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今週のヘッドライン: 2019年02月 3週号

「LGCソフト」「はいごころ」機能性高い米作り 農地を守る一助に ―― (有)楽農楽人・岐阜県可児市(1面)【2019年2月3週号】

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 岐阜県可児市の有限会社楽農楽人(らくのうらくびと〈小林司朗代表=66歳、3人〉)は、市内全域を対象に耕作放棄地をはじめ、営農継続が困難になった水田を借り受けて主食用米を中心に水稲9.3ヘクタールを栽培。そのうち、付加価値のある米作りをしようと「みどりもち」などの有色米のほか、消化されやすいタンパク質の含有量が少ない「LGCソフト」10アールや「はいごころ」17アールを作付ける。「特色のある米を作ることで、地域の農地を農地として永らえさせる一助になれれば」と小林代表は話す。

(1面)

〈写真:「農地保全の目的はもちろん、必要とする人がいる限り、努めて提供し続けたい」。本年度産LGCソフトとともに小林代表〉

豚コレラ拡大・終息見えず 新たに愛知で1万4千頭超殺処分(1面)【2019年2月3週号】

 国内における豚コレラの感染拡大が止まらない。農林水産省は14日、愛知県田原市の養豚場での感染確認に伴い、当該農場を含めた養豚団地内の14農場と関連施設2農場で飼育するすべての豚を疑似患畜として殺処分すると発表した。13、14日に感染が確認された2戸3農場と施設や車両などを共同利用していることから予防的措置を講じる。対象頭数は約1万4600頭に上る。昨年9月の感染確認以降、「豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針」に基づく防疫対策が講じられてきたが、今なお終息は見通せない状況となっている。

(1面)

農業共済新聞全国研修集会開く「スマート農業普及へ」講演(1面)【2019年2月3週号】

 NOSAI協会(全国農業共済協会、髙橋博会長)は12日、都内で「2018年度農業共済新聞全国研修集会」を開き、NOSAI団体の役職員ら約160人が参加した。近年の頻発する自然災害を踏まえ、収入保険と農業共済を担う組織として、農業共済新聞の普及を通じて理解醸成を図るとともに、円滑な加入推進につなげる方針を確認した。

(1面)

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〈写真右:来賓としてあいさつした平井卓也IT(情報技術)・科学技術担当大臣〉
〈写真左:スマート農業をテーマに講演した慶應義塾大学環境情報学部の神成淳司(しんじょうあつし)教授〉

農産物輸出 2018年も過去最高に 一兆円目標近づく(2面・総合)【2019年2月3週号】

 農林水産省は8日、2018年の農林水産物・食品の輸出金額(速報値)が前年産比12.4%増の9068億円になったと発表した。6年連続で過去最高を更新した。政府は環太平洋連携協定(TPP)11と日・欧州連合(EU)経済連携協定(EPA)の発効も踏まえ、19年の輸出額1兆円目標の達成に向けた取り組みを強化する方針だ。日本は人口減少社会を迎えており、中長期的には海外の市場開拓が重要な課題となる。ただ、現状では輸出額の約6割は加工品が占める。生産現場では「輸出に取り組んでも農家の利益につながらないのでは」と懸念も聞こえる。農業所得の向上に確実につながる輸出振興体制の確立が求められる。

(2面・総合)

エルニーニョ 夏にかけて続くか(2面・総合)【2019年2月3週号】

 気象庁は12日、発生中の「エルニーニョ現象」が夏にかけて続く可能性が高いと発表した。南米ペルー沖の監視海域の海面水温が基準値より高くなる現象で、発生すると世界各地に異常気象をもたらすとされる。すでに今冬も日本を含む北半球に記録的な寒波が襲来し、オーストラリアなど南半球では酷暑に見舞われている。今後も引き続き、気象動向には注視が必要といえそうだ。

(2面・総合)

砕米を葉山牛のエコフィードに 炊飯給与し脂の質改善 ―― 石井牧場・神奈川県葉山町(9面・営農技術)【2019年2月3週号】

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 黒毛和種の肥育を手掛ける神奈川県葉山町上山口の石井牧場(石井裕一代表=43歳)は、食品製造工程で廃棄されるおからやビールかす、砕米を"エコフィード"として活用した自家配合飼料を給与し、生産費を抑えながら肉質を高め、ブランド和牛「葉山牛」を生産している。飼料は砕米を炊飯していることが特徴で、軟らかく炊いたものを1頭1日当たり1キロ給与。「加熱処理によって消化・吸収が向上し、肉の脂質が改善された」と石井代表は話す。また、神奈川県内で肉用牛の牧場として初となるHACCP認証を取得。徹底した衛生管理で健全な飼養環境を構築し、疾病減少にも成果を上げている。

(9面・営農技術)

〈写真:「健康体で、安定して餌を食べるように育てている」と話す石井代表〉

園地は身近な交流の場 ブドウ園でヨガ教室・収穫体験 ―― 小林一夫ぶどう園/小林美香さん・栃木県栃木市(3面・暮らし)【2019年2月3週号】

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 栃木県栃木市大平町には、大平ぶどう団地と呼ばれるブドウ園が多く集まる地区がある。その一角で、「小林一夫ぶどう園」を経営する小林美香さん(37)は、消費者に農業に興味を持ってもらおうと、園地でのヨガ教室やブドウの袋かけ体験などのイベントを実施。地域の女性農家ともSNS(会員制交流サイト)などを活用し積極的に交流するなど、地域農業を盛り上げている。

(3面・暮らし)

〈写真:ブドウ園の中でのヨガに取り組む〉

ジビエ・猟師の食堂がじわり人気 手頃な価格や個性が魅力 ―― 梅本商店・京都府井手町(8面・流通)【2019年2月3週号】

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 ジビエ(野生鳥獣肉)が都市部レストランで高級食材として取り扱われる一方、猟師自身で運営する食堂がひそかに人気を集めている。郷土料理の延長線として、価格の手頃さや、猟師の知恵を生かした個性が魅力だ。京都府井手町で猟師の夫妻が運営する「梅本商店」では、捕獲したイノシシやシカ、アライグマなどの肉を使い、ラーメン、鍋、パスタなど日常的な料理を安価に提供する。解体時の観察で病気や寄生虫がないことを確認し、衛生管理も徹底。捕獲後の迅速な食肉処理により、品質にも評価が高い。

(8面・流通)

〈写真:「アライグマ肉の鍋も人気メニュー」と梅本昭信さん〉

イチゴの上にブドウ棚 一年中楽しめる観光農園【愛媛県 2月3週号】

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 【愛媛支局】西条市丹原町のゆきもと農園は、イチゴとブドウを同じハウス内で栽培する珍しい観光農園だ。イチゴの高設栽培の上にブドウ棚を設置することで、空間を有効に活用。園内のカフェでは、シーズンオフでも農園を楽しむことができる工夫を施し、人気を集めている。

〈写真:白イチゴ「淡雪」の手入れをする八千代さん。頭の上には手入れされたブドウ棚が見える〉

就労支援事業で閉校舎に植物工場【秋田県 2月3週号】

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 【秋田支局】秋田市河辺の就労支援事業所「株式会社スクールファーム河辺」は、閉校舎を利用して施設内に植物工場を設置。野菜を栽培し、農業と福祉を連携させた「農福連携」を事業のテーマに掲げ、かつての学び舎に新たな息吹をもたらしている。事業所は、障がい者の就労機会を提供する場として、2013年に設立。従業員10人と就労者20人で作業している。

〈写真:管理作業をする就労者〉

好評イノブタ肉 販路拡大へ意欲【和歌山県 2月3週号】

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 【和歌山支局】すさみ町小河内で、イノブタの繁殖から精肉販売まで精力的に取り組んでいる楠本政之さん(66)。イノブタ21頭、種付け用イノシシ4匹、母豚2匹を飼育している。楠本さんは「イノブタの肉は高級肉として扱われているが、生産から販売までを一つのラインで行うことで少しでも安く提供できるようにし、たくさんのお客さまに味わってもらえるようにしたい」と話す。

〈写真:イノブタに餌を与える楠本さん。「ゆくゆくはスーパーなどで牛肉や豚肉、鶏肉と同じようにイノブタの肉が買えるようになれば」と話す〉

解体申請取り下げ経営再開 「もう一度牛を飼いたい」【福島県 2月3週号】

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 【福島支局】震災から8年、南相馬市小高区の黒木敏美さん(38)と父・敏彦さん(66)は畜産経営を再開した。敏美さんは「震災直後は、牛のいる生活には戻れないと思っていました。今は牛の世話や合間の時間を有効に使うことができ、生活に張り合いがあります」と、再開の喜びをかみしめる。震災当時、敏美さんは、畜産が盛んだった小高地域で、避難に伴う牛の処分に携わった。「頭数も多くて大変でしたが、何より自分の牛を含め、同業農家の牛を処分するのは断腸の思いでした」と振り返る。

〈写真:再開後に家畜共済に再加入した敏美さん(左)と敏彦さん。「繁殖牛は子牛出生時の事故が一番多く、胎児の補償がある家畜共済には助けられた」と話す〉

ホル、ジャージー、ブラウンスイスの生乳でヨーグルト【青森県 2月3週号】

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 【青森支局】おいらせ町向山のカワヨグリーン牧場では、「3種の生乳ヨーグルト」を2018年9月から販売している。同牧場では、ホルスタイン牛、ジャージー牛、ブラウンスイス牛を合計23頭飼育。3種の生乳ヨーグルトは、ホルスタイン牛、ジャージー牛、ブラウンスイス牛の生乳に乳酸菌を混ぜ、発酵させて完成する。

〈写真:3種の生乳ヨーグルト〉

防風林「国の統計は 国家の信頼を確保する【2019年2月3週号】」

 ▼「大陸の彼(か)の国は、国土が広すぎ国民の人口さえ把握できないのでは?」などと冗談を言っている場合ではない。政府の勤労報酬に関する統計調査で、定められた層の企業に実施せず、実態と離れた数値だった案件が社会問題化している。
 ▼失業手当など国民に支払われる金額を決定する際に、その数値が用いられる重要な調査だ。すでに支払い済みの額に対し、差額分の支出に100億円を超える国家予算が必要とされているという。政府職員のガバナンス低下が、統計に加え国自体の信頼性を傷つけかねない。かつての"消えた年金"問題では旧社会保険庁が解体される事態だった。
 ▼調査にあたった特別監査委員会の杜撰(ずさん)な調査も指摘され仕切り直しが求められたうえに、過去データの一部が残っていないお粗末さ。民間を行政指導する機関の監視が必要とは愚の骨頂。
 ▼農林水産関係の統計の中には、農林業センサスや農業構造動態調査、水稲作柄概況(作況指数)のほか自然災害発生時の被害状況調査などがあり、それぞれが施策方針や農産物価格水準の判断などに直結するため精緻な調査であってほしい。
 ▼調査対象者の不在や回答拒否など、担当者の苦労話もよく耳にする。だからといって「曖昧」「いい加減」であっていいわけがない。彼の国から「日本だって同じじゃないか」と哄笑(こうしょう)されてはたまらない。地味な統計調査で得られた数値や結果は、国家の「威信」や「信用」に直結するのだ。

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