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今週のヘッドライン: 2019年02月 2週号

ブドウのオーナー制でワイン需要をつかめ ―― 奥野成樹さん・大阪府柏原市(1面)【2019年2月2週号】

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 国内でのワイン需要増を背景に、大阪府柏原市でブドウ約1.7ヘクタールを栽培する奥野成樹さん(32)は、オーナー制の醸造用ブドウ園「オクナリー」を開設し、産地存続の新たな一手につなげようとしている。収穫前もオーナーに向けて、ブドウを植樹から収穫まで育てる農業体験やワイン産地の見学会などを開く。「ワインができるまでの体験が商品。価値観をモノからコトへ転換させたい」と話す。体験事業への多角化では、生食用に比べて少ない管理労力もメリットとなっている。

(1面)

〈写真:「木札にメッセージを書くオーナーさんもいる」と奥野さん〉

豚コレラが1府4県に拡大 重大局面・養豚の危機に(2面・総合)【2019年2月2週号】

 農林水産省は6日、愛知県豊田市の養豚場で豚コレラの感染が確認されたと発表した。さらに当該農場が出荷した豚が搬入された長野、岐阜、愛知、滋賀、大阪の5農場と1施設でも感染を確認。昨年9月の岐阜県での感染確認以降、防疫対策が講じられてきたが封じ込めに失敗し、ウイルスは1府4県に拡大した。政府は同日、関係閣僚会議を開き、菅義偉官房長官は関係閣僚に対し、迅速な防疫措置の実施や関係自治体との連携強化などを指示した。豚コレラのまん延は、国内養豚の危機に直結する。政府は感染ルートの解明を急ぐとともに、官民挙げて防疫対策を総点検し早期封じ込めに一丸となって対応する必要がある。

(2面・総合)

2次補正予算成立 農林水産5027億円(2面・総合)【2019年2月2週号】

 2018年度第2次補正予算が参院本会議で可決、成立した。総額は2兆7097億円。農林水産関係は5027億円で、環太平洋連携協定(TPP)11や日・欧州連合(EU)経済連携協定(EPA)の発効に伴う関連対策に3188億円を盛り込み、国内農業の体質強化対策や輸出拡大対策などを重点的に措置する。

(2面・総合)

地歌舞伎を見に行こう 農民による手作りの舞台が起源 ―― 岐阜女子大学 地域文化研究所長・丸山幸太郎教授(3面・暮らし)【2019年2月2週号】

 地域芸能の一つとして各地に残る「地歌舞伎」。農業者が演者となっているところも多数あるという。地歌舞伎の保存会が全国一多い岐阜県では、新旧の芝居小屋で現在も盛んに上演されている。「地域住民を中心とした担い手や根強いファンに愛されている地歌舞伎に興味を持って、一度見に行ってもらいたい」と話す、岐阜女子大学地域文化研究所長の丸山幸太郎教授に、観劇のポイントを教えてもらう。

(3面・暮らし)

家畜共済でより安心経営 増えた資産価値を反映、異動申告の簡素化も(5面・農業保険)【2019年2月2週号】

 畜産農家にとって貴重な資産である家畜の飼育中に、病気や事故が発生した場合の経済的損失を補えるのが家畜共済だ。昨年4月に施行された農業共済制度の改正によって、今年の加入から、今まで以上に農家が安心して経営に取り組めるよう仕組みの一部が変更されている。家畜共済の改正点について共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・農業保険)

生産技術の向上へ トマト・キュウリサミット(9面・営農技術)【2019年2月2週号】

 トマト・キュウリ生産の技術向上を図る「トマト・キュウリサミット」(全国野菜園芸技術研究会、トマト・キュウリサミット実行委員会主催)が1月31日、2月1日の2日間、埼玉県内で開かれた。新技術による増産や品質向上の取り組み、海外の施設園芸事情などが報告されたほか、根圏環境制御をテーマにしたパネルディスカッションなどが行われた。産地を挙げた取り組みや販売先の要望に合わせた対応など、生産者の3事例を紹介する

(9面・営農技術)


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〈写真右:大竹浩史前部会長・JA豊橋トマト部会(愛知県豊橋市)低コストの養液栽培体系〉
〈写真中央:満尾匡記さん・320farm(徳島県海陽町)「きゅうりタウン構想」で挑戦〉
〈写真左:玉井大悟代表・サンファーム中山(株)(静岡県袋井市)求められる味・質に対応〉

効率良く高収量 ハウスミカン垣根仕立て栽培【大分県 2月2週号】

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 【大分支局】大分県農林水産研究指導センターでは、ハウスミカン栽培で慣行の開心自然形に比べ樹容積が小さく、主枝を棚に沿って垂直に伸ばす「垣根仕立て栽培」の技術を確立。高収量と省力化を可能にした。現在、生産者への導入も始まっている。

〈写真:着果時の様子。多目的ネットを利用し、枝つり作業を省力化(写真提供=大分県農林水産研究指導センター)〉

単為結果性ナス 作業時間を短縮・コスト削減にも【高知県 2月2週号】

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 【高知支局】大月町内では初の試みとなる単為結果性のナス栽培に、2013年から取り組んでいる同町の永野順一さん(76)・豊美さん(72)夫妻。労力の軽減に加え品質の向上を追求して4年目を迎えた。「単為結果種は、作業時間の短縮とコスト削減にもつながるので魅力的」と話す長男の定雅(さだまさ)さん(42)は、両親と20アールのハウス内で、単為結果性のナス3種類の試験栽培を、生育過程を比較しながら行っている。

〈写真:JA指導員のアドバイスを基に葉を整える定雅さん〉

茶園の異物除去装置を自作 10アールで18時間短縮【宮崎県 2月2週号】

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 【宮崎支局】小林市細野で茶を栽培する瀬戸山貴行(せとやま・たかゆき)さん(39)は、手作業で行っていた茶園の異物除去の省力化を図ろうと、既製の摘採機に自作の送風管を取り付けた機械を開発。短縮した作業時間を茶の適期管理に活用することで、収量の増加につながっている。

〈写真:摘採機に付けた送風管について説明する瀬戸山さん〉

イチゴ「よつぼし」 種子繁殖型で大幅に省力化【徳島県 2月2週号】

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 【徳島支局】阿南市福井町の植田豊治(うえた・とよじ)さん(74)は、2014年産からイチゴの早生新品種「よつぼし」に切り替えて4年目。省力化を求めて導入し、約17アールのハウスで、主に妻の友子さん(68)と栽培している。よつぼしは、従来の栽培方法とは違い、親株からランナーを増殖させて定植株を確保する栄養繁殖栽培ではなく、種子や購入した苗から定植株を確保する種子繁殖と呼ばれる品種だ。

〈写真:「親株を確保していく手間が減ったのが大きな利点」と話す植田さんと友子さん〉

柔らかく甘い仕上がり 土寄せしない軟白ネギ栽培【山形県 2月2週号】

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 【山形支局】「庄内地域の『雪中軟白ねぎ』のブランド化を図り、販路拡大に取り組んでいきたい」と話すのは、鶴岡市茨新田の伊藤鉄也さん(67)。作付けしているのは、安定した伸びと太りが特徴の品種「ホワイトソード」。4月から播種し、その後50日以内に定植、約半年かけて生育させ、冬場の11月から3月まで収穫する。一般的な栽培で茎部分を伸ばすための「土寄せ」は行わない。定植後に支柱を立て、地面から20センチと40センチの部分にひもを張り、茎の分かれている部分が地面から30センチほどに成長した時点で、通気性の良い黒の遮光フィルムで覆い、軟白の部分を作っていく。冬場の寒さに加え、土寄せをしないことでネギにストレスを与えず、柔らかく甘く仕上がるという。

〈写真:黒のフィルムで遮光して軟白部分を成長させる〉

防風林「集落住民の存在が道を維持する【2019年2月2週号】」

 ▼源頼朝が開いた鎌倉幕府。当時の御家人たちは、鎌倉に一大事が発生した際には何をおいても鎌倉に駆けつける使命を帯びていて、その道筋は一般に「鎌倉街道」と呼ばれていたそうだ。
 ▼北条執権家の治世が続く時代。旅の僧侶が大雪に見舞われ、貧しげな民家に一夜の宿を願いでたところ、家の主〈あるじ〉は快く僧侶を招じ入れ、鉢植えの松竹梅の木を囲炉裏〈いろり〉に投じておこした火で、暖と温かな膳を用意した。「貧しくおかまいはできないが、"いざ鎌倉"とあらばはせ参じて敵と相対す覚悟」と身上を打ち明ける。
 ▼その後、幕府から全国に召集がかかり、その主もほうほうの体で鎌倉に到着しその足で政庁に赴いた。上座の貴人の尊顔を拝すとあの雪の夜の旅の僧侶、執権・北条時頼だったとの物語。筆者が住む埼玉には交通量の激しい鎌倉街道がある。逸話の背景は北関東周辺とされ、真実とすればこの道を通ったことになる。
 ▼『峠の歴史学』(服部英雄著)では、全国に散在した鎌倉街道だが現存する事例は稀〈まれ〉だという。道路敷設の目的は大きく流通・軍事・信仰とし、荷駄用の牛馬は谷底が見える木橋を渡れないため、架橋のいらない山の尾根や峠に道を開いた。
 ▼峠道の多くは国境など辺境集落を通過。服部氏は古道探索経験から、廃集落が増え鎌倉街道だけではなく、歴史的に重要な道の存在や伝承すら絶えたという。集落から住民が途絶えると、道も草や土に埋もれ歴史や記憶からも消える。

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