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今週のヘッドライン: 2019年02月 1週号

笹サイレージで放置竹林解消へ一手 ―― 未利用資源を活用・宮崎県(1面)【2019年2月1週号】

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 地域で「厄介もの」扱いされている、いわゆる「放置竹林」の有効活用が、宮崎県都城市を起点に進んでいる。県畜産試験場家畜バイテク部が確立した竹・竹葉(ササ)をサイレージ化する基礎技術を使って、製材や粉砕処理を行う民間企業が独自技術をかけ合わせて飼料や肥料として製品化。県内農家を中心に利用者が増加している。里山の環境保全と新たな未利用資源の活用の両立に、期待が寄せられている。

(1面)

〈写真上:「全国の農家に取り組みを自信を持って発信できる」と話す木下行春さん(左)は全国指導農業士連絡協議会会長を務めた経験がある。大和フィロンティア(株)代表の田中浩一郎さんとともに〉
〈写真下:大和フロンティアは笹サイレージの生産ラインで特許を取得している〉

2017年農作業死亡事故 依然、高水準続く(2面・総合)【2019年2月1週号】

 農林水産省は1月28日、2017年に発生した農作業事故死亡者数は前年比8人減の304人となったと発表した。3年連続で前年を下回ったものの、依然300件を超えている。さらに農家数が減少する中、10万人当たりの死亡者数(発生率)は0.5人増えて16.7人と過去最高を更新した。同省は3月から「春の農作業安全確認運動」を展開する。作業環境の安全確保は、持続可能な営農の大前提。農業機械・施設の技術が高度化する中、毎年高い水準で死亡事故が発生している現状を直視すべきだ。農業生産工程管理(GAP)の推進や先端技術を活用した安全装備の開発・普及など、官民挙げて事故撲滅につながる取り組みを強化・拡充する必要がある。

(2面・総合)

日欧EPA発効 自由化は新たな局面に(2面・総合)【2019年2月1週号】

 日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が1日午前0時に発効し、世界の国内総生産(GDP)の約3割、貿易総額の4割をカバーする巨大経済圏が誕生した。経済界などからは、関税撤廃などに伴い貿易・投資が活発化し、日本経済の成長につながると歓迎する声が上がる一方、国内農業は昨年末に発効した環太平洋連携協定(TPP)11に続く高いレベルの自由化により、輸入品との競争激化は避けられず、影響が心配される。

(2面・総合)

地域を守る責務担う 制度加入は「災害対策」と推進 ―― NOSAI三重・三重県(5面・NOSAI)【2019年2月1週号】

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 NOSAI三重(三重県農業共済組合)が委嘱している共済連絡員(NOSAI部長)などの中には、耕作放棄地での水稲受託栽培に取り組み、地域農業の保全と振興に力を注ぐ人も多い。集落内では加入の取りまとめなどで組合員とNOSAIをつなぐほか、農業共済や収入保険の加入は重要な災害対策と考え、制度説明に力を入れる名張市の損害評価会委員と亀山市の共済連絡員に話を聞いた。

(5面・NOSAI)

〈写真上:農家組合設立も地域農家と相談しながら行ったという夏秋さん(左)〉
〈写真下:野生鳥獣肉(ジビエ)の出荷も考えているという飯田さん(左)〉

農産物規格・検査の見直しへ農林水産省が初会合 実態に即した改定を(6面・流通)【2019年2月1週号】

 農林水産省は1月28日、農産物規格・検査の見直しに向けた懇談会の初会合を開き、生産者や米卸、外食業者などから意見を聞いた。流通の多様化や検査機器の進展・高度化など社会情勢が変化する中で、生産や実需の実態に基づいた農産物検査のあり方を検討する。出席者からは検査の機械化による効率化を求める発言などが挙がった一方で、検査結果に基づいて表示できる等級や産地、銘柄などが信頼を得る担保になっていると評価する声もあり、慎重に議論を進めるべきとの意見が出た。

(6面・流通)

「w天敵」土着天敵と天敵製剤を併用し果樹のハダニ防除を減農薬に(11面・営農技術)【2019年2月1週号】

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 農研機構や各県試験場などによる研究グループは、土着天敵と天敵製剤の組み合わせで果樹ハダニ類を抑える「w(ダブル)天敵」の研究成果をまとめた。露地・施設で栽培する計5品目での防除体系を4月にマニュアルとして公表する方針だ。これまで、果樹では天敵の定着が難しく利用の課題となっていたが、圃場環境の整備や保護増殖資材を組み合わせることで効果の安定やコスト低減につなげる。ハダニ類防除における化学合成農薬の使用減や薬剤抵抗性の懸念が減らせるだけでなく、輸出に向けた残留農薬基準の解決にも貢献するとしている。

(11面・営農技術)

宿泊客に"農家"アピール ―― やまだ農園代表/山田琢也さん・長野県木島平村(3面・暮らし)【2019年2月1週号】

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 長野県木島平村上木島で水稲「コシヒカリ」やリンゴ、野菜類を栽培するやまだ農園(山田琢也代表、40歳、約1.5ヘクタール)は、スキー場ゲレンデ内の一角でホテル「スポーツハイムアルプ」を経営し、宿泊客に自家産の農産物を使った食事を提供する。山田さんが就農した4年前からは、子どもたちを対象にした夏のキャンプで、農作業や収穫体験も毎年実施。高社山の麓を舞台に、アウトドアスポーツを楽しむ人々に、食と汗で農業の魅力を伝えている。

(3面・暮らし)

〈写真:収穫作業中の山田さん一家(右から2人目が山田さん)〉

百貨店・仲卸人と野菜の直接取引【香川県 2月1週号】

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 【香川支局】生産物の直接取引を2016年から始めた高松市川部町の「のぐふぁーむ」代表の野口拓朗さん(35)は、「良いものを作って良い単価につなげることは、やりがいがあります」と話す。鮮度をアピールして、現在は生産量の8割強を自己開拓した京阪神の百貨店と仲卸業の2社と直接取引し、安定経営につなげている。

〈写真:「仲買さんと連絡を密にとり、市場の情報を得て作付け品目を考えます。これを作ってほしいと依頼されることもあります」と野口さん〉

作る楽しさ 加工品で実感【山形県 2月1週号】

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 【山形支局】県立左沢(あてらざわ)高等学校(星亮一校長)の「農業愛好会(部)」では、柏倉奈奈子実習教諭(26)指導の下、食品加工などに取り組んでいる。現在、部員は2年生4人と1年生5人の計9人で、食を通じて地域と関わりながら幅広い知識を得ることを目的に活動している。部活動では、授業で栽培したリンゴや「ラ・フランス」、サクランボなどを使ってゼリーやジャム作りを行う。

〈写真:ドライフルーツの製造工程を説明する農業愛好会部長の山科亜友さん〉

復興に貢献したい 柿ワインを商品化【福島県 2月1週号】

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 【福島支局】「福島の復興・発展に大いに貢献していきたい」と話すのは、本宮市糠沢の「松太郎柿園」代表の山本政明さん(63)。自家産の「大核無」柿を使ったワインの商品化を実現し、550本を完売するなど、手応えを感じている。大核無は、アルコールで渋味を抜き直売所などで販売していた。「大核無柿の知名度を高め、農業で福島県を元気にしたい」という思いから、柿ワインの醸造に取り組むことにした。

〈写真:右からワイン375ミリリットル1100円、720ミリリットル2千円、スパークリングワイン750ミリリットル2200円、375ミリリットル1200円=いずれも税込み(写真提供=山本さん)〉


冬季のハウスを有効利用 収益アップへ期待【新潟県 2月1週号】

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 【新潟支局】今年5月で就農5年目を迎える十日町市嘉勝の池田太一さん(35)は、地域の耕作放棄地を借り受けて再生した5ヘクタールの耕地で、ナスやネギなどの園芸品目を中心に10品目程度栽培している。収益を上げるため、今年から既存のパイプハウスを利用して、新たな作物に取り組み始めた池田さん。冬季に光熱費を最小限に抑えながら、収益の確保が可能な作物を模索していたところ、同市でも栽培が盛んなタラの芽とウルイに目をつけた。

〈写真:「冬期間にタラの芽の栽培を始めました」と池田さん〉

土産品で評判 シカの角などを装飾品に【広島県 2月1週号】

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 【広島支局】有害鳥獣駆除班で活動する三次市上田町の桧谷(ひのきだに)義彦さん(71歳、養蜂など)は、狩猟で捕獲したシカの角や骨、イノシシの牙で装飾品を作っている。「角などの形は一つとして同じものがなく面白い」。グラインダーで角などを切って削り、やすりを掛けて成形していく。「いろいろ考えながら作っているうちに、新しい作品が思いつく」。キーホルダーに始まり、ブレスレット、ネックレス、ペーパーナイフなども手掛ける。

〈写真:「角を見ていると作りたいものが次々と思いつく」と桧谷さん〉

防風林「種を育む農家の姿勢は次の代にも継がれる【2019年2月1週号】」

 ▼埼玉県秩父地方。地場資源であるセメント原料の採掘で山肌が露(あら)わな名峰・武甲山や秩父連山の麓で、観光農園を営みながら詩作を続ける八木原章雄さん方を昨年末に訪ね、継続する人だけが実感する奥深さを垣間見た。
 ▼畑には、莢(さや)から弾け出そうな大豆が茂っていた。数株の莢から数粒を掌に載せて見せてくれた中には、薄黒色や茶色などの穀粒が混ざる。八木原さんが採種し続けるのは地元在来種「借金なし」。色・形状が異なる変異粒の発現が多く、選抜し畝を変えて植え固定する。
 ▼名称につく「なし」は、借金を「成す(する)」ではなくて、「返済する」という意を指す。筆者の故郷、日本海側でも「なす」を同じ意味で使う習慣があり、調べると北陸でも同名大豆があるという。借金をすぐに返せるぐらい多くの実を付けて家計を潤せる......との特性が名前の由来らしい。
 ▼秩父地方では大正期からの栽培といわれ、国内主力品種「エンレイ」や「タマホマレ」などとは一線を画し、徐々に地域で作付けが減少していった来歴をもつ。水稲も旧・農林省農事試験場(埼玉県鴻巣市)時代の育成品種から、着色粒など変異粒を選抜・播種し続けて、育成した農作物を来園者やお客に提供している。
 ▼農業はそもそも「生業(なりわい)」で収益追求は当然の理(ことわり)。だが、理想や考え方を、農法や品種に具現化させることに精魂込める農業や農家がいていい。県農業大学校を今春、卒業するお孫さんも就農する予定という。こうして種と共に農の姿勢は継続していくのだ。

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