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今週のヘッドライン: 2019年01月 2週号

集落組織が世界へ飛躍 米輸出で売り上げ増 ―― 樽見内営農組合・秋田県横手市(1面)【2018年1月2週号】

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 担い手不足・高齢化などによって農村・集落の自治運営が厳しさを増す中、住民らの合意を得ながら集落全体の利益を確保する取り組みが注目されている。秋田県横手市平鹿町の農事組合法人「樽見内営農組合」(組合員59人)では、集落内農地の約9割を集約し、主食用米や新規需要米などを作付ける。米の輸出を販路の一つとして考え、窓口となる子会社「秋田屋株式会社」を設立。シンガポールの卸会社と直接取引して売り上げを伸ばす。その一方で、農地や生態系など地域資源の保全に取り組むNPO法人の中核としても活動。農村・集落を支える「結い」の精神によって、地域農業を維持する営農組織のあり方を実践している。

(1面)

〈写真:シンガポールに輸出する米を前に渡部一男代表。13.5トンを神戸港で受け渡す〉

2019年度農業保険関係予算案 必要額を確保(2面・総合)【2018年1月2週号】

 政府は、今月下旬に開会を予定する通常国会に2019年度予算案を提出する。農林水産関係は、経済対策を含めた総額で18年度当初予算比5.6%増の2兆4315億円を確保。農業保険関係予算については「収入保険制度の実施」に206億900万円を、「農業共済関係事業」は853億2200万円を計上し、ともに事業の円滑な実施に必要な額を盛り込んだ。近年の農業経営は、頻発する自然災害をはじめ、さまざまなリスクを抱えており、営農継続には"備え"が欠かせない。NOSAI団体は、農業共済または収入保険の加入推進に引き続き組織を挙げて全力で取り組む。

(2面・総合)

TPP11発効 過去最大の市場開放・国内農業を守れ(2面・総合)【2018年1月2週号】

 米国を除く環太平洋連携協定(TPP)11が12月30日に発効した。世界の国内総生産(GDP)の13%を占める新たな経済圏で、日本は過去最大規模で農産物市場を開放する。さらに2月1日には日・欧州連合(EU)経済連携協定(EPA)も発効する見通し。国内農業は、これまで経験したことのないレベルで輸入品との厳しい競争にさらされる。政府には、生産現場の強い不安・懸念を払しょくする万全な対策の確実な実行が求められる。

(2面・総合)

標高80メートルのワサビ田を守る ―― 北村宜弘さん・兵庫県豊岡市(3面・暮らし)【2018年1月2週号】

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 兵庫県北部、神鍋高原のふもと豊岡市日高町十戸でワサビを栽培する「北村わさび」の北村宜弘さん(42)。全国的にも珍しいという平たん地のワサビ田で、湧き水を利用した独自の栽培法を受け継ぎ、約300年の伝統を守っている。優良な株を選抜して自家採種を続けてきたワサビは、味、香りとも市場や日本料理店などから評価が高い。生産の一方で、環境の変化やシカ害で減少するワサビ野を再生しようと「里山わさび復活プロジェクト」をスタート。希望者に苗を販売して植えてもらうことで、各地の里山と葉ワサビの食文化を守ろうと活動を続けている。

(3面・暮らし)

〈写真:ワサビを収穫する北村さん。年間2万本ほど生産する〉

2018年産水稲、麦の共済金は220億円に 災害時の盾は農業共済(7面・農業保険)【2018年1月2週号】

 2018年は台風や豪雨などの災害が多発し、農業分野への被害も相次いだ。NOSAI団体では迅速な損害評価にあたり早期の共済金支払いに努め、農作物共済では昨年末までに支払い(仮払いを含む)をほぼ完了。本紙調査によると、水稲共済金の支払額は全国で約66億円、麦は約155億円に上った。19年産から農作物共済の仕組みが変わり、当然加入制の廃止などが行われるが、災害復旧における経営再建の重要な柱となることは変わらない。農作物共済の共済金支払いなどについて共子さんが済太郎くんに聞いた。

(7面・農業保険)

スマート農業に重点 2019年度農林水産技術関係予算から(11面・営農技術)【2018年1月2週号】

 2019年度農林水産関係予算のうち、農林水産技術会議事務局の概算決定額は、対前年度比99.7%の659億8500万円を計上。特に、ロボットやAI(人工知能)など先端技術で担い手不足に対応する「スマート農業」の全国展開に向け、31億600万円に加え、18年度補正予算で61億5300万円を措置した。最新技術の開発と同時に、実証圃場で各技術を一貫で組み合わせて経営効果を分析するなど普及を加速させる。スマート農業の他にも、難防除雑草対策や高収益作物の検討、高付加価値の品種育成を見据えたゲノム編集技術など、現場での課題対応や普及を踏まえた研究を重視する。

(11面・営農技術)

防風林「海の向こう側には昔はロマン、今は荒波が【2018年1月2週号】」

 ▼「幼かりし日/われ父母にわかれ/貧しく/この浜辺に立ちて/(省略)はるかなる/とつくにを想〈おも〉えり」。芹沢光治良著の自伝的小説『人間の運命』の主人公が幼少時代、孤独の中で静岡県沼津市の海岸に立って波濤〈はとう〉の向こうにある異国の地に思いをはせた。
 ▼正月、帰省し荒れる日本海の浜辺を歩いたら、大学2年の夏に榛原台地の茶栽培実習を終えたその足で、沼津の浜辺に建つ芹沢文学館に向かった記憶が蘇った。海岸を走る路線バスに揺られて目的地に着いたのは閉館間際の夕暮れ時。
 ▼「明日、芹沢先生が来館します」と職員。「沼津に戻り宿を探そうか」と困惑していると、海岸と崖の狭間にある小さい漁村の造船所の宿泊所に電話し交渉してくれた。その施設に着いたのは太陽が山に沈み夜のとばりが下りたころ。
 ▼翌朝、目覚めて窓を開けたら潮の香りとウミネコの鳴き声が部屋に満ちた。文学館を再訪し門をくぐると、昨日の事情を聞き知っていた芹沢氏が温厚な笑みを浮かべ肉厚な掌〈てのひら〉を差し出し迎えてくれた。冒頭の詩は当日、色紙に書き記してくれたもので今も残っている。
 ▼芹沢氏は、若い頃の努力と人との縁を礎に、夢にまで見た渡欧を実現、作家としてロマン・ロランなど国内外の作家との親交を深める。今、海の果てからは過去の恩讐〈おんしゅう〉や貿易協定による関税撤廃など、わが国の命運を分ける荒波が押し寄せている。

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