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今週のヘッドライン: 2018年11月 4週号

=年間重点企画=米を作る米を創る 繁殖農家が水田維持 ―― 岩切治俊さん・宮崎県宮崎市(1面)【2018年11月4週号】

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 宮崎市で母牛80頭規模の和牛繁殖を営む岩切治俊さん(67)は、水田16ヘクタールを自給飼料の生産基盤に活用し、稲発酵粗飼料(WCS)に加え、飼料用米を使った「もみ米サイレージ」(ソフトグレインサイレージ、SGS)を生産する。栄養価が高いため濃厚飼料の代替に利用でき、常温での長期保管にも適する。今年はSGSを使った和牛肥育にも挑戦し、年明けまでに初出荷を予定する。飼料用米生産に対し「自給率向上や水田維持に必ず意義がある」と強調する。

(1面)

〈写真:SGSの品質を見る岩切治俊さん。「きちんと発酵している匂いがする」と話す〉

2019年産に向け米政策の検証開始 需給安定へ課題多く(2面・総合)【2018年11月4週号】

 2019年産主食用米の需給安定に向け、政府・自民党は米政策の検証作業を開始した。生産調整見直し元年となった18年産米の需給は安定的に推移しているものの、作付面積は前年を上回った。また、人口減少などに伴う米消費の減退加速も予想され、19年産以降は需給の緩和が懸念される状況にある。需給安定には、飼料用米などに対する現行支援対策の安定・恒久的な実施はもとより、好調な米価水準の年でも政府備蓄米が確実に確保される仕組みの構築や、豊作などで需要が大幅に緩和した際の"備え"の確立などが課題となる。消費拡大対策の強化を含め、関係者が一体となって米の需給安定に向けた取り組みを強化できる環境づくりが求められる。

(2面・総合)

NOSAIの病害虫防除支援 増える無人航空機利用 精度向上へ腕磨く(4面・農業保険)【2018年11月4週号】

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 NOSAIでは、自然災害による損害を未然に防止するため、各組合が地域の実情に応じた損害防止活動を行っている。中でも、地域で行う病害虫防除への支援は力を入れて実施する活動の一つ。近年は地上防除から、効率的で局所散布が可能な産業用無人ヘリコプターの導入が進む。また、操縦や散布技術を競う大会に参加することで、オペレーター育成や腕を磨く事例もあり、安全で効率的な農家サービスに努めている。最近のNOSAIによる農家支援活動における病害虫防除について共子さんが済太郎くんに聞いた。

(4面・農業保険)

〈写真:安全確認も確実に行う〉

NOSAIにお任せください(41)気象観測計設置し情報提供 ―― NOSAIとやま・富山県(4面・農業保険)【2018年11月4週号】

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 NOSAIとやま(富山県農業共済組合)では、独自の気象観測計を県内4カ所に設置し、観測データをホームページ(http://www.nosai-toyama.or.jp/index.html)で提供することで、農家の早期の暴風雨対策や防除に役立っている。NOSAIにとっても気象データをその都度把握することで、被害発生から損害評価までの時間を短縮することができ、迅速な共済金の支払いにも貢献している。

(4面・農業保険)


〈写真上:タブレット端末で気象データを確認する農事組合法人国吉農林振興会の中島司代表〉
〈写真下:NOSAIとやまが高岡市内に設置している気象観測計〉

TPP11が12月に発効 農産物の市場開放 生産現場への影響に不安(9面・特集)【2018年11月4週号】

 米国を除く環太平洋連携協定(TPP)11が12月30日に発効される。TPPの内容をほぼ踏襲し、日本の農林水産品は82%で関税が撤廃される。さらに重要品目についても一部で関税削減や輸入枠の設定を認めるなど過去最大の農産物市場開放となる中、政府には万全の国内対策の実行が求められる。政府の公表資料から、重要品目を中心とした農産品に対する関税の扱いと、「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づく対策の概要などを整理する。

(9面・特集)

ICTで田んぼと水利施設を連携 農研機構がシステム開発 配水管理を効率化(10面・資材)【2018年11月4週号】

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 農研機構は、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などで農業用水の供給をコントロールする配水管理制御システム「iDAS」を開発した。土地改良区などのポンプ場から、農家が管理する圃場の自動給水栓までをICT(情報通信技術)で連携させ、センサーによる水位計測など水利用状況に応じて効率的な配水を行うことができる。パイプラインによる水田灌漑(かんがい)地区の施設管理者や農家の水管理の省力化、農業用水の節水、ポンプ電力の節減などが期待されている。

(10面・資材)

〈写真:ポンプ場と圃場に設置された自動給水栓(農研機構提供)〉

農地バンク 話し合い重視へ 自民党が見直し方針決定(2面・総合)【2018年11月4週号】

 自民党の農林関係合同会議は16日、農地中間管理機構(農地バンク)の見直し方針を取りまとめた。焦点の「人・農地プラン」との連携強化では、「今後数年で大宗の地域で人・農地プランを実質化させる」との目標を掲げ、耕作者の年代情報など地域内農地の現況を地図で把握した上で、中心経営体への農地集約の将来方針の記載を必須化することなどを盛り込んだ。政府は来年の通常国会に改正案を提出する。

(2面・総合)

在宅介護の心構え 親も子も互いに気遣い準備しておくことが大切(3面・暮らし)【2018年11月4週号】

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 元気に生活をしている家族も、突発的な病気やけがで退院後に在宅介護などを余儀なくされることがある。「万が一のための情報収集や準備が大切」と、福祉機器や介護について各地で講演する高齢者生活福祉研究所・所長の加島守さん(62)。家族の入院や介護など自身の経験も基に、相談先や心構えなどを教えてもらった。

(3面・暮らし)

〈写真:高齢者生活福祉研究所所長 加島守さん〉

作目や作付面積に応じて組織改編 大規模農場を円滑に運営 ―― 有限会社佐野ファーム・静岡県森町(11面・営農技術)【2018年11月4週号】

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 レタス(リーフレタスなど8種類)約30ヘクタール、トウモロコシ7ヘクタールなどを周年で栽培する、静岡県森町の「農業生産法人・有限会社佐野ファーム(佐野元洋代表、62歳、社員19人ほか)」では、作目や作付面積に応じて組織を適宜改編し、大規模経営を軌道に乗せている。毎週の定例会議では、佐野代表をはじめ現場責任者が翌日以降に必要な人数などを融通しあう。普段の情報共有には、農場長をはじめとする現場責任者に支給した携帯電話を活用。管理職全員が同時に同じ情報を得られるようにしている。

(11面・営農技術)

〈写真:「取り決めたルールは明文化し、休憩スペースに掲示することで、何度も目に入る」と佐野敦子専務〉

重労働から解放 ユズ輸送用のトンネル自作【愛媛県 11月4週号】

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 【愛媛支局】鬼北町は、全国有数のユズの産地。収穫したユズの多くは搾汁施設に搬入され、果汁や皮を加工品に利用している。しかし、急傾斜を開墾した場所が多い園地は足場が悪く、園内道が狭い上に、収穫後の運び出しは、約20キロもあるキャリーを何度も運ばなくてはならず、若い人でも重労働だ。こうした収穫作業の負担を軽減するため、同町でユズを栽培する那須勲さん(72)は、ユズの輸送用トンネルを自作した。

〈写真:輸送トンネルにユズを入れる那須さん。九州に視察研修に行くなど栽培の面でも改善に意欲的だ〉


販路拡大へ高速バスを活用 常陸太田市の貨客混載事業【茨城県 11月4週号】

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 【茨城支局】常陸太田市では、高速バスに地元産の新鮮な農作物を積み、東京都内に出荷する「貨客混載による農作物販路拡大事業」を、2016年9月から進めている。同市の「道の駅ひたちおおた」で週2回、新宿行き高速バスのトランクに野菜などを入れたコンテナを載せ、中野区役所で販売業者に渡す。配送当日に中野区内のスーパーなど4カ所で販売される。

〈写真:コンテナを高速バスに積み込む同市販売流通対策課の菊池幸次主幹〉

国産バナナに勝算 寒さに強い苗を育成【大分県 11月4週号】

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 【大分支局】宇佐市の農業法人「株式会社本多ファーム」は、肥料や農薬を使わず安全・安心な国産バナナを供給しようと、同市上乙女のビニールハウス6連棟(30アール)で、約500本の苗を栽培している。「普通にバナナを栽培するのは気候的にリスクが高い」と、耐寒性に優れた苗を生み出す「凍結解凍覚醒法」に着目した。

〈写真:バナナの成長を楽しみに待つ辛島社長〉

イタリア米を栽培 料理店に評判、ポン菓子の開発も【石川県 11月4週号】

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 【石川支局】能美市牛島町の「有限会社たけもと農場(代表取締役=竹本彰吾さん・35歳。水稲38ヘクタール、麦5ヘクタール、大豆3ヘクタール)」では、2009年からイタリア米「カルナローリ」を栽培、売り上げを伸ばしている。カルナローリは、「コシヒカリ」より大粒で白色が特徴。粘り気が出にくく煮崩れしないため、イタリア料理のリゾットに使われている。

〈写真:右からイタリア米カルナローリ、イタリア米グラノーラMAMMA、特別栽培米コシヒカリ〉

風味の決め手は自家産ニンニク 農業とラーメン店を両立【香川県 11月4週号】

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 【香川支局】念願のラーメン店「なおちゃんらーめん」が2018年4月にオープン、まんのう町東高篠の松川直樹さん(39)は「自分で栽培したニンニクがラーメンの風味のポイントになっています。農業はこれからも続けます」と話す。10年に脱サラし、ラーメン店経営を思い描きながら就農。ゼロからの農業だったが、17年にはブロッコリー230アール、水稲30アール、ニンニク20アール、タマネギ10アールを栽培するまでに徐々に規模を拡大してきた。

〈写真:「当初から農業とラーメン店の同時経営を決めていた」と松川さん〉

防風林「多様な品種を自由に栽培するには・・・【2018年11月4週号】」

 ▼農林水産省はかつて「売れる米づくり」を施策に掲げていた時があった。易消化タンパク質を抑えた低グリテリン米(「春陽」「LGCソフト」等)や、低アレルゲン米など「機能性米」が一翼を担うものと期待していた。
 ▼腎臓疾患での療養者や医療機関などからの需要が高まる米では、と栽培農家や種子生産者を何度か訪ねたが、現場では農産物検査法の壁を知り栽培を断念するという。都道府県の産地品種銘柄米に指定されていなかったことが大きな理由だ。
 ▼自治体が産地品種銘柄に指定していない品種は、農産物検査対象ではないため「その他」の分類に該当し、品種名を名乗って販売ができない。例え、育成機関から種もみ供給を受け施肥法などを指導通りに実施し、成分が同質であってもだ。
 ▼産地品種銘柄選定の緩和で一定面積等の要件がそろえば「必須銘柄」のほか「選択銘柄」として認められやすい環境になったとはいえ、農家の品種選択が自由になったわけではない。有望な品種の前に立ちはだかり、新たな需要を模索する農家の生産意欲を削〈そ〉ぎ「米消費拡大」は本末転倒の話。
 ▼地元の篤農家が育成し長く栽培されてきたものの、優良品種に押され産地品種銘柄から除外された酒米を復活して、酒造りで活性化をねらった地域も挫折した。
 ▼農産物検査法改正に向け検討が始まる。銘柄拡大が検査員の負担ならば、画像解析など先進技術で効率的な検査ができるはず。人による目視より正確な判定が可能かも。

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