ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

今週のヘッドライン: 2018年09月 2週号

自然の猛威 列島襲う 平成30年北海道胆振東部地震・台風21号(1面)【2018年9月2週号】

180912_1.jpg

 9月に入り、続けざまに大災害が日本列島を襲った。25年ぶりの「非常に強い」勢力を持つ台風21号が日本列島を縦断し西日本を中心に大きな爪痕を残した矢先、北海道では6日未明に胆振〈いぶり〉地域を震源とする最大震度7を記録する「平成30年北海道胆振東部地震」が発生。園地の損壊などが多発し、停電や道路の寸断などにより農産物の生産や出荷などへの支障もきたしている。

(1面)

〈写真:台風で落下したリンゴの損害評価。石川県七尾市、5日〉

国産ゴマを振興 地域に活力 ―― 宮崎県三股町・霧島会(1面)【2018年9月2週号】

180912_2.jpg

 「自給率0.1%」といわれるゴマの栽培に、宮崎県三股町の生産者グループ「霧島会」(佐澤隆一会長=68歳)が挑戦している。同会は定年退職者を中心に発足し、農薬・化学肥料不使用でゴマを栽培。国産の希少性や品質の高さで全国にファンをつかむ。ブランド確立を目指し、町や商工会などが連携したプロジェクト委員会も立ち上がり、精力的に活動。菓子や飲食店のメニューなどさまざまな商品が開発され、地域活性化にもつなげている。現在は需要に生産が追い付いていない状況で、収量の確保が課題だ。今後は省力的な栽培技術の確立や、新たな生産者を募ることで面積を拡大し、より強い産地を目指す。

(1面)

〈写真:ゴマの圃場で生育を確認する佐澤会長(左)と下石さん〉

シカ・イノシシ生息数2年連続減少も 捕獲強化の継続を(2面・総合)【2018年9月2週号】

 環境省は6日、2016年度の全国(本州以南)のニホンジカの推定生息数(中央値、以下同)は15年度比2万頭減の約272万頭となったことを明らかにした。イノシシも5万頭減の89万頭で、ともに2年連続で減少した。鳥獣被害が深刻化する中、捕獲対策が強化されていることなどが要因だ。一方、減少幅は15年度より縮小しており、政府が掲げる23年度までに生息数を11年度比で半減させる目標の達成には、捕獲強化対策のさらなる推進が欠かせない。ジビエ(野生鳥獣肉)の利活用の拡大などを含め、より効果的で実効性ある対策の強化・拡充が求められる。

(2面・総合)

2019年度概算要求 収入保険の円滑実施へ 農水省が必要額計上(2面・総合)【2018年9月2週号】

 農林水産省は8月31日にまとめた2019年度予算概算要求で、19年1月からスタートする収入保険制度の実施に335億2700万円を計上した。農家負担を軽減する観点などから制度改善がなされた農業共済の関係予算には、850億2300万円を盛り込んだ。概算要求は年末の政府予算案の策定に向けて精査されるが、農業保険法に基づく収入保険・農業共済の円滑な事業実施に向け、必要な予算の確保が求められる。

(2面・総合)

麦共済 19年産から制度改正 一筆半損特例など補償充実(5面・農業保険)【2018年9月2週号】

 9月も中旬、地方によって異なるが、麦の播種作業が始まる。麦は、降雨など天候不良の影響を受けやすい作物。今夏は相次ぐ台風の襲来や豪雨に見舞われたことから、播種期の天候には注意が必要だ。万一の災害に備え、麦共済の加入が経営安定の基本といえる。2019年産を対象とする麦共済は、農業共済制度改正により、仕組みの一部が変更されるほか、収入保険制度への移行も可能となる。麦共済の改正点や収入保険制度との関係について共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・農業保険)

「Y字仕立て」で作業省力 リンゴ 独自の半わい化栽培を導入 ―― 長野市・斉藤隆幸さん(9面・営農技術)【2018年9月2週号】

180912_3.jpg

 長野県長野市浅川で斉藤りんご園を経営する斉藤隆幸さん(47)は、主幹から2本の主枝を伸ばしてY字に仕立てる独自の「半わい化栽培」に取り組んでいる。主枝をY字型に成型した支柱に固定し、樹勢を抑え、樹形をよりコンパクトに整える。定植後3年までに樹形を決定することで早期成園化が可能だという。10年生で10アール当たり収量8トンを見込む。主枝を2本にして樹勢を分散させ、樹高を3メートル前後に抑制。誘引や剪定など作業効率の向上も図っている。

(9面・営農技術)

〈写真:「新わい化などと同等以上の収量が確保できる」と斉藤さん〉

季節の草花や野菜で 押し花づくり ―― ワールド・プレスフラワー協会会長/豊増康生さんが伝授(3面・暮らし)【2018年9月2週号】

 例年に増して猛暑といわれた夏も終わりにさしかかり、秋の訪れが近づいてきた。日が短くなるこれからの時期にうってつけなのが「押し花」。身近な材料で手軽に取り組めるのが魅力で、先月には長野県の博物館にある押し花が国内最古のものと認定された。花はもちろんだが、野菜でもできるため、農作業の合間に収穫物の一部を利用して作製することができる。押し花の作り方と魅力について、ワールド・プレスフラワー協会会長の豊増康生さんに教えてもらう。

(3面・暮らし)

九州北部豪雨から再起 工夫して実り多く【福岡県 9月2週号】

180912_4.jpg

 【福岡支局】朝倉市杷木の林浩義さん(58)は、昨年の九州北部豪雨でイチゴハウスをすべて失った。「今後の生計を考えたとき、果樹では収入となるまで年数がかかり、野菜では面積不足となるため、どのように生計を立てようか悩んだ」。行政の事業説明会を通じて、再建に取り組む農家に対する国や県などの補助があると知り、希望が湧いたという。

〈写真:「新たな土地でハウスを新設し、イチゴ栽培を再開しました。収量アップに努めたい」と林さん〉

遊休農地を活用 青パパイア栽培【福島県 9月2週号】

180912_5.jpg

 【福島支局】遊休耕地の活用を目的に、青パパイアを栽培する試みが郡山市で始まった。青パパイアの機能性に着目するJA福島さくら郡山地区本部が主導し、市内の生産者53人が、約1ヘクタールに千本を栽培。10月から収穫を始める。「青パパイアは土壌が最も大事」と話すのは、昨年作付けを開始した渡辺喜長さん(76歳=水稲1ヘクタール、野菜2ヘクタール、繁殖和牛3頭)。「元肥を多めに施して一定の大きさに育てば、その後は除草と追肥くらいで、手間は掛からない」と話す。

〈写真:1.8メートルに成長した青パパイアと渡辺さん。高さ2.5~3メートルまで成長する〉

異物除去装置を開発 用水路のごみ詰まり防ぐ【石川県 9月2週号】

180912_6.jpg

 【石川支局】「用水路に異物除去装置を取り付けることで、ごみが詰まりにくくなり、円滑な用水の運営が図れます」。金沢市大友町で鞍月用水理事を今年の4月まで務めた村井清俊さん(60)は、自身が特許取得した「異物除去装置」を、今年5月から同町を流れる用水路の一角に設置し、水位が大きく変化しないことを実証した。

〈写真:「水の流れを確保して水路全体が詰まるのを防いでいます」と話す村井さん〉

細霧冷房で乳牛の夏バテ回避【山形県 9月2週号】

180912_7.jpg

 【山形支局】夏場の暑熱対策の一環として、舟形町福寿野で酪農を営む平賀弘さん(39)方では、牛舎内に細霧冷房装置を設置している。搾乳牛52頭と繁殖牛20頭を管理する平賀さんの悩みは夏場の飼養管理だった。県の補助事業を活用し、細霧冷房装置を2011年6月に導入。細霧は空気中に噴射されるため、牛体や牛床をぬらすことなく、常に一定温度を保つことができる。導入後は、餌の食い込みが落ちることもなくなり、乳量や乳質も安定したという。

〈写真:ミストを浴び、くつろぐ牛〉

単為結果性トマトを導入 高品質生産が可能に【香川県 9月2週号】

180912_8.jpg

 【香川支局】単為結果性品種のトマト「パルト」を2017年に導入した三豊市高瀬町の吉田和樹さん(41)は、「着果の手間が減り、真っ赤に完熟させても実に張りがある高品質生産が可能になりました」と話す。今年、施設20アールに4千株を栽培する。パルトは、一般的な品種で行うホルモン処理や蜂などの交配作業が必要なく、労力やコストを削減できる上に着果性が良い。また、高温での奇形果が減り、きれいな丸形になる。苗代は従来の1.5倍ほど。

〈写真:「作業効率が良くなったので、一つ一つの木の品質を高めていきたい」と吉田さん〉

防風林「最悪の事故が発生する前に人間の規律が大切【2018年9月2週号】」

 ▼人が自然災害を防ぐ手だてはなく、堤防造成などせいぜい被害軽減や避難する程度。猛暑・台風・地震の災禍は「地球の暴走」だ。
 ▼人が生みだした機械・装置の暴走もまた、人命や財産を奪う重大事故となる。『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』(ジェームズ・R・チャイルズ著)では、携わった人間の判断や行動が大事故発生を導き、また、被害を防止・軽減した事例を解説する。
 ▼ある航空機事故は、空気取入口のキャップをしたまま離陸、空気センサーが感知せずに誤表示がもとで墜落した。ある油田掘削船は、高波で電気室の窓が割れて浸水し、電気系統がショート。さらに甲板の開口部から入った海水が、片側の水平維持タンクになだれ込み、船体の傾きに対して作動しない計器類の誤表示を妄信し沈没。
 ▼この最新型掘削船は緊急時でも対応可能な安全設計とされた。だが、手動操作への切り替えに数工程を要するうえ手順書に記載もなく緊急時の訓練もなかった。検証の結果、原因は人災とされた。米国のある原発事故では、機器不調を訴える作業員の小さな声が届かず発生。老熟練技術者がこの指摘に気づき、最悪の事態を回避する。
 ▼チャイルズ氏は「科学技術には規律が必要」とする無事故を貫いた管理者の言葉を引用する。農業にロボットや人工知能が導入される今、万が一の暴走を制止するのは農家。快適さ便利さに溺れる"恐れ"を知り、使う"規律"作りが求められる。

» ヘッドラインバックナンバー 月別一覧へ戻る