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今週のヘッドライン: 2019年08月 1週号

露地・ハウスでイチジク 産地に活力、周年出荷へ ―― 藤井貫司さん(大阪府羽曳野市)(1面)【2019年8月1週号】

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 イチジクを露地とハウスで栽培する大阪府羽曳野市誉田の藤井貫司さん(38)は、今年からハウスでポット養液栽培に挑戦。産地全体の振興につなげようと、周年出荷の栽培体系確立へ力を注いでいる。ハウスでは、加温と剪定(せんてい)時期の調整で贈答用での高値販売を狙う冬場から、露地物が出回る前の7月まで収穫し、店頭に一年中並ぶ状況をつくることで消費者の認知度向上を目指す。「このやり方ならばもうかるという実績を上げ、若い人をイチジク栽培に呼び込みたい」と藤井さん。生産者を増やして羽曳野だけでなく、大阪ブランドのイチジクを盛り上げていきたい考えだ。

(1面)

〈写真:培地の状態を確認する藤井さん。養液が均等に行き渡るよう2カ所にチューブを挿している〉

中山間直払 第4期の最終評価素案 人材不足への対応課題に(2面・総合)【2019年8月1週号】

 農林水産省は7月25日、中山間地域等直接支払制度に関する第三者委員会を開き、第4期対策(2015~19年度)の最終評価(素案)を示した。約2万6千協定が約66万4千ヘクタールの農地を維持・管理し、約7万5千ヘクタールの農地の減少を防ぐなどの効果が発揮されていると強調。一方で、高齢化や人口減少が進む中、第5期対策に向けて後継者の育成や協定の広域化、スマート農業の導入などによる生産性向上の取り組み推進の必要性を指摘した。事務負担の軽減や交付金返還措置の見直し検討も提起した。中山間地域農業は食料の安定生産だけでなく、多面的機能の発揮でも大きな役割を担っている。地域が意欲的な活動を継続・発展できるよう現場に寄り添った制度改善が求められる。

(2面・総合)

豚コレラが拡大 三重県の養豚場で32例目(2面・総合)【2019年8月1週号】

 農林水産省は7月24日、三重県いなべ市の養豚場(4059頭)で豚コレラの感染が確認されたと発表した。三重県における養豚場での発生は初めてで、昨年9月以降の養豚場での発生は32例目。終息が見えず、野生イノシシの感染確認地域も広がり続ける中、生産現場では飼育豚へのワクチン使用の検討を含め対策の抜本的な強化を求める声が強まっている。

(2面・総合)

地域農業の維持が願い 損害に備えて農業保険の加入推進 ―― NOSAI鳥取(鳥取県)(5面・NOSAI部長)【2019年8月1週号】

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 「地域農家が高齢化する中、作業を受託することで農業を守ることができれば」と話すのは、NOSAI鳥取(鳥取県農業共済組合)のNOSAI部長を務める米子市淀江町の林原寛さん(72)。水稲と大豆を生産する株式会社かめはまの代表を務め、市内の農作業を受託して耕作放棄地の発生を防いでいる。湯梨浜町のNOSAI部長、寺地政明さん(63)は、近年の大規模災害が頻発している状況に備え、収入保険や建物総合共済加入を推進。地域農業の振興や農業保険への期待について2人に話を聞いた。

(5面・NOSAI部長)

〈写真上:大雨が降り、大豆の被害を心配する林原さん(右)〉
〈写真下:選果場の場長も務める寺地さん(右)〉

干し芋:乾燥機を自作し天日干しを再現 食べきりサイズで販売好転 ―― 株式会社オルタナ(山梨県韮崎市)(6面・流通)【2019年8月1週号】

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 株式会社オルタナ代表の武智仁(じん)さん(73歳、山梨県韮崎市)は、農薬や化学肥料を使わずサツマイモ「べにはるか」約4ヘクタールを生産し、36トン全量を干し芋に加工。百貨店のほか、いわゆる自然食品を取り扱う小売店などと直接取引し、食べきりサイズの個包装にしたことで、食の安全・安心に関心の高い女性を中心に良好な販売を維持している。天日干しに近い仕上がりを実現した乾燥機は、IT関係企業の経営で身に付けたコンピューターの知識を生かして自ら設計・開発した。

(6面・流通)

〈写真:7月下旬に都内で行われた商談会では約40組のバイヤーと接触。「中国(重慶)からのバイヤーにも興味を持ってもらえた」と武智さん(左)〉

サニーレタス:施肥設計見直し増収 牛ふん堆肥・もみ殻で土壌微生物増やす ―― 平松ファーム(静岡県浜松市)(9面・営農技術)【2019年8月1週号】

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 静岡県浜松市でサニーレタス約1.5ヘクタールなどを栽培する平松ファームは化成肥料などを4割減らし、牛ふん堆肥やもみ殻に切り替え、10アール当たり約500キロの増収を実現した。土壌中の微生物量(細菌数)などを数値化できる土壌肥沃(ひよく)度指標「SOFIX(ソフィックス)」の実証に参加し、施肥設計に活用している。平松輝彦さん(42)は「微生物がしっかりと働いて生産が安定した。品質も良い」と説明する。緩やかな肥効で、生育期間中の肥料切れがなくなり、追肥散布の労力負担も軽減できている。

(9面・営農技術)

〈写真:「SOFIXに取り組んで、施肥の考え方が変わった」と輝彦さん(左)。右は妻の美帆さん〉

都市農業&家族農業の楽しさ発信 ―― にごりや農園・小野義雄さん(東京都小平市)(3面・暮らし)【2019年8月1週号】

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 東京都小平市小川町で野菜約50品目(ハウス6棟含む1.3ヘクタール)を栽培するにごりや農園の小野義雄さん(62)は、立地を生かし、消費者に取れたての農産物を直売するほか、農家の委託を受けジャムなどの加工品を製造するなど、家族が一体となって都市農業を発信。GAP(農業生産工程管理)認証の取得や家族経営協定の締結を通じて、それぞれが楽しく、働きやすい環境を整備する。

(3面・暮らし)

〈写真:ジャムを手に義雄さんと妻の久枝さん〉

有機JAS認証のグアバ栽培 農福連携で人気商品開発【高知県 8月1週号】

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 【高知支局】南国市亀岩の一般社団法人エンジェルガーデン南国が運営する「南国にしがわ農園」は、就労継続支援B型事業所として2017年に認可を受けた。現在13人の利用者を受け入れ、グアバの栽培と加工品作りに取り組む。同園では有機JAS認証を取得し、加工品では美容・健康に効果があるとされるグアバ茶などが好評だ。

〈写真:茶に加工するためグアバの葉を洗浄する利用者たち〉

ネギ定植が簡単にできる穴開け器具【島根県 8月1週号】

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 【島根支局】大田市で寺の門徒会が中心に運営する「浄福寺チッタ農縁」(松下誠代表=74歳、会員20人)では、2年前から白ネギ「夏扇」を栽培し、独自に製作した定植器具で省力化を図っている。器具の製作は地元の鉄工所に協力を依頼した。鉄でできた棒状の筒をマルチの上から差し込めば、ちょうど良い深さの定植用の穴が簡単に開き、苗は開いた穴へ落とし込むだけ。白ネギは通常、定植後に土寄せするが、この方法では定植だけで済む。

〈写真:穴開け器具の重さは4.2キロ。器具の重さでちょうど良い深さの穴が開く〉

環境浄化微生物「えひめAI」 生育早く病害虫に強い野菜【愛媛県 8月1週号】

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 【愛媛支局】西条市で白ネギ23アール、ヤマノイモ25アールを栽培する近藤照一さん(75)は、愛読する農業に関する総合実用誌を参考に、2年前から自作の環境浄化微生物「えひめAI〈アイ〉」を農業に取り入れている。えひめAIは、乳酸菌、納豆菌、ドライイースト菌を培養した液体で、環境浄化微生物として愛媛県産業技術研究所が開発した。農作物に散布すると、活性剤としても効果がある。

〈写真:加工したパイプを取り付けた管理機を前に「これからもいろいろ工夫していきます」と近藤さん〉

「キラリモチ」がメインメニューの直営店【岡山県 8月1週号】

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 【岡山支局】高梁市宇治町の一般社団法人宇治雑穀研究会(会員29人)は、今年6月に「キラリモチ」をメインにした直営店「Cafe麦」を開店した。キラリモチは大麦系二条はだか麦の品種で、加熱処理後も褐変しにくいほか、もち性なので食味に優れ、水溶性食物繊維がうるち性品種の約1.5倍ある。

〈写真:ランチでにぎわうCafe麦〉

松本幸四郎さん 出来栄えに感激【岩手県 8月1週号】

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 【岩手支局】今年で12年目を迎えた奥州市水沢佐倉河の田んぼアート(田んぼアート実行委員会主催、森岡誠会長)が見ごろを迎えている。今年は歌舞伎の名門「高麗屋三代」が描かれ、作品のモチーフになった歌舞伎俳優の松本幸四郎さんが観賞に訪れた。幸四郎さんは「自分の顔が田んぼに描かれるのはもちろん、作品のデザインも手掛けたので、とても楽しみにしていた。歌舞伎の天地眼まで表現していただき感激した」と話した。

〈写真:左から森岡会長、松本幸四郎さん、小沢昌記奥州市長〉

防風林「農村景観を楽しんでもらうために【2019年8月1週号】」

 ▼自宅近くに水道導水路に沿って整備された自転車歩行者道がある。サクラやケヤキなどの並木があり、日中はサイクリングやジョギング、散歩など多くの人が行き交う。道路に面している農地も多く、季節の野菜や果実、花などが並ぶ簡易な直売所がある。
 ▼自転車で少し遠出した際、前方に赤い板が見えた。近づくと1メートル四方ほどの四角く赤い枠が立っている。さらに近寄ると「農のある風景」の撮影ポイントと説明文があった。枠を通して農地を眺めると、手前に野菜、奥に果樹、その奥に住宅やマンションが見える。典型的な都市農業の景色だ。
 ▼インターネットの会員制交流サイト(SNS)では、見栄えよく盛り付けた料理をはじめ、特徴的で珍しい景色やイベント、仮装などスマホで撮影した画像や動画の投稿が盛んだ。目を引く画像は「インスタ映え」すると評価、拡散する。道沿いの赤枠は、そうした撮影用に活用してもらおうと設置したのかもしれない。
 ▼棚田や段々畑、古民家などの農村景観は、地域に人を呼ぶ観光資源として期待されている。SNSで注目を集めれば、宣伝効果は大きい。その一方、観光客が無断で農地に入ったり、路上駐車が多く作業に支障を来すトラブルもあるようだ。
 ▼農村地域の活性化に、都市住民やインバウンド(訪日外国人旅行者)を呼び込む「農泊」が注目されている。景観を発信する際には、駐車や撮影のマナー周知も徹底したい。楽しい思い出を持ち帰ってもらうために。

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