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今週のヘッドライン: 2018年10月 3週号

周年放牧で長命連産 環境整えストレス軽減 ―― 松本牧場・群馬県嬬恋村(1面)【2018年10月3週号】

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 「自然に近い環境を整えることで、牛も人も健康になって良質な生乳生産を実現できる」。群馬県嬬恋村鎌原の松本のぼるさん(64)は、有機畜産物の日本農林規格(JAS規格)の認証に準じた酪農経営に取り組む。代表を務める松本牧場では、周年放牧を取り入れるなど牛のストレス軽減を意識した飼養管理に重点を置きながら、経産牛約50頭を飼養。牛を長く健康に育てたいとの思いからだ。有機飼料で育てた牛から搾った生乳を、地元の乳業メーカーに全量出荷。"有機JAS牛乳"として販売するほか、直営のカフェ「牛乳屋」では、消費者に直接届けている。

(1面)

〈写真:牛舎内にいる母牛に飼料を給与するのぼる代表〉

世界気温2030年にも1.5度上昇か 災害リスク増の恐れ(2面・総合)【2018年10月3週号】

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は8日、現行のペースで温室効果ガスが排出されると、早ければ2030年には、世界の平均気温が産業革命前よりも1.5度高くなるとの特別報告書を発表した。自然災害の発生リスクが高まり、環境面への悪影響なども深刻化すると警告。各国に実効性ある対策強化を訴えた。豪雨や高温、干ばつなど温暖化の影響とみられる現象は、すでに国内外で顕在化しつつある。特に農業は気候変動の影響を直接受け、食料供給にも支障を来す。官民を挙げて緩和・適応策に加え、災害対策を着実に実行していく必要がある。

(2面・総合)

台風24号:ハウス中心に被害 共済金早期支払いへ全力(2面・総合)【2018年10月3週号】

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 9月30日に和歌山県田辺市付近に上陸し、東日本から北日本を縦断した台風24号によって、各地で農業分野にも被害が発生している。特に園芸施設の損壊、水稲や果樹など農作物への被害が確認されており、被災地域のNOSAIでは、被害状況の確認を急ぐとともに早期の共済金支払いに向けて迅速・適正な損害評価に全力を挙げている。

(2面・総合)

〈写真:被覆材が剥がれて鉄骨がむき出しになったハウスを損害評価するNOSAI職員(静岡市駿河区、12日、写真提供=NOSAI静岡)〉

定年後はギンナンで 先を見据え苗木定植 ―― 銀杏本舗:金澤勉さん・福島県塙町(3面・暮らし)【2018年10月3週号】

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 「あまり手をかけなくても、きっちり実がなるのがいいところ」と話す、福島県塙町中塚の金澤勉さん(68)。「銀杏本舗」の園主としてイチョウ約250本を栽培し、ギンナンの生産・販売に取り組んでいる。苗木を植えてから十分な収量を確保できるようになるまで約10年。そのため、50歳のころから苗木を植え始め、定年退職後に本格的にスタートした。果肉を落として調製した状態で約1トン分を収穫。道の駅やホームページ、東京にある福島県のアンテナショップなどで販売し、旬の味を多くの人に届けている。

(3面・暮らし)

〈写真:ギンナンの生育を見る金澤さん。軸(果柄)が黄色くなると収穫できる〉

400年続く伝統野菜「出西生姜」"攻めの商材"として全国展開 ―― 出西生姜組合・島根県出雲市(8面・流通)【2018年10月3週号】

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 八岐大蛇(やまたのおろち)伝説のある斐伊川流域の島根県出雲市出西(しゅっさい)地区。「出西生姜(しょうが)組合」は400年以上の歴史があるという伝統野菜の「出西生姜」を守り続け、攻めの商材として位置づけている。個人向けの通信販売を中心に、地元では道の駅で生果と加工品を販売。同組合代表の永戸豊さん(74)は「シーズン入りを心待ちにしてくれている消費者がたくさんいる。良品を届け続けたい」と安定出荷に努める。

(8面・流通)

〈写真:道の駅湯の川で販売状況を共有する永戸さん(左)と金築駅長〉

暖冬予報に留意 果樹・小麦など今冬の栽培管理(9面・営農技術)【2018年10月3週号】

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 気象庁の寒候期予報によると今年は全国的に暖冬の傾向と予報されている。今夏は猛暑で作物の栽培管理が課題となったが、暖冬となれば冬も例年以上に気象状況に応じた的確な管理が必要となる。あらためて、暖冬時の果樹や小麦など作物への影響と、栽培での基本的な注意事項を紹介する。

(9面・営農技術)

遊休ハウス貸し出し事業 新規就農の足掛かりに【島根県 10月3週号】

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 【島根支局】JA所有の水稲育苗施設を、稼働していない期間に借り受けて、トロ箱を利用した移動型少量培地耕(トロ箱栽培)でミニトマトを栽培する松江市東津田の池原真樹さん(39)。ハウスを借りることで、建設費用など初期投資を大幅に抑えて新規就農を実現した。経営を安定させ、将来は自らのハウスを建設したいと奮闘中だ。

〈写真:選果に取り組む池原さん。「おいしい」と指名買いする人もいるという〉

ジネンジョのパイプ栽培【広島県 10月3週号】

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 【広島支局】「食べた人に『おいしかった、元気になった』と言ってもらいたい」。三原市久井町で「せんチャンファーム」を運営し、ジネンジョの栽培と加工品を販売する仙石一博さん(61)とヤチヨさん夫妻。10月にはムカゴ、11月からはジネンジョを収穫し、消費拡大を目指している。

〈写真:「いろんな人との出会いがあってうれしいです。直売所でお待ちしています」と仙石さん夫妻〉

農業ができる日常がうれしい 避難先から帰還して花栽培【福島県 10月3週号】

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 【福島支局】浪江町の荒川勝己さん(44)は、同町請戸地区で水稲を栽培していたが、東日本大震災の津波の被害を受けて県外に避難した。「町に戻り農業を再開したい」と、今年2月に同町加倉地区へ帰還。自宅近くの遊休農地にハウス3棟を新設し、トルコギキョウの栽培を始めた。

〈写真:トルコギキョウの手入れに励む荒川さん〉

農薬と化学肥料使わず土と稲の力を引き出す【秋田県 10月3週号】

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 【秋田支局】湯沢市皆瀬で、より自然な農産物生産に取り組む「フォレストファーム」(佐藤力さん、47歳)。農薬と化学肥料は使わずに、有機肥料を最小限に使用して生産する米は、関東を中心に人気となっている。現在、農薬と化学肥料を使わず苗床に米ぬかだけをまく「ササニシキ」を344アール、農薬不使用で苗床土と圃場に米ぬかだけを施用する「あきたこまち」を28アールで作付ける。

〈写真:本年産水稲の出来を確認する佐藤さん〉

サクランボ 作業効率上げるY字・I字仕立て【山形県 10月3週号】

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 【山形支局】サクランボ約60アールを山形市黒沢で栽培する渡辺勝美さん(70)は、高品質なサクランボ生産のため、年間を通して計画的にさまざまな作業を行うほか、Y字やI字仕立て法を取り入れるなどし、作業の効率化を図っている。

〈写真:Y字(左の列)とI字が1列置きに並ぶ園地で渡辺さん〉

防風林「東京五輪、前回大会との差は"がむしゃらさ"【2018年10月3週号】」

 ▼アジア諸国に先駆け、日本で初めて開かれた東京オリンピック・パラリンピックは、54年前の1964年。先進国への仲間入りを目指し「もはや戦後ではない」(56年度経済白書)の言葉を胸に、政府も国民も企業もこぞってまっしぐらの時代だった
 ▼東京・大阪間に新幹線が開通して、「ひかり」号は子供たちの憧れだった。"栄光の祭典"の舞台、国立競技場は五輪終了後もサッカーなど国際試合会場として永く有効利用された。今、2020年の東京大会に向け新国立競技場などの建設が急ピッチに進んでいる
 ▼先日、仙台に向かう東北新幹線の車中のフリー誌を開いたら、公共施設などで見かける「ピクトグラム」の記事が目に留まった。トイレや食堂などを示すイラスト標識。64年大会で日本では初めての考案だった。日本語という独特な言語を使う小国で開かれる大会に、世界から多くの役員・選手団、観客が訪れるのだから分かりやすくとの発想。"おもてなし"の現れだった
 ▼開会が迫ったある日、組織委員会は急きょ新進気鋭の若手デザイナー数名を招集、間際まで制作に奮闘し完成させた。数々の標識は世界から称賛されたのだった。今でいう日本発「ユニバーサルデザイン」の先駆者だったと評価されている。
 ▼あと2年に迫った東京大会には、提供する食材に安全・安心の指標、グローバルGAP(農業生産工程管理)への取り組みが求められている。それもいい。だが、前回大会当時と比べ、「がむしゃらさ」が日本人の心から薄れてしまっている気がする。

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