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今週のヘッドライン: 2018年08月 4週号

再建へ踏み出す 「7月豪雨」からまもなく2カ月 ―― 岡山県倉敷市真備町地区(1面)【2018年8月4週号】

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 広島、岡山、愛媛県など西日本を中心に甚大な被害をもたらした「平成30年7月豪雨」から2カ月。岡山県倉敷市真備町地区では7月7日までに小田川などが氾濫し、地区面積の約3分の1が水没。現在、町のあちらこちらでインフラ再建の工事が進められているが、土砂やがれきが流入した水田、倒壊した園芸ハウスなどの農業被害は、まだ多くが手つかずのまま残っている。真備町内の農家2人に、現在の状況や経営再建への思いなどを聞いた。

(1面)

〈写真上:土砂やごみが流入した大豆畑に立つ小野さん。表面は泥が乾いて固まり、雑草が伸びている〉
〈写真下:水没して水の勢いで押しつぶされたハウスの前で木村さん。中の樹も倒れている〉

49歳以下の新規就農者 2万人超えも前年割れ(2面・総合)【2018年8月4週号】

 農林水産省はこのほど、2017年の49歳以下の新規就農者数が2万760人となり、4年連続で2万人を超えたと発表。特に新規参入者は年齢別の統計開始(07年)以降、最多を更新した。一方で、新規自営農業就農者(親元就農者)数が3年連続で前年割れとなったことなどから、総数は2年連続で前年を下回った。さらに50歳以上を含めた新規就農者数全体も3年ぶりに6万人を割り込んだ。農家の高齢化や担い手不足が深刻化する中、地域農業の永続には人材の育成・確保は喫緊の課題だ。若い担い手はもとより、性別を超えた多様な年齢構成の新規就農者を後押しする対策を強化・てこ入れする必要がある。

(2面・総合)

19年度概算要求 農林水産は2兆7269億円 収入保険は335億円計上(2面・総合)【2018年8月4週号】

 農林水産省は24日、自民党農林関係合同会義に2019年度予算概算要求案を示し、了承された。総額は18年度当初予算比18.5%増の2兆7269億円。19年1月からスタートする「収入保険制度の実施」は75億円増の335億円を計上し、農業保険法に基づき、加入農業者の負担軽減と事務の円滑化に必要な保険料・積立金などの国庫負担を措置する。概算要求は月末に正式に決定する。

(2面・総合)

NOSAIにお任せください(38) ―― NOSAI徳島南部支所 サシバエ対策に畜舎消毒代行 畜産経営の安定に寄与(5面・農業保険)【2018年8月4週号】

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 NOSAI徳島(徳島県農業共済組合)では損害防止事業の一環として、南部支所を中心に家畜共済に加入する酪農家や肉牛農家を対象に畜舎消毒を実施し、サシバエなど媒介虫の殺虫による疾病予防を図っている。南部支所管内では、毎年7~9月にかけて15戸の農家がサービスを利用。無償で行うため農家負担が軽減するほか、畜舎環境の向上により肉質維持や乳量確保が期待でき、経営の安定化につながるとして評価も高い。

(5面・農業保険)

〈写真:畜舎消毒を行うNOSAI職員。軽量で、肩にかけながら作業をすることができる〉

水田センサーシステム 農家発案で低コスト化 ―― 埼玉県杉戸町・株式会社ヤマザキライス(12面・資材)【2018年8月4週号】

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 埼玉県杉戸町才羽で水稲90ヘクタールを栽培する株式会社ヤマザキライスの山﨑能央代表(44)は、水田の見回り作業を効率化しようと、自ら作成した企画書を企業へ持ち込み、安価な水田センサーシステムの開発を実現した。水田に機器を設置すればスマートフォンで入水の有無が確認できる。機能を必要最低限に絞ることで低コスト化につなげた。「農家だからこそ、自分たちが本当に必要な製品についてアイデアが出せる」と話す。課題を整理し、導入効果などを具体的に業者に説明することで、着想から2年で市販化のめどが立った。来春の発売を予定している。

(12面・資材)

〈写真:「スマートフォンサイズで設置しやすい。デザインも気に入っている」と山﨑代表〉

米ぬかを圃場に還元 雑草が生えにくい土づくり ―― 福井県越前市・高山農園(13面・営農技術)【2018年8月4週号】

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 福井県越前市大塩町で水稲26ヘクタールを栽培する農事組合法人高山農園は、米ぬかを圃場へ還元して微生物などが豊富な軟らかい土づくりを実現し、機械除草での抜き取りをしやすくしている。家族とともに農園を経営する高山弘和さん(66)は「地面がトロトロになって雑草も生えにくい。除草は土づくりが大切」と話す。発生初期からの機械除草を中心に防除し、全圃場で除草剤散布を1回以下に抑える。土づくりの継続により、昨年は機械除草せずに対策できた圃場もあり、さらなる省力化と増収に向けて研究に励んでいる。

(13面・営農技術)

〈写真:「今年もしっかり雑草が防げている」と中干し時期の水田で高山さん〉

その子に合った居場所を 育つ場は学校だけじゃない! ―― NPO法人登校拒否不登校を考える全国ネットワーク・代表 奥地圭子さん(3面・暮らし)【2018年8月4週号】

 夏休み明けが近づく中、子どもの変化に注意したい。学校での生活を楽しみにする子どもたちがいる一方で、いじめなどを苦に命を絶つ例も多くなる時期。厚生労働省によれば、全年代では自殺者数が減少しているのに対し、若年層は横ばい。原因・動機では「学校問題」が毎年300件前後で推移している。NPO法人登校拒否不登校を考える全国ネットワーク代表の奥地圭子さんは「育つ場は学校だけじゃない」と主張する。子どもたちを追いつめない社会の重要性について説明してもらった。

(3面・暮らし)

水稲共済・被害申告を忘れずに(5面・農業保険)【2018年8月4週号】

 相次ぐ台風の襲来や豪雨により、各地で農地の冠水や損壊などのほか、農作物にも大きな被害が発生した。今後水稲の収穫期が本格的に始まるが、引き続き天候には注意が必要だ。共済金の支払いには、農家からの被害申告をもとに行う損害評価が欠かせない。被害が発生したら、すぐに最寄りのNOSAIに連絡することが重要だ。水稲共済を例に被害申告や損害評価の流れについて共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・農業保険)

トロピカルフルーツを全国に 姿、香り、味が魅力(11面・特集)【2018年8月4週号】

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 これまでの一般的な国内果実にない南国ムード漂う姿・味・香りに加え、美容・健康にも良いということから近年、熱帯・亜熱帯果実(以下、トロピカルフルーツ)の需要が伸びている。農林水産省によると、果実全体の輸入量は2004年ごろをピークに減少基調にあるものの、生鮮果実はバナナ(全体の59%)、パイナップル(同9%)、キウイフルーツ(同6%)など、トロピカルフルーツが大半を占める。消費者の国産志向が続く中で、栽培を始める生産者も現れ始め、今後の動向が気になるところ。苗木の供給や栽培指導で貢献する事例を中心にまとめた。

(11面・特集)

〈写真上:鹿児島県日置市/ゆす村農園代表・東愛理さん。「個人の楽しみにも応えながら、産地づくりのお手伝いができたら」と話す〉
〈写真下:栃木県那須烏山市/Tropical Planet 代表・福島直彌さん。抱いているのはハクビシンよけに活躍する"番ネコ"の「チャーさん」。番ネコは全部で10匹ほどいる〉

バイオガス発電の余剰熱利用 水耕メロンの良品多収実現【北海道 8月4週号】

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 【北海道支局】今春からメロンの水耕栽培を始めた新得町の有限会社友夢(ゆうむ)牧場(植田昌仁代表=49歳)では、収穫期を迎えている。農薬を使わずに良品を多く収穫できる水耕栽培で、道内では初の成功事例だ。家畜ふん尿を利用したバイオガスプラントが現在2基稼働中の同牧場(経産牛約900頭、育成牛約600頭飼養)では、以前から余剰熱の利用方法を模索していた。

〈写真:ハウス一面に広がるメロン〉

耕作放棄地の分布をGISで"見える化" 農地60ヘクタールを再生利用【長崎県 8月4週号】

 【長崎支局】松浦市農業委員会(山川重晴会長)では、市独自のGIS(地図情報システム、2008年度に導入)を用いて耕作放棄地の分布を"見える化"した。この情報を、農地の貸し手と担い手のマッチング会や「人・農地プラン」の作成に活用している。同農業委員会の眞弓朋治事務局長は「11年度から6年間で約60ヘクタールの耕作放棄地を再生利用することができました。担い手がいなければ耕作放棄地は減らないので、後継者の育成や法人化の推進、企業とのタイアップなどに取り組んでいきたい」と話す。

酪農から繁殖へ転換 市場の高評価が励みに【香川県 8月4週号】

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 【香川支局】「朝夕の搾乳もなくなり、農作業の合間に牛舎をコツコツ改造しています」と話す土庄町小江の山本利弥さん(54)。酪農家から繁殖農家に転身し、市場の評価を励みに経営改善を進めている。5年に1度開催される全国和牛能力共進会では、山本さん方から出荷後に肥育農家が飼育した和牛が2大会連続で県代表に選出されている。県家畜市場で行われる和牛子牛のせり市では、これまでに最高値を2度記録している。

〈写真:「農業は体力勝負」と汗を流す山本さん〉

奈良県の新野菜 辛くないトウガラシ「やまと甘なんばん」【奈良県 8月4週号】

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 【奈良支局】「『やまと甘なんばん』は辛くないトウガラシなので、幅広い年代にアピールできます」と話すのは、曽爾村で野菜(ハウス23アール)を生産する山浦康二さん(57)。御杖村の大澤洋道さん(54歳、ハウス13アール)と宇陀市の柏木英俊さん(46歳、ハウス50アール)の3人で「やまと甘なんばん生産協議会」を設立し、昨年からハウスでの栽培に取り組んでいる。

〈写真:やまと甘なんばん(昨年7月、写真提供=山浦さん)〉

見て良し食べて良し「花オクラ」【青森県 8月4週号】

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 【青森支局】花部分を食べる「花オクラ」を栽培する弘前市高杉の赤石敦さん(39)は、「ハイビスカスのような花が好き」と笑顔で話す。花オクラの種子はインターネットで購入。春に畑の一部に播種し、8月から収穫の最盛期を迎えた。花は昼を過ぎるとしぼむため、開花直前の朝、開いた花を収穫する。「一日花で日持ちはしないが、湯がいて食べるとオクラそのもの。トロっと粘り気があり、おいしい」と赤石さん。見た目からは想像できない味に驚いたという。

〈写真:花オクラは朝収穫する。「粘り気があっておいしい」と赤石さん〉

防風林「生命の大切さ伝える物語を伝承したい【2018年8月4週号】」

 ▼月遅れのお盆は同時に終戦記念日。73回目の戦没者追悼式に参列されていた方々もかなりのご高齢に。戦場や空襲の悲惨さを後世に伝える語り部は減少の一途、生命の大切さを願う灯火は消してはならないと改めて思う。
 ▼敗戦後、中国大陸に進駐していた旧日本軍の多くが武装解除したなかで、蒙古地域の守備隊は武装解除せずに居留民間邦人を護衛しつつ大陸を南下。守備隊の司令官、根本博中将は当時の中華民国・蒋介石総統に邦人擁護の約束を取り付け、約3万人とされる民間人や将兵の本土帰還の任を遂行した。
 ▼その後、大陸は毛沢東率いる共産党が勢力を増大、蒋介石の国民党は台湾に追われ窮地にあった。日本はGHQによる占領下で、海外への渡航は厳禁だ。だが1949年、根本は「釣りに行く」とだけ告げて家を出る。かつて、日本人救済の約束を履行した蒋介石の恩に報いるため台湾へ赴いたのだ。
 ▼共産党軍は大陸と台湾の中ほどに位置する金門島の攻略に向け、数万の兵力で進撃を開始する。迎え撃った国民党軍は激戦のすえ勝利するのだが、守備戦を指揮した将の中に根本の姿があったという。
 ▼生命を救う決断に対し信義で報いた物語。現在の日台友好の礎と知る人は少ない。帰国した根本の手には1本の釣り竿が握られていた。戦中の外交官・杉原千畝の功績や『火垂るの墓』(野坂昭如著)のほかに、語り継ぐべき隠れた物語は多いに違いない。

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