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今週のヘッドライン: 2018年07月 3週号

平成30年7月豪雨・濁流が産地襲う NOSAI被害確認に全力(1面)【2018年7月3週号】

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 6月28日~7月8日にかけて、西日本を中心に広い範囲で降り続けた記録的な大雨により、広島県をはじめ岡山県や愛媛県などで甚大な被害が発生している。12日13時45分現在、死亡・行方不明・安否不明者が15府県・245人に及ぶほか、土砂崩れや河川の氾濫等により広範囲で道路や民家、農地などが被災した。気象庁はこの大雨を「平成30年7月豪雨」と命名。農林水産省によると、農業関係の推定被害額は13日現在で80億円を超える。被害の全容が判明するには相当の時間がかかると見られている中、被災地のNOSAI団体では、迅速な共済金支払いに向け、対応可能な地域から実態調査に取りかかっている。

(1面)

〈写真:浸水によって押しつぶされた園芸用ハウス。水の力によって基礎部がむき出しになった(愛媛県大洲市菅田町、7月10日)〉

7月豪雨でため池の決壊相次ぐ 防災対策が急務(2面・総合)【2018年7月3週号】

 西日本を中心に記録的な大雨をもたらした「平成30年7月豪雨」では、ため池の決壊が相次いだ。広島県では人的被害が発生。さらに農林水産省が選定した「防災重点ため池」でないため池の決壊も確認された。同省は被害の拡大防止に向け、被災地域にあるため池の状況把握を急ぐとともに、適正な管理に必要な対策の強化に向けた検討に着手する方針だ。ため池は農業用水の確保はもとより、洪水・土砂流出の防止・抑制など防災機能も担っている。ただ、老朽化が進み、これまでに経験のないような豪雨が多発する中、管理・監視体制の強化が大きな課題となっている。地域の状況を踏まえた実効性ある対策を早急に講じる必要がある。

(2面・総合)

施設園芸・植物工場展にNOSAI協会が出展 園芸施設共済と収入保険をPR(2面・総合)【2018年7月3週号】

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 「施設園芸・植物工場展2018(GPEC)」(日本施設園芸協会主催、NOSAI協会〈全国農業共済協会〉など後援)が11~13日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれ、最先端の園芸資・機材など230を超える企業や団体などが出展。全国から集まった園芸関係者でにぎわった。

(2面・総合)

〈写真:本紙ブースでは見本紙を配布してPR〉

畑を学びの場に「心も体も元気に」収穫体験や草木染(3面・暮らし)【2018年7月3週号】

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 鹿児島県日置市日吉町で津波〈つは〉農園を経営する津波雅利さん(41)は、たくさんの生き物のいる畑など、「子どもが遊びながら学べる環境を維持したい」との思いから、妻の静佳さん(34)と薬剤に頼らずにソラマメやスナップエンドウなど約1ヘクタールを生産する。草木染教室や収穫体験などのイベントも開き、参加者に自然の中で学べる環境を提供している。

(3面・暮らし)

〈写真:念入りに手入れをする津波さん〉

「改正卸売市場法」成立で生産者に影響は? 今後の展望を識者に聞く(8面・流通)【2018年7月3週号】

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 改正卸売市場法等が成立した。公設に限り中央卸売市場として開設を認可する現行制度を廃止し、一定の要件を満たせば、民設でも市場の開設を認める「認定制」に移行するのが柱で、取引ルールも大きく緩和される。新制度は2020年にスタートする。改正法のもとでの卸売市場はどう変わり、生産者に影響はあるのか。卸売市場政策研究所の細川允史代表と東京聖栄大学の藤島廣二客員教授に聞いた。

(8面・流通)

〈写真:卸売市場法等の改正が真に生産者・消費者のメリットにつながるのか、今後の動向には注視が必要だ〉

薬剤散布の極意は"付着量" 農研機構がかんきつ農家向け研修会で講演(9面・営農技術)【2018年7月3週号】

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 「防除効果を左右するのは、作物への薬液の付着量」と強調するのは佐賀県上場営農センターの田代暢哉主査。農研機構が長崎県で開いたかんきつ農家向け研修会で、病害虫防除について講演。経験に依存した思い込みなどから脱却し、散布濃度や時間帯、製品の品質、散布ノズルなどを具体的に検討することで、飛散(ドリフト)を抑え薬剤の効果を十分に生かせると示した。講演内容を中心に紹介する。

(9面・営農技術)

〈写真:強力キリナシプラノズルは直線的に散布できる〉

Iターンで酪農 乳量より健康が大事【鹿児島県 7月3週号】

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 【鹿児島支局】「一産でも多く、長く牛を飼養できるようにしていくのが今後の課題。そのためにも放牧できる土地を拡大し、牛がゆっくりできるスペースを作りたい」と話す湧水町の西ノ村高志さん(32)、幸美さん夫妻。千葉県からIターンして始めた酪農は今年で4年目を迎える。湧水町では約30年ぶりの酪農の新規就農者となった。

〈写真:西ノ村さん夫妻。「牛は一頭一頭名前で呼んでいます。牛の体調について話すとき、夫婦間で情報を共有しやすいです」と幸美さん〉

農薬散布ボートを自作 水稲4ヘクタールは半日で終了【福島県 7月3週号】

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 【福島支局】須賀川市松塚の星野栄喜(えいき)さん(67)は、水稲の農薬散布用に、ラジオ・コントロール(RC)のエアボートを製作した。昨年まで水稲4ヘクタールでの散布作業は圃場の中を歩きながら1日半かかっていたが、今年は半日で終了した。

〈写真:エアボートを手に星野さん。もともとRCの飛行機やヘリコプターが趣味だったという〉

小麦で地域活性化へ 今秋にはビールの試作も【新潟県 7月3週号】

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 【新潟支局】「この小麦でビールを造るのが目下の夢ですね」と話すのは、柏崎市高柳町門出地区の山崎智仁さん(42)。同地区の大規模農家で働きながら、自身では水稲約45アール、小麦約60アールを栽培している。

〈写真:「小麦は魅力的な作物です」と山崎さん〉


無添加の梅干し 高級志向に照準【岩手県 7月3週号】

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 【岩手支局】梅干しの生産と販売を手がける住田町世田米の有限会社及川農園(及川詔夫社長)は、梅干し作り60年以上の老舗。高級志向の購買層を狙った販売戦略を展開する。三越、京王、高島屋などの大手百貨店に3年かけて自ら出向き、販路を開拓。1995年、ギフト商品の販売にこぎつけた。評判は徐々に広まり、2015年には全日本空輸(全日空)の機内食に採用された。

〈写真:ウメの生育を見回る及川社長〉

IoT水門機器を導入 水田の水管理を遠隔操作【富山県 7月3週号】

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 【富山支局】高岡市二塚で水稲6ヘクタールを栽培する認定農業者・大坪洋介さん(37)は、滑川市の農業ベンチャー企業「笑農和(えのわ)」が開発したIoT(モノのインターネット)水門機器「Paditch Gate(パディッチゲート)」を、昨年5月に1台、今年5月に1台導入し活用している。水門機器には水温や水位を図るセンサーが装着され、24時間監視できる。その情報を水位調整サービス「Paditch(パディッチ)」で解析し、スマートフォンで遠隔から水門の開閉を指示することが可能だ。また、深夜の水入れ、朝方の水止めがタイマーで設定可能となっている。

〈写真:パディッチゲートの横でアプリの情報を確認する大坪さん〉

防風林「暴れ川の対策は森林の機能回復から【2018年7月3週号】」

 ▼静かな流れと豊富な生物の共生が流域住民の生活を支える母なる河川も、ひとたび豪雨で牙をむき荒れ狂う暴れ川に変貌する。人は太古の昔から相反するその様相に、恐れと畏敬の念を抱き接してきた。
 ▼気象庁が大雨特別警報で使う「今まで経験したことのない大雨」との発令は、尊い人命や農作物を飲み込むほどの大災害に対し、救済の福音となることなく、空虚な警鐘でしかなかった。
 ▼平成30年7月豪雨による堤防決壊で大被害に遭った岡山県倉敷市。河川本流の急激な増水により支流が合流できずに停滞、再び上流方向にさかのぼる現象を「バックウオーター」であると知った。戦国期、急峻な甲斐国(山梨県)を流れる釜無川は、支流との合流点周辺地域が度重なる氾濫に襲われた。そこで治水に取り組んだのが武将・武田信玄。
 ▼支流を分水し水量を減らすとともに、合流点に大石を置くことで水勢を弱める。また木杭を三角形に組み、石詰めの竹籠を重しとする「聖牛」という簡易な構造物で水勢の軽減を図り、本流・支流の合流を容易にして、激流の持つ破壊力を抑えた。この信玄堤は、現在でも治水効果を見せている。
 ▼森林の"かん養(保水)力低下"が山の土砂崩れを起こし、大量な濁流を河川に供給して増水と氾濫が連鎖する。土木技術で「水を制する」のも大切だが、森林に目を向け「水循環機能」を回復させなければ、未来永劫(えいごう)にわたり同じ悲しみや怒りにふれなければならなくなる。

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