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今週のヘッドライン: 2019年04月 2週号

生産から販売まで一貫 無角和種の再興に挑戦 ―― 有限会社秋吉台肉牛ファーム・山口県美祢市(1面)【2019年4月2週号】

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「山口県で牛飼いをしているからこそ、この地域にしかない貴重な無角和種を守りたい」と、山口県美祢市美東町の有限会社秋吉台肉牛ファームで繁殖・肥育を担当する松林健太場長(34)は話す。肉用牛の繁殖・肥育一貫経営に取り組む中で、繁殖牛24頭、育成・肥育牛13頭の無角和種を飼養する。周年放牧やエコフィードなどによる生産コスト低減を図り、全頭の肉を関連会社の直営店で販売している。かつて県独自の銘柄として高い評価を受けていた無角和種も、霜降りを重視する需要の変化から、飼育頭数は約250頭まで減少。しかし近年の健康志向の高まりを受けて、サシが少ないヘルシーな肉質が注目されている。牛飼いの誇りを胸に、日本固有の肉専用種である無角和種の再興を目指す取り組みを紹介する。

(1面)

〈写真:無角和種と黒毛和種を交配した和牛間交雑種に給餌する健太場長〉

日米の新たな貿易交渉 月内にも協議開始(2面・総合)【2019年4月2週号】

 日米の新たな貿易交渉が月内にも始まる見通しとなった。茂木敏充TPP担当相が2日の閣議後会見で明らかにした。生産現場の最大の懸念は農産物の関税協議の行方だ。特に環太平洋連携協定(TPP)11の発効を受け、牛肉などの対日輸出条件が不利になった米国が、過剰な要求を突き付けてくるのは確実と見られる。
ただ、TPP11に加え、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が発効し、牛肉や豚肉などの輸入が急増する中、これら協定を超える譲歩は認められない。昨年9月の交渉入り合意以降、日本政府は「過去の経済連携協定の譲歩水準が最大限」との説明を繰り返してきた。有言実行へ毅然とした交渉の貫徹が求められる。

(2面・総合)

アフリカ豚コレラ 感染力あるウイルスを日本で確認

 農林水産省は2日、中国から持ち込まれた豚肉製品から生きたアフリカ豚コレラウイルスが検出されたと発表した。感染力を持つ同ウイルスの確認は初めてで、中国などで感染が拡大する中、日本への侵入リスクが極めて高い状況にあることが改めて明確になった。同省は違法な畜産物の持ち込みを防ぐため、違反事例を集約し、家畜伝染病予防法(家伝法)に基づく告発を行うなど違反者への対応を厳格化する。

(2面・総合)

NOSAIの組合等が全国各地で総代会開催 運営は組合員の総意で(5面・農業保険)【2019年4月2週号】

 NOSAIの組合等では、毎年5~6月にかけて通常総代会が開催される。総代会は組合員の意見を組合運営に反映する重要な場だ。NOSAIの組織は、総代やNOSAI部長、損害評価員などで構成される基礎組織が土台となって、組合員の自発的な参画で運営されている。総代会の役割や基礎組織の重要性について共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・農業保険)

オオバ契約栽培 安定出荷し信頼獲得 ―― 有限会社郡山アグリサービス・福島県郡山市(8面・ビジネス)【2019年4月2週号】

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 求められる品質と量に応えて信頼をつかむ――。福島県郡山市逢瀬町の有限会社郡山アグリサービス(遠藤喜敬代表=44歳)は、ハウス60ア-ルでオオバを栽培する。2カ所の圃場でリスクを分散しながら、計画的な作付けで需要期に対応。減農薬や土壌検査に基づく土作りなどで品質向上にも力を注ぎ、量販店や加工業者と出荷契約を結んで着実な経営につなげている。また、自社で製造するオオバペーストも「香りが良い」と好評で、加工部門の強化も視野に入れ、郡山産オオバの販路拡大、認知度アップを目指す。

(8面・ビジネス)

〈写真:オオバの出来を見る遠藤代表。「傷がつきやすいため、優しく摘み取るのがポイント」と話す〉

コマツナ年7作 管理機で深耕・排水性を維持 ―― 杉本正博さん・静岡県三島市(9面・営農技術)【2019年4月2週号】

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 ハウス約50アールでコマツナを年7作する静岡県三島市の杉本正博さん(67)は、作の切り替え時に5馬力の歩行型管理機で深さ20センチに耕し、排水性を維持。「乗用トラクターを使う回数を抑えて、耕盤をつくらないように気をつけている。20年続けても排水不良はない」と話す。収量・品質の安定につながる土づくりのポイントを聞いた。

(9面・営農技術)

〈写真:「土壌を硬くしないことでコマツナがしっかりと育つ」と杉本さん〉

スマホで撮ろうプロ級の写真 フードスタイリスト・ともながあきよさんに聞く(3面・暮らし)【2019年4月2週号】

 春の行楽シーズンを迎えて、家族と一緒に過ごす大切な思い出を残すのに欠かせないのがスマートフォンのカメラ機能だ。いつでもどこでも手軽に撮影できるほか、最近では写真を会員制交流サイト(SNS)に投稿する人も増えている。上手に写真を撮影するポイントを、料理の撮影などにスマホを活用しているフードスタイリストのともながあきよさんに教えてもらった。

(3面・暮らし)

1日1時間勤務も可能 子育ての女性を応援【岩手県 4月2週号】

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 【岩手支局】勤務時間に融通が利くことを強みに、子育て中の女性の雇用を進めているのは、八幡平市大更に作業場を構える「産直花っ娘(宮野亜由美代表=36歳)」。夏場に生産した花を、ドライフラワーにする加工品の制作にも力を入れ、多くの人に農業に関心を持ってもらおうと活動している。

〈写真:「働く意欲のある女性たちが、一歩踏み出すきっかけをつくりたい」と宮野代表〉

イチゴ産地再生へ新規就農者を支援【島根県 4月2週号】

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 【島根支局】イチゴの産地である安来市赤江地区の下坂田集落では、U・Ⅰターンの新規就農者を対象に定住と就農を支援するプロジェクトを受けて、イチゴ農家の担い手確保に乗り出した。イチゴ産地を再生するため、同市では2017年に「なかうみプロジェクト」を立ち上げ、農地や定住のための住宅を行政が準備し、新規就農者の研修から独立までを支援する取り組みを始めた。

〈写真:大森さんは新品種「よつぼし」を栽培する〉

太陽光パネルの下でシイタケ【鳥取県 4月2週号】

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 【鳥取支局】北栄町にある株式会社エナテクスファームは、太陽光パネルを設置して発電をしながら、その下で作物を栽培するソーラーシェアリングに取り組んでいる。太陽光パネル設置当初から常緑キリンソウの苗をパネルの下で育成し、企業などへ出荷していたが、さらに原木シイタケの生産をグループ会社と共同で開始した。一般消費者との接点が持てることや、パネル下部をさらに活用できることなどの利点を見込んでいる。

〈写真:ソーラーパネルの下に並ぶホダ木からシイタケを収穫する有福さん〉

自家産コシで「米粉たこ焼き」【京都府 4月2週号】

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 【京都支局】与謝野町の浪江寛資(なみえ・ともよし)さん(34)は、稲作を本業としながら、昨年6月、農家レストラン「焔(ほむら)」与謝野店をオープンした。「米粉たこ焼き」を目玉商品に、地元農産物を使った商品開発も進めている。米粉たこ焼きのとの出合いは、3年前のJA青壮年部の米粉普及イベントだった。就農前に露店でたこ焼きを販売した経験から、焼き加減を工夫すれば、商品化できると確信した。

〈写真:「店名の焔は、火のある所にうたげがあり、そこから出会いが生まれ、それが商売につながるという思いから名付けた」と浪江さん〉

アライグマくくりわなを自作【長崎県 4月2週号】

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 【長崎支局】自作のくくりわなでアライグマの捕獲に取り組んでいるのは、佐世保市瀬道町の原田嘉夫さん(83歳、水稲100アール、露地ミカン25アール、露地野菜3アール)。「アライグマを捕獲するため、市販のくくりわなを購入して使用していましたが、一つ7千円程度と安くはなく、捕獲した際にアライグマが暴れてわなが壊れることが多かったので、市販のわなを自分で修理や改良したり、自作したりするようになりました」と原田さん。

〈写真:自作したくくりわな。板の部分を踏み抜くとかかる仕組み〉

防風林「山地酪農の家族経営、継続に幼子の姿が【2019年4月2週号】」

 ▼「ルールルルル」数十年前のテレビドラマ「北の国から」(脚本家・倉本聰)で、北海道富良野に家族とともに移住した主人公・五郎の娘・蛍が野生キタキツネを呼ぶ声が印象的。厳しい自然のなか地元住民との交流を描いた。8編の特別編を含め約20年間続いた。
 ▼岩手県田野畑村で「山地酪農」を営むため入植した吉塚公雄さん一家を24年間も追い続けたドキュメンタリー映画「山懐に抱かれて」の試写を観た。プレハブでのランプ生活を続け、7人の子供たちも斜面で草地造りや丸太運びに労働する。
 ▼夫婦が求め続けてきた夢と理想は、乳量や乳価の課題を抱えながらも銘柄乳業を設立し安定化の足掛かりを築く。家族労働で第2牧場を計画する父の展望に対して、子供たちにも異なる希望や計画が芽生える。子供の成長と理解しつつ激しく衝突する親子の姿は、耕種農家も共感できる現実か。
 ▼山地酪農だけでなく、地域の食文化と結びついた伝統野菜や工芸品原料の植物生産は、その継続に危機感を抱かざるを得ない分野が多い。その多くが継承者のいない家族型経営。夢や理想と現実の生活との葛藤だ。
 ▼映画では子供らが幼い頃に集ったヤマナシの木を象徴的に描く。やがて種子は風で異なる地へ、また一つは足元にポトリと落ち萌芽し山地酪農は継続する。終盤に牛の追い込みを手伝う幼い男児(孫)が両手を上げ方向を変えさせる初仕事。なぜか、北の国からの「ルールル」が聞こえた気が。この子が10年後に山懐に抱かれていればと。

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