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今週のヘッドライン: 2019年05月 3週号

生ごみ年間500トンを堆肥に 資源循環の絆深める ―― 伊万里はちがめプラン・佐賀県伊万里市(1面)【2019年5月3週号】

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 「私たちは生ごみを燃やさない!」をスローガンに、佐賀県伊万里市のNPO法人伊万里はちがめプラン(福田俊明理事長、78歳)は、約300世帯の市民や71事業所と協力し、年間500トンの生ごみを堆肥化している。堆肥は「はちがめ堆肥」と銘打って販売、市内外の農家や家庭菜園を楽しむ一般市民が利用している。彼らが生産した農作物の一部は、直営の「ふれあいステーション風道」で販売する。福田さんは「地域内での資源循環をより強固にし、活動を次の世代に引き継いでいきたい」と話す。

(1面)

〈写真上:はちがめ堆肥を買いに来た楢崎さん(右)と談笑する福田さん。「暖かくなってくると水分量の調節が難しくなるね」〉
〈写真下:搬入されたばかりの生ごみ(手前)。かんなくずが添加されている〉

エルニーニョの発生続く 今夏の天候に留意を(2面・総合)【2019年5月3週号】

 気象庁は10日、発生中の「エルニーニョ現象」が秋にかけて続く可能性が高いと発表した。南米ペルー沖の監視海域の海面水温が基準値より高くなる現象で、世界各地に異常気象をもたらすとされる。日本も発生時の夏は西日本を中心に低温・多雨になる傾向があることから、今後の天候推移には注視が必要だ。特に近年は地球温暖化の進展などに伴い全国各地で局地的な豪雨災害などが頻発している。避難経路の確認や避難訓練の実施など命を守る取り組みの推進を最優先に、気象情報の的確な把握や水利施設等の適正な管理、農業保険(農業共済・収入保険)への積極的な加入など"備え"の強化が大切だ。

(2面・総合)

ミカン結果樹面積 初の4万ヘクタール割れ(2面・総合)【2019年5月3週号】

 農林水産省は16日、2018年産ミカンの収穫量(全国)は77万3700トンとなり、18年産と同様に全国ベースで表年傾向となった16年産に比べ4%減少したと発表した。高齢化などによる廃園で結果樹面積が同5%減の3万9600ヘクタールに落ち込んだため。なお、結果樹面積が4万ヘクタールを下回るのは統計開始(1973年)以降初めてで、5年前(13年産)に比べ1割(4100ヘクタール)減少している。

(2面・総合)

ミツバチと花と共に 蜜源作物で農地保全 ―― 花園養蜂場・埼玉県深谷市(3面・暮らし)【2019年5月3週号】

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 埼玉県深谷市小前田で花園養蜂場を営む松本文男さん(72)、洋子さん(67)夫妻は、17品目ほどの蜜源植物から採取した「菜の花」や「あかしあ」などの蜂蜜を販売する。農地中間管理機構から近隣の農地を借りて、蜜源にするための菜の花とヘアリーベッチを栽培。県内を中心に採蜜に回っていて、作業などを通じて地域農業に貢献している。娘の鮎子さん(41)と従業員3人とともに、飼育から加工・販売までを一貫して行う。

(3面・暮らし)

〈写真上:巣板の状態を確認する文夫さん〉
〈写真下:蜂蜜を手に松本さん夫妻〉

ドローンで棚田撮影 ―― UNE代表理事/家老洋さん・新潟県(8面・情報)【2019年5月3週号】

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 「5月の新潟は晴天が多く、ドローン撮影のベストシーズン」と話す、特定非営利活動法人UNE代表理事の家老洋さん。地元・新潟県長岡市一之貝の棚田を撮影した。昨年7月に免許を取得し、会の活動を記録した写真や動画をホームページで公開している。

(8面・情報)

〈写真:冠雪が残る守門岳を遠くに望む〉

温室ミカン+中晩柑 高品質果を長期出荷 ―― 政岡俊一さん・愛媛県砥部町(9面・営農技術)【2019年5月3週号】

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 愛媛県砥部町北川毛の政岡俊一さん(51)は、妻と両親の家族4人で、温室ミカンに中晩柑〈ばんかん〉を組み合わせた、かんきつ専作経営(1.34ヘクタール)に取り組む。80アールの施設は加温、無加温、屋根掛けとし、露地栽培と組み合わせて収穫期を分散して6月から翌春まで長期に出荷する。家族経営での最適な労力配分と、最大限の利益を追求し、露地中心から施設中心に転換。収量と品質を高めながら、ヒートポンプや多重被覆の導入でコストを削減し、収益性の高い経営を実現している。

(9面・営農技術)

〈写真:愛媛果試第28号の屋根掛けハウスで政岡さん〉

G20農相宣言 持続可能に向けた技術革新を(2面・総合)【2019年5月3週号】

 20カ国・地域(G20)農相会合が11日、12日に新潟市で開かれ、世界人口の増加に対応するため、資源の持続可能性を確保しつつ生産性の向上を目指す「2019年G20新潟農業大臣宣言」を採択し閉幕した。特に、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)、ロボットなど先端技術を活用して農業イノベーション(技術革新)を促す重要性を強調。小規模農家を含む全ての農業者が農業データにアクセスできる基盤整備に向け、各国が努力することなどを盛り込んだ。

(2面・総合)

お米のピューレで米消費拡大【新潟県 5月3週号】

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 【新潟支局】新潟市江南区で酒店を営む「株式会社長谷友」の長谷川和広さん(53)は、日本酒はもとより、米の消費拡大にも取り組んでいる。長谷川さんが立ち上げたブランド「こめへん」の商品「お米のピューレ」は、同社の営業所の一つである「長谷川熊之丈商店」を中心に、5年前から販売されている。

〈写真:お米のピューレとお米のピューレ入り食パンと生ジャム〉

皮ごと食べられる高糖度ネクタリン「スイート麗」【福島県 5月3週号】

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 【福島支局】伊達市月舘町御代田の高橋忠吉さん(70)は、モモを栽培する傍ら、新品種の育成を手掛ける。これまでに「まなつ」や「シーエックス」など9品種を登録し、今回新たに白肉のネクタリン「スイート麗〈れい〉」の登録を農林水産省に出願している。

〈写真:スイート麗(写真提供=高橋さん)〉

珍しい野菜100種類栽培【広島県 5月3週号】

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 【広島支局】安芸高田市吉田町の森脇良典さん(66)・照美さん(65)夫妻の畑(約70アール)は、珍しい野菜であふれている。チョコレートのように茶色のピーマン「ミニチョコベル」や、ジャガイモのような外見のキュウリ「リトルポテト」など、市場にあまり出回っていない野菜を年間100種類以上栽培しているという。

〈写真:「水にも気を使い、自分が掘った井戸の水を使っているんですよ」と話す良典さんと照美さん〉

新時代も親子で農地を守ろう【奈良県 5月3週号】

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 【奈良支局】奈良市で茶(3.4ヘクタール)と水稲(2.7ヘクタール)を栽培する中尾義永さん(56)は、「代々引き継いできた農地を絶やさず守ってきた。お客さんを満足させるために、いろいろなことに挑戦してきた」と振り返る。別経営でホウレンソウ栽培(10アール)に取り組む息子の友哉さん(22)に対して、義永さんは「すべての作業を一人でこなしている。頼りにしている」と笑顔で話す。

〈写真:笑顔を見せる義永さん(右)と友哉さん〉

株間除草に高い効果 除草機にナイロンブラシ装着【島根県 5月3週号】

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 【島根支局】島根県農業技術センターでは、水稲の有機栽培で問題となる雑草対策に、除草機に脱着可能なナイロン製の回転ブラシを用いた効果的な栽培技術を開発した。この技術は、田植機の機体後部に取り付ける「高精度水田用除草機」の回転部にナイロンブラシを装着し、株間に生えた発芽直後の雑草をかき取ることで、従来の除草機では十分にできなかった株間の除草を可能としている。

〈写真:高精度水田用除草機に装着した回転ブラシ〉

酪農ヘルパーが専門店 チーズの魅力発信【徳島県 5月3週号】

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 【徳島支局】酪農ヘルパーを務めながら、チーズ専門店を営む鳴門市撫養町の清水亜希子さん(45)。チーズに関わる仕事に就きたいと思い、チーズ作りの修業に北海道で4年間学んだという。「牛が食べる餌で生乳の色や味・風味が変わる。同じ作り方をしても、出来上がったチーズの品質は微妙に変わるので、微調整が日々欠かせません」と清水さん。

〈写真:「しらさぎは橋の名前にちなんで名づけました」と清水さん〉

防風林「東日本大震災の記憶を次の世代へ【2019年5月3週号】」

 ▼その光景は、断崖が続く海岸沿いを行き、小さな砂浜に出たところで目に飛び込んできた。岩手県田野畑村にある震災遺構「明戸海岸防潮堤」だ。ワッフルのような形状をしたコンクリートの塊が折り重なっている。
 ▼東日本大震災の際に津波で決壊した防潮堤を被災当時のまま保存する。近寄ると見上げるほどの高さがあり、海中から打ち上げられたという消波ブロックも一角にある。人の想像が及ばない、圧倒的な自然の破壊力を実感した。山側には、さらに高さと幅を増した新たな防潮堤が完成している。
 ▼国土交通省東北地方整備局と青森、岩手、宮城、福島の4県、仙台市は、協議会を設立し、「震災伝承施設」登録制度を運営する。駐車場や案内板を整備する震災遺構や慰霊碑、モニュメントなどの施設を登録し、東日本大震災の被害実態と教訓を後世に伝え、防災力強化を図る方針だ。明戸海岸防潮堤もその一つ。現在、192の施設が登録されている。
 ▼発災から8年を過ぎたいまも復興事業は続いている。地域で議論となっているのが、震災遺構を残すかどうかの判断だ。保存を求める意見がある一方、地元で生活する人々のつらい記憶と重なるため、多くの犠牲者を出した建物などは撤去を求める意見も多いという。
 ▼震災遺構の保存については、地域の結論を尊重する。ただ、東日本大震災を経験した私たちには、震災の記憶と防災意識を次世代に継承する責務があると、肝に銘じておきたい。

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