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今週のヘッドライン: 2018年08月 1週号

被害拡大 見えぬ全貌・平成30年7月豪雨 確認不能な被災地 復旧阻む猛暑(1面)【2018年8月1週号】

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 西日本を中心に記録的な豪雨となった「平成30年7月豪雨」から間もなく1カ月。土砂崩れや河川の氾濫による影響は今なお残っており、被害の全容把握には至っていないのが現状だ。特に被害が大きかった広島県や岡山県では災害発生以降、気温35度を超える猛暑に、復旧作業は思うように進んでいない。被災地域のNOSAIでは被害状況を把握するとともに損害評価を進めており、早期の共済金支払いに向けて全力を挙げて取り組んでいる。現在まで把握されている被害の状況と、過去にさまざまな自然災害に見舞われた被災農家から応援のコメントを紹介する。

(1面)

〈写真:土砂が流入した水田で被害調査するNOSAI職員(広島県三原市本郷町、7月24日、写真提供=NOSAI広島)〉

収入保険の事前受け付け開始 農業者の手続き負担軽減へ(1面)【2018年8月1週号】

 収入保険制度に加入を希望する農業者の手続き負担を少しでも減らそうと、全国農業共済組合連合会(NOSAI全国連)は1日から、加入申請にかかる事前受け付けを全国一斉にスタートする。正規の加入申請手続きの開始日は10月1日だが、その前にNOSAI全国連から業務委託を受けた農業共済組合等の職員が、戸別訪問などを通じて制度加入に必要な書類の作成を後押しする。農業者の手続き負担を軽減するとともに、10月からの円滑な加入申請につなげる方針だ。

(1面)

多面的機能交付金 活動組織が減少 高齢化の対応が急務(2面・総合)【2018年8月1週号】

 農林水産省は7月26日、多面的機能支払交付金にかかる第三者委員会を開き、2017年度の取り組み状況などを検証した。農家の高齢化などに伴い活動組織は減少に転じ、取り組み面積も全国ベースでは微増傾向が続いているが、都道府県別では西日本を中心に4割強が前年割れとなった。同交付金は19年度から制度内容が見直される。農地や水路などの適切な維持管理は農業生産の要であり、水源かん養など多面的機能の発揮にも欠かせない。地域住民や女性など多様な主体の参画を図りながら、取り組みが継続・強化される仕組みづくりが求められる。

(2面・総合)

農業保険制度 丸ごと集落農家に NOSAI南部地域 補償の大切さ強調(5面・NOSAI部長)【2018年8月1週号】

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 青森県・NOSAI南部地域(南部地域農業共済組合)管内のNOSAI部長は、予期せぬ自然災害等から組合員を守ることを目的に、多様な災害を補償する果樹共済や建物共済の総合方式への積極的な加入推進にも力を入れている。農業保険制度の役割に思いをはせ、地域のリーダーとして農家の絆を深める活動に取り組む七戸町と十和田市のNOSAI部長2人に話を聞いた。

(5面・NOSAI部長)

〈写真上:リンゴの手入れの合間にNOSAI職員と相談する米田さん(右)〉
〈写真下:久野さん(左)は「収入保険の導入は農家が経営感覚を磨くチャンスだ」と考えている〉

"カラフル野菜"を新たな主力に 多様な販路を構築(6面・流通)【2018年8月1週号】

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 石川県輪島市房田町の上田農園(代表=上田拓郎さん・35歳)では、親の代から受け継がれてきたトマトやキュウリ栽培に加え、色彩豊かなカリフラワーやナス、ダイコンなど少量多品種を作付け、多様な販路を構築している。上田さんの野菜を多く食材利用する地元洋食店には、直売所を通じて仕入れてもらう。地域差のある需要を見越して、複数の卸売市場に商材を変えて卸す工夫も行う。両親からの経営権委譲と同時に栽培を始めた"カラフル野菜"を、農園の新たな主力として継続していく計画だという。

(6面・流通)

〈写真:上田さんはトマトを年間6千本栽培し、毎日4個入りを200袋出荷する〉

自動走行車に作業機連結 研究進む自動化・ロボット化 果樹生産を大幅省力(9面・営農技術)【2018年8月1週号】

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 農業分野では、自動化・ロボット化の研究が急ピッチだ。農林水産省の「革新的技術開発・緊急展開事業」の一環として、果実分野の大幅な省力化を目指す研究計画が盛り込まれている。同プロジェクトでは農研機構・果樹茶業研究部門を中心に産学官共同により、自動化やロボット化に適応した樹形の開発とともに、自動走行車両や各種作業機の研究・開発が進む。自動走行車両は、収穫・防除・草刈りなどの作業用機械をけん引し、事前に設定した経路を無人自律走行し作業をこなす機能を持つ。また、自動化に適合した仕立て方法として樹種共通の列状・密植した樹形を検討中だ。これにより、各種作業を省力化し年間労働時間の3割以上の削減を目指している。

(9面・営農技術)

〈写真:薬剤散布機をけん引し、枕地を旋回する自動走行車両〉

エディブルフラワー 農薬使わず周年栽培【岩手県 8月1週号】

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 【岩手支局】花やハーブなどを農薬を使わず栽培し、エディブルフラワー(食用花)を県内外のカフェやレストランなどに出荷する花巻市石鳥谷町の「Les Racines(レ・ラシーヌ)」。生産から販売まで手掛ける岡居亜優美さん(40)は、「ウエディングケーキやレストランのメニューなど、料理に使われる花として安心して使ってもらいたい」と話す。

〈写真:「エディブルフラワーを料理に使ってもらえるとうれしい」と話す岡居さん〉

新規就農のモデルを目指す【高知県 8月1週号】

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 【高知支局】「いつまでも農業を続けていきたい」と楽しそうに話す南国市大埇の都築廣和さん(39)。妻の美和さんと、ハウスシシトウ12アールを栽培している。2016年に就農し、周りで栽培する人が少ない「土佐じしスリム」に取り組み、須崎市の農家からも栽培方法を教わっているという。工夫を重ね、通常の約1.5倍の10アール当たり11トンを収穫したことがあるという。珍しい品種と栽培方法のため、研修や現地検討会などで視察に訪れる人もいる。

〈写真:北海道から取り寄せたペットのエミューと都築さん〉

ハウスのビニール巻き上げ直管 たわみ防止ストッパーを商品化【新潟県 8月1週号】

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 【新潟支局】「パイプハウスの『巻き上げ直管たわみ防止ストッパー』は、雪の多い地域にとって、なくてはならない必需品です」と話すのは、阿賀野市熊堂の斉藤剛さん(72)。パイプハウス10棟超を所有し、野菜を中心にさまざまな作物を栽培している。ハウスのすそビニールの巻き上げ直管に取り付けるストッパーは、斉藤さんがおよそ10年前に開発し、商品化した。「毎年雪の重みで、巻き上げ直管が曲がるのを何とかしたいと思っていました」と開発のきっかけを話す。

〈写真:「巻き上げ直管たわみ防止ストッパー」の効果を説明する斉藤さん〉

はしごに台車を載せて 苗箱運びの労力軽減【長崎県 8月1週号】

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 【長崎支局】波佐見町で水稲58.6アールを栽培する福田勤さん(70)は、はしごに台車を載せた「ハシゴトロッコ台車」を考案した。市販の一連はしごをレールにして、その上に台車を載せたもの。台車と結んだ左右のロープを引くと、台車に付けたベアリングが回転し移動する仕組みだ。はしごの下には農作物出荷用のコンテナを置いて安定させている。苗箱は台車に縦に入れ、一度に18枚運搬できるようになり、大幅な労力軽減が図られた。

〈写真:ハシゴトロッコ台車と福田さん〉

カラスは凧が苦手?【北海道 8月1週号】

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 【北海道支局】標津町の鹿能圭介さん(35)は、カラスによる乳房傷害や飼料の盗食を受け、ロケット花火で威嚇したが、すぐに慣れてしまい対応に苦慮していた。タカの形をした凧が良いと聞き、使ってみたところカラスの飛来が激減。鹿能さんは「凧が風になびく姿と音がカラスを遠ざけた」とみている。凧はホームセンターで購入。揚げるポールの強度を高め、凧をつなぐテグスが絡まないようにするなど工夫を重ねている。

〈写真:鹿能さんが工夫を重ねた凧が舞いカラスを追い払う〉


防風林「地野菜復活は、地域ぐるみの活動で【2018年8月1週号】」

 ▼今、全国で地野菜を地域資源として復活しようとする活動が増えている。京野菜や加賀野菜が何百年も永続したのは、伝統の食文化を存在させてきたことからだという。
 ▼文献や古老の記憶でしか伝承されていない野菜品種を種子探しから始めるのは容易なことではない。だが、種が途絶えた理由には需要の変化や栽培の手間などの理由があったはずだ。「伝統」を新たな商品価値として売るためだけの地野菜復活劇ではもとの木阿弥、再び衰退しかねないのでは。
 ▼江戸東京野菜の「練馬大根」は漬物向けの品種だったが先太りで収穫作業に手間取り、「亀戸大根」は陽光や気温上昇に弱く細かな管理が求められた。亀戸大根を作り続けた江東区の農家は、葦簀(よしず)を太陽の向きに合わせ角度調整するため、朝、家を出ると日暮れまで畑にいた。葉が横に広がる葉物は流通時に葉が傷み、改良されて小松菜になった。
 ▼ある集落では娘が嫁ぐ際、地野菜の種を柳行李に忍ばす風習があった。当の集落では栽培が途切れた地野菜が、嫁ぎ先集落で大切に守られ今に残るという話も聞いた。地野菜の復活劇は、先人らの思いや苦労も同時に復活するということだ。
 ▼京都や石川では伝統野菜を使った料理が営々と存続する。歴史的な価値もさることながら、復活させた地野菜の調理法も再現してほしい。農家のみならず料理人や加工職人などをも巻き込んだ地域ぐるみの取り組みが、将来に残していける原動力になる。

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