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今週のヘッドライン: 2019年06月 3週号

生産現場に先端技術を 農水省がスマート農業推進の工程表を策定(1面)【2019年6月3週号】

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 農林水産省は7日、スマート農業の推進方策などを示した「農業新技術の現場実装推進プログラム」を公表した。担い手経営の将来像として、水田作や畑作、果樹など八つの営農類型の22事例について、導入する新技術と試算値を示している。100ヘクタール規模の平場の水田作では、ロボット農機やドローン(小型無人機)の導入により、10アール当たり労働時間を約4割、米60キロ当たりの経営コストを約2割削減できるとした。農業者や企業、研究機関、行政などの共通認識として連携し、技術の開発から普及までの取り組みを加速化する。

(1面)

棚田地域振興法が成立 持続的発展へ国の責務(2面・総合)【2019年6月3週号】

 棚田地域振興法は12日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。棚田地域に対する総合的な振興施策の策定・推進などを国の責務とし、「貴重な国民的財産」である棚田の保全と、水源涵養(かんよう)などの多面的機能の維持・増進を図る支援を関係省庁横断で措置していく旨を盛り込んだ。高齢化や人口減少が急速に進む中、特に中山間の条件不利地域に位置する棚田は荒廃の危機にある。日本の原風景を守り、将来に確実につないでいくために、棚田地域が希望を持てる具体的な支援の充実・強化が求められる。

(2面・総合)

農地バンク 集積実績が鈍化(2面・総合)【2019年6月3週号】

 農林水産省は7日、2018年度に農地中間管理機構(農地バンク)を通じて新たに担い手に集積された農地は、前年度実績に比べ千ヘクタール少ない1万6千ヘクタールだったと発表した。機構を介さないものも含めた新規の集積面積全体も1万ヘクタール減の3万1千ヘクタールとなった。担い手の農地利用率は56.2%に上昇したが、伸び率は3年連続で鈍化した。政府は、23年度に担い手の農地利用率8割目標を掲げており、今国会で成立した改正農地中間管理機構法に基づき「人・農地プラン」との連携強化を図り、担い手への農地集積・集約化を加速させる方針だ。

(2面・総合)

学校・社会になじめない若者を農村の力で支援 ―― 地域共生社会実現拠点施設いくらの郷・鳥取県南部町(3面・暮らし)【2019年6月3週号】

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 古民家を改装した施設を拠点に、学校や社会になじめない若者を受け入れる鳥取県南部町下中谷の「いくらの郷(さと)」は、農業・林業体験など自然の中での共同作業を通じて、自信とやる気を引き出し、社会参加を支援している。地元の農家も協力し、利用者をサポート。利用者が農家グループの加工作業を手伝うなどの交流も生まれている。いくらの郷の坂本昭文所長(70)は「支援活動を通じて住民の気持ちをこの場所に集め、中山間地域の活性化にもつなげたい」と話す。

(3面・暮らし)

〈写真:スタッフと共に夏野菜の苗を定植する利用者(左)〉

ナシ:マルチで早期成園化 ―― 千葉県農林総合研究センター・千葉市緑区(9面・営農技術)【2019年6月3週号】

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 千葉県農林総合研究センター(千葉市緑区)は、ニホンナシの初期生育をマルチ処理で促進する新たな技術を開発した。苗木の定植後にポリエチレンフィルムで主幹部分の地表面を覆うことで、地温の上昇を促して、根の活動を活発化させる。実証試験では新梢(しんしょう)の総伸長量(新梢の本数に長さを乗じた数値)が、定植3年目で慣行比2.1倍に増加した。約300円で施工できるなど低コストで実施が可能だ。いや地現象が発生しやすい改植圃場でも生育の促進効果が見込まれている。

(9面・営農技術)

〈写真:マルチ処理をした定植3年目の「豊水」〉

良質米を生産から販売まで 山形県の若手農家が講演(9面・営農技術)【2019年6月3週号】

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 農業紙などの記者で構成する農業技術クラブは5日、勉強会を開き、山形県鶴岡市で水稲47ヘクタール、施設野菜16棟を栽培する「井上農場」の井上貴利さん(38)が講演した=写真。父が代表を務める家族経営の稲作・畑作担当部長として、水稲「つや姫」「はえぬき」「雪若丸」など8品種の高品質生産に努めている。

(9面・営農技術)

〈写真:講演した「井上農場」の井上貴利さん〉

2019年版環境白書 気候変動「適応」訴える(2面・総合)【2019年6月3週号】

 政府は7日、2019年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書(環境白書)を閣議決定した。「気候変動影響への適応」を特集し、国内外で異常気象が頻発する中、今後も温暖化の進展で豪雨や猛暑のリスクがさらに高まると予測されていると指摘。温室効果ガスの排出抑制など「緩和」対策とともに、気候変動による被害の回避・軽減を図る「適応」対策に国や自治体、事業者、国民が一丸となって取り組む重要性を強調した。

(2面・総合)

人材確保「ワーホリ」が解決【京都府 6月3週号】

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 【京都支局】農業の経営規模を拡大するうえで、人材確保は重要な問題だ。福知山市の株式会社Seasonは、この悩みをワーキングホリデー制度(以下、ワーホリ)の活用で解決し、規模拡大や地域農業の振興を目指している。

〈写真:「社長は優しいです」と日本語で話す台湾と香港の若者たち(前列)。後列は久保さん(左)と専務取締役の松村さん〉

鳥取県初の女性ハンター 狩猟と農家民泊を複合【鳥取県 6月3週号】

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 【鳥取支局】狩猟免許や鳥獣専門員の資格を取得した鳥取県内初の女性ハンターの上田知子さん(34)。鳥取市河原町でジビエ(野生鳥獣肉)料理体験ができる「ハンター民宿BA―BAR」の女将を務め、県内外からの来客に応えている。

〈写真:民宿を通して狩猟を身近なものへとつなげる上田さん〉

味良し柔らか「もろきゅうり」【宮城県 6月3週号】

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 【宮城支局】ハウスと露地の40アールで、白石市のブランドキュウリ「もろきゅうり」を栽培する同市の半田仁さん(70)。「白石もろきゅうりの魅力を伝えて、需要拡大に努めるとともに、栽培農家が減っているので生産を絶やさないよう、技術を継承していきたい」と話す。

〈写真:「白石もろきゅうりのブランドを背負って出荷するので曲がりものは許されない」と半田さん〉

多彩な落花生で地域を元気に【高知県 6月3週号】

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 【高知支局】渋皮の色が珍しい「ブラック」や「マーブル」、普通のものより数倍大きな「ジャンボ」など、落花生5品種を栽培する四万十町の島津洋平さん(38)。「差別化できるし、味も良い」とユニークな品種を栽培し、一目でわかるパッケージは島津さん自らデザインしたものだ。

〈写真:パッケージは島津さんがデザイン〉

牧柵の電気は自作の水車で【岩手県 6月3週号】

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 【岩手支局】奥州市江刺米里の千田初男さん(71)は、手作りの水車で発電した電力を電気牧柵などに活用し、経費節減に成功している。「家庭用を含め、電気代が半分くらいに抑えられることもある」と千田さん。今後は「バッテリーなどを追加し、発電量を増やしたい」と話す。

〈写真:水車は千田さんの手作り〉

防風林「あと始末を怠ってきた報い【2019年6月3週号】」

 ▼ショートショートの神様と呼ばれた星新一氏の作品に「おーい でてこーい」がある。ある村で大きな穴が見つかり、「おーい」と叫んでも、石を投げても反応がない。ゴミを捨てると底なしで、これは便利、と原子炉のかすまであらゆるゴミを捨てていると......、という展開だ。
 ▼海洋プラスチック汚染の問題を調べると、作品と現実が重なっているように感じる。プラスチックは、軽くて丈夫、安価な素材として大量に生産、消費されてきた。ただし、自然分解しにくく、ゴミになると処理が厄介だ。2019年版環境白書では、1950年以降の生産量は83億トン超で、廃棄量は63億トンとの報告があると記述する。毎年、800万トンが海洋に流出しているとの試算もあるという。
 ▼海洋に流出したプラスチックは、誤食でクジラなどの海洋生物に被害を及ぼすとともに、漂流中に微細片のマイクロプラスチックとなって汚染が広がる。近年は、北極や南極でも微細片の浮遊が観測されている。
 ▼問題解決には、新たなゴミを出さないよう、回収・再利用の仕組みを構築し、可能なものは代替品への移行を進めるほかない。使い捨て容器やレジ袋の使用中止、代替品への転換など、対応を進める企業も出てきた。しかし、世界全体で問題意識を共有し、連携して対応しなければ根本的な解決にならない。
 ▼6月下旬に大阪で開かれるG20サミットでは、海洋プラスチックの汚染問題も議題の一つだ。解決に向けた意見集約を図れるのか、議長国・日本の対応が問われる。

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