に鎮座する風の神が天照大御神(あまてらすおおみかみ)に国を譲る伝説が残る。橋本氏は、台風常襲地の民が「災害の恐怖と風の恩恵を、神への畏敬の念を込め語り継いだ」とする。和銅期の「現在」と何百年も遡(さかのぼ)った「過去」に、今の日本人に通じる深層意識が隠されている。風土記はその時代の鏡、「平成版風土記」は現世をいかように映すのか、評価は千年後だ。

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