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今週のヘッドライン: 2018年12月 2週号

シカ、イノシシ捕獲からジビエ活用まで 共存目指して ―― 自然と共に生きる会サンガ・福井県美浜町(1面)【2018年12月2週号】

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 農林水産省の最新データによると、野生鳥獣による農林水産被害は近年200億円前後で推移。全体の7割がシカ、イノシシ、サルによるものという。国は、シカとイノシシについて2011年度の生息数・合計397万頭を基準とし、23年度までに半減させることを目標に据え、19年農林水産省概算要求では「鳥獣被害防止対策とジビエ利活用の推進」に124億円を計上。さまざまな対策を実施する。しかし、シカ、イノシシともに個体数が増加傾向を示すのに対し、狩猟者数は19万人と減少傾向にある。特定非営利活動法人「自然と共に生きる会サンガ」(中村俊彦理事長=54歳、構成員69人、うち狩猟免許所持者11人)は、シカによる被害が多い福井県美浜町で、自治体からの委嘱を受けた構成員が鳥獣被害対策実施隊として狩猟を行い、捕獲からジビエ活用まで幅広く活動している。

(1面)

〈写真:さばいたシシ肉を前に、仲間に加わり間もない高木健太さん(40歳、右)を指導する中村さん〉

全国NOSAI大会開く 経営安定へ組織一丸(1面)【2018年12月2週号】

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 NOSAI協会(全国農業共済協会、髙橋博会長)は11月26日、東京都港区で「『安心の未来』拡充運動平成30年度全国NOSAI大会」を開いた。頻発する自然災害を踏まえ、今後も共済金の早期支払いなどを通じて被災農家の経営再建を支えていくことを確認。収入保険の全国10万経営体の加入目標の早期達成や、農業共済の幅広い加入に全力を尽くすことなどを盛り込んだ大会決議を満場一致で採択した。

(1面)

〈写真:大会には約800人が参加。全ての農家に「安心の未来」を届ける運動の完遂を確認〉

2019年産米の適正生産量17万トン減 需給安定へ正念場(2面・総合)【2018年12月2週号】

 農林水産省は11月28日、2019年産主食用米の適正生産量を718万~726万トンとする需給見通しを発表した。18年産(735万トン)に比べ、9万~17万トンの減少。高齢化や人口減少に伴う米消費の減退加速を踏まえ、需要量の減少幅が従来の年間8万トンから同10万トンに拡大するとの予測に基づき設定した。"米政策の見直し元年"となった18年産米の需給は、生産量が適正生産量を下回ったことから安定推移している。ただ、全国の作況指数が「99」となったことが要因で、主食用米の作付面積は拡大した。今後、米消費の減退加速が見込まれる中、19年産米の需給調整は正念場を迎える。政府には、需要に応じた生産に向けた産地の取り組みをしっかりと後押しすることが求められる。

(2面・総合)

活力創造プランを改訂 スマート農業の実装を 来夏にプログラム策定(2面・総合)【2018年12月2週号】

 政府は11月27日、「農林水産業・地域の活力創造本部」を開き、農林水産業・地域の活力創造プランを改訂した。先端技術の現場実装の推進では、新たにスマート農業新技術の開発・実証・普及の加速化に向け、来年夏までに「農業新技術の現場実装推進プログラム」(仮称)を策定する方針を掲げた。農地中間管理機構の見直しでは、地域内での話し合いの再活性化に向けた「人・農地プラン」の実質化や農地利用集積円滑化事業との統合一本化などを明記。来年の通常国会に関連法の改正案を提出するとした。

(2面・総合)

「安心の未来」を全ての農家に 全国NOSAI大会で意見表明(5面・農業保険)【2018年12月2週号】

 NOSAI協会(全国農業共済協会、髙橋博会長)が11月26日に開いた「『安心の未来』拡充運動平成30年度全国NOSAI大会」では、大会決議に関連し、NOSAIえひめ(愛媛県農業共済組合)の赤松泰伸組合長と、北海道NOSAI(北海道農業共済組合連合会)の岡田恒博会長が意見表明を行った。衆議院農林水産委員会の武藤容治委員長と、参議院農林水産委員会の堂故茂委員長の祝辞(要旨)とともに紹介する。

(5面・農業保険)

先進経営を支える技術 ―― 2018年度全国優良畜産経営管理技術発表会(9面・営農技術)【2018年12月2週号】

 中央畜産会は先月27日、東京都港区で2018年度の「全国優良畜産経営管理技術発表会」を開いた。全国の先進事例から選考された8事例を審査し、最優秀賞4点、優秀賞4点を決定した。最優秀賞を受賞した酪農と肉用牛繁殖の経営概要を紹介する。また同日、エコフィード活用の優良事例も発表され、4事例の中から優秀賞に選ばれた大阪府立農芸高等学校の取り組みも合わせて紹介する。

(9面・営農技術)

今年の年賀状はイノシシの薯版画にチャレンジ ―― じゃがいも版画家・山室眞二さん(3面・暮らし)【2018年12月2週号】

 12月に入り、今年も年の瀬が近づいてきた。師走の忙しい中で、年賀状の準備をと思っている人も多いはず。近ごろではパソコンを使えば誰でも簡単にカラフルな年賀状を作ることができるが、今年はジャガイモを使った「薯いも版画」で手作りの温かみを伝えてみては。薯版画を使った挿絵などの書籍を出版している山室眞二さんに、来年の干支であるイノシシをイメージした薯えと版画作りを教えてもらった。

(3面・暮らし)

有機露地野菜に防虫ネット 周年出荷が可能に【島根県 12月2週号】

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 【島根支局】島根県農業技術センターでは、防虫ネット被覆による有機露地野菜の周年出荷体系の構築に向けた試験を、県内5カ所の実証圃場で実施し、定植直後から防虫ネットで被覆することで、収穫期まで高い防虫効果が確認できた。今まで困難とされてきた輪作による有機野菜の周年栽培の実現に向けて期待が高まっている。

〈写真:「昨年より大きな野菜を収穫できました」と久保田代表(右)とグループのメンバー〉

高品質フルーツトマト 水と養分だけ通す特殊フィルム活用【高知県 12月2週号】

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 【高知支局】これまで水稲とサツマイモを栽培してきた香南市野市町の有限会社北らいす(北節子代表取締役社長)では、新設したハウスで新たな農法を用いて機能性フルーツトマトを水耕で栽培。安全・安心で高糖度・高品質、収益アップを目指している。栽培では、無数のナノサイズの穴が開いた特殊なフィルムを使う。フィルムは、水分や養分は通すが、ウイルスや病原菌は通過することができない。

〈写真:栽培で使用するフィルムを見せる北さん。「安全・安心で高機能なトマトを追求したい」という〉

幸せ願うしめ縄作り【福島県 12月2週号】

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 【福島支局】郡山市田村町の熊田三夫さん(77)とマツさん(75)夫妻は、しめ縄「守山じめ」作りの最盛期を迎えている。農閑期となる冬に製作しながらしめ縄教室を開き、技を守るとともに農業の素晴らしさを伝える活動にも取り組む。

〈写真:旅館「向瀧」のフロントには「しめ縄鶴亀」が飾られている〉

紙芝居上演 施設を訪問【宮崎県 12月2週号】

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 【宮崎支局】少年期に見た紙芝居の感動を伝えたい――都城市吉尾町の久保田哲寛(てつひろ)さん(69)は、20アールの畑でレタスやネギを栽培する傍ら、妻の章子(しょうこ)さん(67)と「紙芝居まねきねこの会」の代表として活動。同会では、ボランティアで紙芝居を上演するため、幼稚園や小学校、高齢者施設を定期的に訪問する。

〈写真:紙芝居を上演する久保田さん〉

ハウスの骨組みに伐採竹を活用【石川県 12月2週号】

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 【石川支局】「竹は丈夫でしなるので、雪や風にも強い」と話すのは、NPOみんなの畑の会代表理事の西田敏明さん(72)。金沢市四十万町の里山保全活動の一環として、昨年4月から竹の伐採を行い、その竹を使ってビニールハウスの補強や骨組みに活用している。竹で補強を施したビニールハウスは、今冬の大雪でも倒壊しなかったという。また、伐採後の竹を使うので製作費を安く抑えられる上、里山の放置材の有効活用が図れる。

〈写真:現在製作中の竹を使ったビニールハウス〉

防風林「近代農法が生み出す効率性と引き換えるものとは?【2018年12月2週号】」

 ▼ある古農具収蔵館に立ち寄ると、関東の山村で長年使われた「踏み鋤〈すき〉」と、白黒の作業写真を見た。鋤や柄は木製で鋤長は1.5メートルほど。
 ▼谷側方向に鋤を地面に刺し込み、鋤尻に片足を掛けて両足を前後に広く押し出す。傾斜地では山の下から上へと耕す「後ずさり耕法」が普及した。昭和前半まで続いたが機械化が進んだいま、そんな重労働には戻れない。
 ▼耕す意味は、土壌に有機物や水分、空気を含ませ微生物の活動を活発にし植物の伸長を促すため。耕起は古代から続くが技術革新は進まず、江戸後期から明治期にかけ農具類が飛躍的に改良されたという。人手や畜力に代わる「原動機付き」農機の普及は昭和30年代。「三ちゃん農業」「過剰投資」の言葉がはやり、農村部が労働者の供給基地として高度経済成長期を支えた。
 ▼『トラクターの世界史』(藤原辰史著)では、大型機械化の先駆、米国でもトラクターの販売当初、農家は「鉄で土を切り裂く」行為に抵抗感や、轟音〈ごうおん〉・振動に嫌悪を感じた。だが「餌いらずで働き続ける」と言う若者の効率論が勝り一気に普及した。
 ▼機械が化学肥料や農薬開発を促し、有機物還元を忘れ鉄爪による耕起で乾燥表土は流亡。スタインベックは『怒りの葡萄〈ぶどう〉』で近代農法を批判した。今や人・畜力耕には戻れない。が、近代農法が生み出す効率性と、引き換えにする大事なものは何か?を考えねばならない。

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