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今週のヘッドライン: 2019年07月 1週号

若手の力で農地を未来へ 酒造好適米を中心に収益確保 ―― 農事組合法人重兼農場/山崎拓人代表・広島県東広島市(1面)【2019年7月1週号】

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 「農家数の減少など農業を取り巻く状況は、今後10年間で大きく変わる。地域の農地を守るには人材育成が必要不可欠だ」と、広島県東広島市高屋町にある農事組合法人重兼農場の山崎拓人代表(30)は説明する。前代表の本山博文さん(79)から昨年6月に代表を引き継ぎ、酒造好適米栽培を中心とした経営で収益確保に努める。地域農業を担う若手の人材を育成するため、働きやすい環境を整えて積極的に雇用。近隣集落の法人と連携し、大型農機の利用などを行う共同組織を設立するなど柔軟な発想で、地域農業の新たな担い手として活躍している。

(1面)

〈写真:「5年、10年先だけでは終われない。最低でも子供が成人する20年先の未来を考えなければ」と話す山崎代表。6月には第3子が誕生した〉

成長産業化へ改革推進 政府が骨太方針2019を決定(2面・総合)【2019年7月1週号】

 政府は6月21日、「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太方針2019)を閣議決定した。経済再生最優先の方針を堅持し、農業分野では、スマート農業の実現や農地集積・集約化の推進、輸出力の強化など農業の成長産業化に向けた改革を継続・強化して、食料安全保障の確立を図るとした。人口減少社会の到来や相次ぐ巨大経済連携協定の発効、頻発する自然災害など農業・農村を取り巻く環境は厳しさを増しており、対策の強化・拡充は喫緊の課題だ。一方、生産現場では競争力強化重視の農政展開に限界感も広がる。通常国会が閉会し事実上、参議院選挙が始まった。与野党は現場の声に耳を傾け、持続可能な農業・農村の将来像を争点に積極的な論戦に臨んでもらいたい。

(2面・総合)

和牛遺伝資源流通の中間取りまとめ 記録・保管の義務化求める(2面・総合)【2019年7月1週号】

 農林水産省は6月26日、和牛遺伝資源の流通管理に関する検討会に、海外への流失防止に向けた中間取りまとめ案を示し、了承された。精液や受精卵の譲受・譲渡など流通履歴に関する記録・保管の義務化を求めたほか、生産や流通などの実態に応じた情報を定期的に国や都道府県が把握する仕組みの構築を提起した。和牛遺伝資源を知的財産的価値として保護する観点から、取引する際に、利用許諾条件を設定した契約(利用許諾契約)の締結を現場に普及・定着化させることを盛り込んだ。同省は中間取りまとめを受けて、家畜改良増殖法の改定も視野に具体的な検討に入る。

(2面・総合)

万が一への備え強く認識 NOSAI部長を輪番制で担当 役目に深い理解 ―― NOSAI道央・北海道(5面・農業保険)【2019年7月1週号】

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 北海道では、共済部長(NOSAI部長)の役目が1年交代となっている地域も多く、任期は短いものの、経験者が多くなるので組合員間の理解や協力が得られやすい環境にあるという。近年では、「平成30年7月豪雨」のほか、局地的に発生するいわゆる「ゲリラ豪雨」による風雨の被害が多発。NOSAIと農家を仲立ちし、各種書類の取りまとめなどを担う共済部長の役割は、重要性を増している。施設園芸に長年携わり、自身も被害を経験する中で3度、4度と共済部長を務めている、NOSAI道央(北海道中央農業共済組合)管内の美唄市と砂川市の2人に話を聞いた。

(5面・農業保険)

〈写真上:スターチスを栽培する佐藤さん(右)。順調な生育に、なじみのNOSAI職員との会話が弾む〉
〈写真下:「増える自然災害への備えは欠かせなくなっている」とNOSAI職員と話す野澤さん(左)〉

栃木県育成の夏秋イチゴ「なつおとめ」 高単価・ケーキ用で引き合い 国産端境期に需要堅調 ―― 野瀧遥加さん・栃木県矢板市(6面・流通)【2019年7月1週号】

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 国産が端境期となる夏秋出荷向けのイチゴ(夏秋イチゴ)は、米国などからの輸入品に比べて生食でも味が良く、周年でイチゴを利用するケーキ店からの業務用需要が高い。各地のイチゴ産地では、短日条件がなくても花芽形成でき、生食に適する「四季成り性」品種の開発が進んでいる。市場価格が高い上に、直売などでの付加価値向上を図りやすいため、若手農家が積極的に販路拡大に挑戦している。

(6面・流通)

〈写真:「果実の形がきれいで評判が良い」と野瀧さん〉

気温上昇、怖い熱中症・農作業時の身を守ろう 休息と給水は十分に(9面・営農技術)【2019年7月1週号】

 農作業中の熱中症が多くなる季節となった。2018年は約2千人が農業・漁業などの作業中に熱中症で救急搬送された。また、農作業中の熱中症で、過去10年で約200人が命を落としている。重度でも自覚症状がなく、休憩や水分補給が不十分な事例も多いという。作業前には体調や暑さなどを確認し、水分の常備や作業場所の冷却、休憩所の設置などの対策も重要となる。

(9面・営農技術)

定年後本格的に 第二の人生は農業で ―― 水稲、麦、大豆:農事組合法人つづらファーム・滋賀県彦根市(3面・暮らし)【2019年7月1週号】

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 滋賀県彦根市葛籠〈つづら〉町の農事組合法人つづらファームは、組合員の多くが定年後に本格的に農業に関わり、約43ヘクタールで水稲、麦、大豆をブロックローテーションで栽培する。女性が働く場をつくろうと、県内では珍しい黒大豆「クロダマル」を生産し、コロッケや弁当を製造・販売する6次化事業を推進。女性組合員7人が加工場を運営する。"人の輪と地域の和"をスローガンに、世代交代を視野に人材育成にも努めるなど、持続可能な営農を展開する。

(3面・暮らし)

〈写真:女性組合員の皆さん(提供:つづらファーム)〉

耕作放棄地対策に薬用シャクヤク栽培【岡山県 7月1週号】

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 【岡山支局】「なんとかしようと言っているだけではどうにもならない」と、耕作放棄地対策について話すのは、井原市野上町でバラやリンドウなどを栽培する森本潔さん(70)。井原市薬用作物栽培推進委員会の会長として、薬用シャクヤクの栽培・普及に力を注いでいる。

〈写真:「毎年5月ごろの開花時期前には花芽を摘み取る」と森本さん〉

養蚕再興へ校舎を活用【山形県 7月1週号】

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 【山形支局】養蚕業の再興に向けて、鶴岡市では廃校となった温海地域の旧福栄小学校の校舎の一部を利用し、春蚕の飼育を開始した。再興事業は、地域住民が主体となっている福栄養蚕振興会(五十嵐正直会長)に委託し、約2万5千頭を飼育。県内外で養蚕指導員として活躍するなど、高い飼育技術を持つ同市大岩川の菅原久継さん(66)が中心となって活動する。

〈写真:蚕の成長を確認する菅原さん〉

香り引き出す手作業 ごぼう茶の拡充に意欲【広島県 7月1週号】

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 【広島支局】「今年はゴボウ一本で」と話す東広島市豊栄町の川手晋治さん(32)は、2ヘクタールの圃場でゴボウを栽培する。昨年まではネギやサトイモを作っていたが、作業の効率化を図りゴボウに専念。栽培以外にも、規格外のものを使用した「ごぼう茶」の生産に力を入れ、数量の確保と消費拡大を目指す。

〈写真:「新鮮なゴボウを使ってお茶にしています。良い香り、ゴボウの栄養がそのままお茶に含まれています」と川手さん〉

野生動物は牛が苦手? カウベルトが効果発揮【富山県 7月1週号】

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 【富山支局】黒部市宇奈月内山地区では、約2ヘクタールの耕作放棄地に牛を放牧する「カウベルト事業」を実施している。カウベルトの導入後、クマが1、2回程度目撃されただけで、野生動物を農地や人家から遠ざける効果が出ているという。同地区では、立山町の畜産農家から繁殖和牛2頭を6~11月ごろに借り受け、自治振興会8人で管理。毎日交代で、野草のほか餌となるフスマや塩、飲み水の補充や、電気牧柵の電圧を確認する。

〈写真:「放牧を行っている土地は、複数の地域住民の皆さんから借り受けている。この協力が無ければカウベルト事業は行えない」と自治振興会長の竹山繁夫さん〉

有機農業のベテラン 砲丸投げで優勝【島根県 7月1週号】

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 【島根支局】「農家で育ったので子供のころから農作業は身についていました」と話す吉賀町柿木村の村上毅さん(78)。有機農法のベテラン農家として水稲14アールや野菜4アールを手掛けながら、マスターズ陸上で活躍する砲丸投げの選手としての顔を持つ。

〈写真:「80歳の区切りに自分史を計画中」と村上さん〉

防風林「地域への定住目指す若者たち【2019年7月1週号】」

 ▼地域住民と仲良くなるこつは、夕食時の訪問だという。地域おこし協力隊として離島で活動し、移住した女性の経験談だ。聞き取り調査を口実に訪ねると、誰もが「食べていくか」と誘ってくれるそうだ。
 ▼その調査で地域の全世帯を回り、自給農産物や自然の恵みをいただく豊かな生活の価値を肌で感じた。地域住民には当たり前だが、島の暮らしが人を呼び込む資源になると着目。定住で収入を得る方法として体験ツアーや地域おこし塾などを企画する法人を設立した。
 ▼活動を続ける中で、2人の移住者を呼び入れた。本人も地元の男性と結ばれ、地域では21年ぶりの子宝を授かっている。協力隊の活動は、地域を知り、定住後の仕事を考える上で貴重な時間だと強調する。
 ▼地域おこし協力隊は、都市圏から過疎地など地方への人の流れをつくろうと、総務省が推進する。地域に1~3年間定住し、地域振興の支援活動などを実践すると、自治体を通じて報酬を含む経費が交付される。隊員数は年々増加して、2018年度は5359人が1061の自治体で活動する。
 ▼任期終了者の調査では、約6割の隊員が同じ地域に定住する。定住者の5割は就業、3割が起業、1割強が就農だ。分野も観光や地域振興、飲食店やパン屋、鮮魚など多彩。ウェブデザインなど今どきの仕事もある。
 ▼地方では仕事がないからと都市部に転出する若者も多い。なければ創ればいいと元気な人たちがそこにいる。

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