ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

今週のヘッドライン: 2018年11月 2週号

台風24号の爪痕 営農再開へ決意 ―― 静岡県内(1面)【2018年11月2週号】

181107_1.jpg

 和歌山県に上陸し、東日本から北日本を縦断した台風24号から1カ月。暴風雨により園芸施設や果樹への被害が各地で発生した。9月30日から10月1日未明にかけて台風が接近した静岡県では、3500棟以上の園芸施設が被害を受けたほか、高潮による塩害も多発し、露地作の生育にも打撃を与えている。撤去の見通しが立っていない損壊したハウスも多く、被害の傷跡は残ったままだ。しかし、被災農家は営農再開に向け着実に動き出している。島田市と袋井市の農家に、現在の状況と経営再建への思いを聞いた。なお、農林水産省は10月31日、台風24号による被災農業者への支援対策を発表。園芸施設では再建・修繕とともに補強に必要な経費を助成する。また6月と11月を「災害に強い施設園芸づくり月間」と定め、被害防止に向けた技術指導の徹底や園芸施設共済・収入保険の加入促進を図る。

(1面)

〈写真上:島田市東町でキュウリやレンコンを栽培する曽根嘉明さん。波打つように押しつぶされたハウスを見つめる〉
〈写真下:塩害を受けた圃場で大豆のさやを手に取る八木敏光さん。袋井市岡崎で水稲や麦、キャベツなどの複合経営に取り組んでいる〉

TPP11が12月30日発効へ 過去最大の農産物市場開放・早期に見直し協議を(2面・総合)【2018年11月2週号】

 米国を除く環太平洋連携協定(TPP)11の12月30日発効が決まった。米国が抜けたとはいえ、オーストラリアやニュージーランドといった農産物輸出大国に対し、過去最大規模の農産物市場の開放となる協定の発効に、生産現場では強い不安・懸念が広がる。政府は「きめ細かな対策を講じる」とするが、万全な対策の実施が求められる。また政府はこれまで、米国のTPP復帰が見込めない場合は、米国の参加を前提に設定した乳製品の関税割当などの見直しを協議すると説明してきた。米国との物品貿易協定(TAG)交渉入りで合意したことを踏まえれば、米国の復帰の見込みはなく、早期に見直し協議を始めるべきだ。

(2面・総合)

2018年産米全国作況「99」に下方修正(2面・総合)【2018年11月2週号】

 農林水産省は10月31日、2018年産米の全国の作況指数(10月15日現在)は前回(9月15日現在)に比べ1ポイント下がり99となったと発表した。依然「平年並み」ではあるものの、9月中旬以降の日照不足で登熟が抑制されたことなどから、25都府県で下方修正された。全国の主食用米の予想収穫量は、前回比4万5千トン減の732万9千トンで、政府が示す適正生産量(735万トン)を下回ることから、需給は引き締まるとの見方がある。ただ、米消費の減少の加速化も指摘されており、需給の先行きには不透明感が漂っている。

(2面・総合)

災害への"備え"痛感 台風21号被害 和歌山県の果樹農家に聞く(5面・農業保険)【2018年11月2週号】

181107_2.jpg

 9月4日に襲来した台風21号は近畿地方を中心に大きな被害をもたらした。和歌山県では収穫間際の柿や温州ミカンなどの果樹を中心に農業分野に大きな被害が発生。落果のほか、樹体の損傷もみられることから来年産以降への影響が懸念されている。紀の川市と有田川町の果樹農家2人に被害の状況を聞いた。

(5面・農業保険)

〈写真上:落果した柿を見つめる、紀の川市高野町の杉本明彦さん〉
〈写真下:横倒しになった樹体や破れた防風ネットなど被害の大きさを話す、有田川町糸野の東善彦さん〉

災害に強い施設園芸へ 農水省・11月と6月を重点月間に(5面・農業保険)【2018年11月2週号】

 農林水産省は10月30日、相次ぐ自然災害により園芸施設の被害が多発していることを受け、新たに降雪前の11月と台風前の6月を「災害に強い施設園芸づくり月間」に設定すると発表した。
 都道府県や関係団体などと連携し、農家に被害防止に向けた技術対策の実施を呼びかけるとともに、園芸施設共済と10月から加入申請手続きが始まった収入保険制度への積極的な加入を促す。
 𠮷川貴盛農相は会見で、災害が多発している状況を強調し、「災害に強い施設園芸の実現に向け、農業者には"万全の備え"をお願いしたい」と訴えた。

(5面・農業保険)

キュウリなど4作目の病害虫約80種対象に 農研機構がAIを活用した技術を開発中(9面・営農技術)【2018年11月2週号】

181107_3.jpg

 専門家でなくても病害虫診断ができる仕組みを構築する目的で、農研機構は、農林水産省からの委託プロジェクトで「人工知能(AI)」を活用した病害虫診断技術の開発に、国内の農業試験場や民間企業などと連携して取り組んでいる。病変部や害虫の画像をスマートフォンなどから専用アプリを使って送信すると、診断結果が返信される。対象はトマト、イチゴ、キュウリ、ナスの4作目で、土壌病害を除く病虫害約80種を診断。現在は5カ年プロジェクトの2年目に入っていて、3年目には試作版を試験場等に提供し、社会実装に向けて診断精度や使い勝手を向上させるとしている。

(9面・営農技術)

 

旬を味わおう!深まる秋においしい簡単料理 料理研究家・オガワチエコさんが紹介(3面・暮らし)【2018年11月2週号】

 深まる秋を食で楽しむーー。さまざまな旬の味が出回るこの時期、定番からアレンジまで多彩なメニューに目移りしてしまう。灸季節の食材をもっとおいしく究をテーマに料理研究家のオガワチエコさんから、簡単・手軽に作れる秋の料理を提案してもらった。

(3面・暮らし)

自家産野菜の手作り弁当 インスタグラムで人気【長崎県 11月2週号】

181107_4.jpg

 【長崎支局】東京から故郷の川棚町へUターンし、4年前に新規就農した大塚さつきさん(42)は、夫・晃さん(47)とアスパラガスを栽培している。農業の素晴らしさをいろいろな人に知ってもらいたいと、写真共有サイト・インスタグラムを使って写真や動画を投稿。中でも自分の畑で取れた野菜を使った手作りの弁当の投稿は人気で、現在フォロワー数は1万人を超え、料理本にも掲載されるなど話題となっている。

〈写真:「農業の楽しさをいろんな人に知ってもらえるように、写真の投稿を続けていきたい」と話すさつきさんと晃さん〉

羊の新活用法を実証 除草に活躍、セラピー効果も【山口県 11月2週号】

181107_5.jpg

 【山口支局】山口県立田布施農工高等学校(田布施町)では、羊の新たな活用法として除草効果の実証に取り組んでいる。羊は9頭を飼育。電気牧柵で囲み、飲み水を用意するだけだ。立ち入りにくい斜面でも羊なら容易に対応できる。実証場所は、平生町の老人ホーム「寿海苑」。入所者が羊の名前を呼んでかわいがり、おとなしく人によく懐くため、セラピー効果も期待できるという。実証に参加した生徒は「もっと羊の魅力を伝えたい」「面白い研究内容なのでこれからも観察を継続したい」など意欲的だ。

〈写真:除草効果の実証に取り組んだ生物生産科3年生と玉木教諭(前列右)〉

リンゴ 一意専心の気持ち忘れず【宮城県 11月2週号】

181107_6.jpg

 【宮城支局】完熟リンゴの直販に取り組む色麻町の髙橋光明さん(65)は、9人で構成する「南山果樹生産組合」の組合長を務める。同組合は一昨年に設立50年を迎えた。同組合では、無袋で樹上完熟させ、高糖度の果実提供を目指す。「直売所などでは組合名を明記して販売するので手抜きができない。お客さんの信用を裏切らないよう、これからも組合員一同、喜ばれるリンゴ作りを心掛けていく」と髙橋さんは意欲を話す。

〈写真:「リンゴの色付けに葉摘みは欠かせない」と髙橋さん〉

新パッケージで「末吉茶」をPR 高校生らと共同でデザイン【鹿児島県 11月2週号】

181107_7.jpg

 【鹿児島支局】「末吉茶をPRしたい」との思いから、曽於市末吉町の末吉町茶業青年の会(107ヘクタール、松尾一角会長=40歳)では、県立曽於高等学校や地域おこし協力隊と共同で茶のパッケージのデザインを刷新した。

 制作に当たり、同校商業科地域経済開発コースの3年生22人は、4月から授業の一環として茶の種類や魅力、製造工程などを学んできた。完成したパッケージは、収穫の最盛期を迎える頃の「八十八夜」をテーマにデザイン。同校の東杏鈴さんは「魅力を引き出す難しさを感じた。多くの人に手に取ってもらいたい」と話す。

〈写真:松尾会長(中)とデザインを考案した松尾さん(左)と東さん〉

餌用冷蔵庫、連動スタンチョンなど 楽しみながら自作【福井県 11月2週号】

181107_8.jpg

 【福井支局】「いろいろな機具を作っている間はそのことに集中できるので、良い気分転換になります」と話す、坂井市春江町姫王で肥育牛約120頭を飼育する岡崎真治さん(60)。これまで「連動スタンチョン」などさまざまな機具を自作。中でも自慢の作品が冷蔵庫だ。夏場に牛の配合飼料が変敗したことがきっかけ。大きさは1.8メートル四方で台車3台分の飼料が入る。不要になったバルククーラーやラジエーターを知人から譲り受け、断熱材と組み合わせて作った。

〈写真:木製の連動スタンチョンの前で岡崎さん〉

防風林「消費増税軽減率の違いに混乱は・・・【2018年11月2週号】」

 ▼小ばなしを一席。家畜農家の熊さんが米卸問屋を訪ねた。熊「飼料用の米をくんな」/問屋「へい、勘定は......」/熊「何でぇ 、消費増税の軽減税率で米は8%に据え置かれたんじゃねえのか」。
 ▼問屋「飲食料品は8%ですが、それ以外の例えば飼料は標準税率の10%で」/熊「何かい米粒に"家畜用""人間用"とでも書いてんのか?」/問屋「入る口が異なると税率も違うようで」/熊「しまいにゃ食肉売り場に並ぶのによ。米の不公平な扱いは俺の性分に合わねえ。人間用でたのむぜ」。
 ▼米俵を荷車に積み意気揚々と去る熊さん。問屋「熊のやつぁ、2%の差をケチって結局は高い買い物したのを分からないのかねぇ」――。来年10月に導入予定の消費増税に関する軽減措置の一幕。熊さんの気持ちは分からないでもないが、現場での混乱は想像がつく。
 ▼コンビニで持ち帰り用のパン購入は8%、イートインなど飲食場で食す場合は10%を適用。郊外型大型店舗のスーパーで飲食料品の購入後に、フードコートで袋から菓子を取り出して席でほおばる親子連れを見掛ける。店側は立ち入り規制などで対応するのだろうか。
 ▼同じ商品でも目的により税率が異なるとすれば、熊さんでなくても誰もが戸惑う。十分な広報活動をしても、導入後は店員と客との押し問答は避けられまい。議論や国民理解を欠き貿易協定の発効へ突き進むも農家不安は拭えていない。同様に、消費増税への激変緩和対策も周知がなければ消費動向に影響する。

» ヘッドラインバックナンバー 月別一覧へ戻る