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今週のヘッドライン: 2018年11月 3週号

種を育み つなぎ続ける 国内外の農家と採種で提携 ―― (株)アサヒ農園・愛知県稲沢市(1面)【2018年11月3週号】

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 国内外の農家と提携して在来種を含む固定種の採種・販売にも努めている、愛知県稲沢市の株式会社アサヒ農園では、自社で育種した約600品種をはじめ、数万点に及ぶ種子を取り扱っている。後藤成紀(しげき)代表(50)は、「農家の求める種を安定供給することで、農作物の良品生産に寄与することが種苗会社の使命」と話す。多様化が進むニーズの分析にも力を入れ、育種だけでなくパッケージデザインなどに工夫を加えることで、新たな顧客づくりを進めている。また、国内各地の同業・関連業者と連携を取り、さまざまな種を供給している。

(1面)

〈写真:「パッケージも工夫の余地がある」と後藤代表。開発した品種の名称を社内で公募するなど、全社を挙げて追求する〉

農地バンク見直し 地域合意の後押しを(2面・総合)【2018年11月3週号】

 政府・与党が、農地中間管理機構の見直しに向けた議論を本格化させている。担い手の農地の集積・集約化に向け、「人・農地プラン」との連携強化や農地利用集積円滑化事業との関係整理などが焦点。特に農地の流動化に不可欠な地域の話し合いの活性化が大きな課題だ。見直しは関連法の施行5年後の見直し規定に基づく対応で、政府は来年の通常国会への改正法案提出を目指す。農地の有効活用は、生産基盤の維持・拡大はもとより、食料安全保障の確立の観点からも欠かせない。ただ、農地の利用状況は地域によって大きく異なる。現場の実情を十分に検証し、農家がより使い勝手のよい仕組みへの改善が求められる。

(2面・総合)

日欧EPA 承認案を決定 不安に応える熟議を(2面・総合)【2018年11月3週号】

 政府は6日、日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の承認案を閣議決定した。今国会での承認を得て、年内の国内手続き完了を目指す方針だ。ただ、同協定はチーズなど一部の農産品で環太平洋連携協定(TPP)を上回る市場開放を受け入れる内容で合意しており、国会は生産現場の不安・懸念に応える丁寧な審議の徹底が求められる。

(2面・総合)

都市農業と自然を守る 芋やタケノコの収穫体験が人気 ―― 小谷田農園・東京都八王子市(3面・暮らし)【2018年11月3週号】

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 東京都心からほど近い八王子市東中野で、野菜や花きなど1.3ヘクタールを栽培する小谷田農園(小谷田直人代表、61歳)では、消費者を呼び込みサツマイモやタケノコなどの収穫体験を通じ交流を深めている。家族連れを中心ににぎわい、作物を替え年間を通じて実施する。アカガエルなどの生息区域の保護活動も行う小谷田さん。住宅が立ち並び、開発が続く都市郊外に農業や自然を残そうと、家族とともに営農に取り組んでいる。

(3面・暮らし)

〈写真:収穫したサツマイモの食べ方について参加者と話す小谷田さん(左端)〉

品ぞろえ充実が信条 女性を中心に約50人が出荷 ―― 農産物直売所「ふれあい二戸」・岩手県二戸市(8面・流通)【2018年11月3週号】

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 岩手県二戸市石切所の農産物直売所「ふれあい二戸」(槻舘良子代表、64歳)では、農産物を出荷した組合員にその日の販売状況を電子メールで配信して補充を促すなどして品ぞろえの充実を図っている。商品ラベルには名前や住所、電話番号を記載。指名買いにつながるなどお得意さまを抱える組合員も多いという。また当番制でレジに立つことで、顧客の様子や商品の売れ行き状況などを肌で感じながら信頼関係を築いている。設立から徐々に売り上げを伸ばし、2017年度には2億3千万円を超えるなどにぎわいを見せている。

(8面・流通)

〈写真:開店を前にホウレンソウを陳列する槻舘代表〉

土着天敵 温存植物が力引き出す:有機農業研究者会議2018の講演から(9面・営農技術)【2018年11月3週号】

 土着天敵を活用した野菜の害虫管理が注目を集めている。花粉や花蜜など天敵に餌を提供する植物を作物のそばに植えることで、圃場内に天敵を温存。害虫が増える前から天敵が防除効果を示すため、化学合成農薬の使用を抑えた管理が可能という。茨城県つくば市で先ごろ開かれた「有機農業研究者会議2018」で、野菜での天敵活用について宮崎大学農学部の大野和朗教授と、鹿児島県農業開発総合センターの柿元一樹氏が講演。効果的な利用法や実践事例を報告した。講演の要旨を紹介する。

(9面・営農技術)

米麺で米消費拡大へ 高アミロース米を栽培【新潟県 11月3週号】

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 【新潟支局】「米を粒のまま食べる消費が減ってきているので、麺に加工することで消費量を伸ばしていきたいですね」と話すのは、上越市下野田の所山正隆(しょやま・まさたか)さん(69)。同市内の製麺メーカー「株式会社自然芋そば」と協力し、製造した米麺をタイ料理チェーン店に卸すなど、米麺の普及に励んでいる。

〈写真:今年から多収の高アミロース新品種「亜細亜のかおり」の栽培を始めた所山さん〉

好評 ホップアイス【岩手県 11月3週号】

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 【岩手支局】地元産のホップを使った「ホップアイス」が遠野市土淵町の観光施設「伝承園(菊池美保支配人)」で今年8月から販売された。アイスクリームを発案したのは、遠野市立土淵小学校(阿部真由子校長・児童90人)の児童。伝承園だけで販売し、売れ行きは良好で、リピーターが増えてきているという。

〈写真:ホップアイスは1個350円(税込み)〉

自家産の豆で評判の納豆【青森県 11月3週号】

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 【青森支局】自分で栽培した大豆や黒豆を使って納豆作りに取り組む十和田市切田の豊川妙子さん(69)。「自分の好きな紅葉を商品名に入れたくて、『もみじ納豆』にしました」とほほ笑む。十和田市の道の駅やおいらせ町にある産地直売所にもみじ納豆を出荷している。

〈写真:「包装には岩手県産の経木を使っています」と豊川さん〉

達磨キウイ 高まる需要、輸出拡大に意欲【徳島県 11月3週号】

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 【徳島支局】佐那河内村産キウイフルーツのオリジナルブランド「達磨(だるま)」は、1果175グラム以上の4Lサイズの大玉果だ。2011年から、8玉で約1.4キロ1箱を「達磨キウイ」として販売。高級フルーツとして台湾や中国に輸出され、需要が高まっている。

〈写真:キウイフルーツを収穫する渉さん夫妻〉

高値取引、今年は増産 特産ヤマノイモ「銀沫」【岡山県 11月3週号】

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 【岡山支局】真庭市勝山地区の特産ヤマノイモ「銀沫(ぎんしぶき)」の出荷が、11月1日から始まった。本年度は「かつやまのいも生産組合」の農家34戸が1.7ヘクタールで栽培。前年度より1トン多い10トンの収穫を目指している。

〈写真:銀沫は、すりおろしたときの粘りが格段に強い〉

防風林「世相という価値観に動じない伝統【2018年11月3週号】」

 ▼京都市の繁華街にも近い上賀茂地区。閑静な住宅地の一角に露地畑とハウスが建つ。京野菜のスグキ菜の栽培と漬物に加工する農家の作業場。
 ▼世界に冠たる国際観光都市の一角、ここで野菜生産が存在していること自体が、固定観念も手伝ってか異次元空間に迷い込んだかのような錯覚を覚える。飴(あめ)色になるまで発酵させる「酢茎菜漬け」は千枚漬けなどと並ぶ京都3大漬物の一つ。この地区に伝わる特産だ。
 ▼種子や農法、銘柄を引き継いできた何代にもわたる農家はある日、野菜をもとめて来た近隣の女性から、「農薬はしっかり使ってくださいね」と要望されて、「?」と一瞬耳を疑った。購入野菜の葉っぱ裏に、青虫がモゴモゴと動いていたのを見つけたらしい。「農薬を使わないで」との声は露地野菜農家ならよく耳にする。しかし、相反する言葉を聞いて「消費者ニーズっていったい何なのか」と改めて考えさせられたという。
 ▼作物栽培への理解を示す意図か、単に青虫嫌いからか......真意はわからない。だが、「使って」と請われても、使わず何年も漬物食材や生鮮野菜を生産し続けた経験と自負もある。それが混住地域で営農する生産者としての姿勢と考えるから。
 ▼作業場の向かいに、不在時や夜間でも住民が購入できるようにと野菜自動販売機も設置した。上賀茂の地場野菜を育て特産漬物に仕上げる日常の中で、『世相』という有象無象な価値観がうず巻く時代。それでも、姿を変えない頑(かたく)なさが伝統の強さなのだ。

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