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今週のヘッドライン: 2019年08月 3週号

農を夢ある産業に 業務用ネギ 就農10年で年商2億円超 ―― 株式会社京都知七(京都府)(1面)【2019年8月3週号】

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 国内で堅調な需要がある業務向けネギで、経営の急成長を続ける若手農家がいる。九条ネギ中心に約14ヘクタールで周年栽培する株式会社京都知七(ともひち)は、新規就農から10年にして年商2億円超を実現した。直近2年間では、栽培面積を抑えつつ、有機物施用による増収や機械導入による作業改善などで、1日当たり出荷量を約1.5倍の1トンに増加させた。社長の重義幸さん(41)は「ゼロから始めてここまでこられた。農業を、若い人が働きたいと思える夢ある産業にしたい」と話す。

(1面)

〈写真:「今後の方向性が見えてきた。売り上げはまだまだ伸ばせる」と重さん〉

食料自給率37%、過去最低に 生産基盤の再構築急げ(2面・総合)【2019年8月3週号】

 農林水産省は6日、2018年度の食料自給率を発表した。カロリー(供給熱量)ベースは、17年度比で1ポイント減の37%となり、過去最低を更新。小麦や大豆などの主産地である北海道の天候不順によって、生産が大幅に減少したことなどが影響した。また生産額ベースでは、過去2番目に低かった17年度と同じ66%となった。現行の「食料・農業・農村基本計画」では、25年までにカロリーベースで45%、生産額ベースで73%に引き上げる目標を掲げている。しかし、その差は徐々に広がり、達成の見通しは立っていない。生産基盤の強化による国産農産物の安定生産や消費拡大に向けた具体的な対策の強化が求められる。

(2面・総合)

概算要求の主要事項 輸出強化などが柱(2面・総合)【2019年8月3週号】

 農林水産省は5日、自民党農林関係合同会議に2020年度農林関係予算概算要求の主要事項を示した。「農林水産業・地域の活力創造プラン」などに基づく農政改革の着実な実行に向け、(1)輸出力強化と高付加価値化(2)「スマート農業」の実現(3)担い手への農地集積・集約化(4)水田フル活用と経営所得安定対策の着実な実施(5)食の安全・消費者の信頼確保――など7項目を柱に掲げた。概算要求は8月末に財務省に提出する。

(2面・総合)

JA自己改革で組合員調査 「改善した」が6割(2面・総合)【2019年8月3週号】

 JA全中は8日、「JAの自己改革に関する組合員調査」の中間集計結果を公表した。JAの農業関連事業(営農指導事業、農畜産物販売事業、生産資材購買事業)について、正組合員の約6割が「改善した」と回答。「もともと良い」が2割強で、「悪化した」が1割強となった。また、全組合員の約9割が「総合事業を継続すべき」と回答。政府が予定する准組合員の事業利用のあり方検討についても9割が「利用を制限しない方がよい」と答えた。

(2面・総合)

緑米で食卓に豊かな香りを ―― 中島農産・中島正太郎さん(富山市)(3面・暮らし)【2019年8月3週号】

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 富山市月岡町で「コシヒカリ」「てんたかく」など水稲約7ヘクタールや、大豆3ヘクタール、野菜5アールなどを栽培する中島農産は、8代目の中島正太郎さん(31)が就農して経営を担い、専業農家として本格的に歩み始めた。自身が学生時代に研究をしていた緑米を栽培するほか、営農指導員だった経験を生かし、農薬に頼らない作物作りを目指す。母の藤代さん(59)が「消費者に食べてもらいたい」という思いで作る野菜などは、市内の直売所に出荷。姉の優香さん(32)がデザインしたイラストを貼って個性を出し、販促につなげるなど、家族が一丸となって農業に取り組む。

(3面・暮らし)

〈写真:「立山連峰のおかげで水には恵まれている」と正太郎さん(手前)と藤代さん〉

府県で濃厚飼料のイアコーン生産 野菜の後作で普及へ(9面・営農技術)【2019年8月3週号】

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 国産の濃厚飼料として、イアコーン(外皮、芯を含むトウモロコシの雌穂)のサイレージが注目を集めている。農研機構では、圃場が限られる府県での普及を目指し、関係機関などと連携。野菜圃場で飼料用トウモロコシを栽培し、酪農家が雌穂を濃厚飼料に、野菜農家が茎葉を緑肥に利用する生産体系の構築を目指して技術開発を進めている。農研機構主催の現地検討会が7月25、26日に徳島県内で開かれ、関係機関や農家など約60人が参加。品種選定や緑肥効果、収穫用機械など研究の状況が報告された。

(9面・営農技術)

〈写真:専用の「スナッパヘッド」を装着した汎用収穫機で刈り取る〉

耕作放棄地対策にツルムラサキ 産地化目指す【奈良県 8月3週号】

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 【奈良支局】明日香村の農家と地域振興公社が連携して、ツルムラサキの作付面積の拡大や消費拡大などに取り組んでいる。「明日香村をツルムラサキの産地にしたい」と同村の窪田隆温〈くぼた・たかはる〉さん(77)と一般財団法人明日香村地域振興公社の梅谷嘉伸〈うめたに・よしのぶ〉事務局次長(52)は意気込む。

〈写真:収穫期を迎えたツルムラサキの畑で梅谷事務局次長(左)と窪田さん〉

ヤギ放牧 草刈り省力化、癒やし効果も【島根県 8月3週号】

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 【島根支局】出雲市の矢尾環境保全組合(宮本修代表・構成員50戸)では、農地や農業用水などの農村環境を保全する管理の一環として、ヤギ放牧に取り組んでいる。同組合では休耕田の草刈り作業の省力化を目的に、2017年に去勢のヤギ2頭と雌1頭を導入。ヤギを約2メートルの綱でくいにつないで雑草を食べさせると、1日で直径4メートル範囲の除草ができ、草の状況を見ながらくいを毎日移動させる。

〈写真:「ヤギを導入するまで草刈りは年3回していました」と富田さん〉

地元のラグビー強化に尽力【岩手県 8月3週号】

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 【岩手支局】紫波町佐比内の佐々木正春さん(73)は、ラグビーの指導者として活動しながら、20アールの畑でブドウ栽培に汗を流す。「子どもたちには、ラグビーを通して、心身ともに成長してほしい」と佐々木さん。地元のスポーツ少年団「紫波オックスラグビースクール」で小学生を指導するなど、地元のラグビーの強化に力を入れている。

〈写真:「子どもたちがラグビーを楽しみ、長く続けてくれるとうれしい」と佐々木さん〉

オイル販売、油かす活用 エゴマで元気な町づくり【鳥取県 8月3週号】

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 【鳥取支局】「近年の健康志向の高まりから、需要に対し供給が間に合わないのが心苦しい」と話すのは、若桜町エゴマ生産組合の三百田勝利組合長(74)。エゴマ栽培に携わり今年で6年目を迎えた。同組合は、37人の構成員がエゴマを6ヘクタール栽培している。鳥取県が実施する支援事業「がんばる地域プラン事業」で、若桜町の「清流で育つ米と健康をはぐくむエゴマで元気な町づくりプラン」が2016年度に認定され、取り組みの一環で生産組合を設立し、搾油加工施設が建設された。

〈写真:搾油の説明会には多くの人が集まった〉

「野馬土手カレー」南相馬市の新名物へ【福島県 8月3週号】

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 【福島支局】「南相馬市の新たな名物にしたい」と話すのは、「野馬土手カレー」の製造・移動販売に取り組む「豊福ファーム」の豊田雅夫代表(46)。JR原ノ町駅前などに移動販売車で出店する。南相馬市博物館で、国の重要無形民俗文化財に指定されている「相馬野馬追」の歴史に触れ、江戸時代に築かれた「野馬土手」に商品開発のヒントを得たという。野馬土手カレーは、土手に見立てたご飯にカレーをかけ、中央に丸ごとタマネギを置き、サンショウをかけて食べる。地元ホテルのシェフの監修を受けて完成させた。

〈写真:「野馬土手カレー」〉

防風林「戦前戦後の食料自給率【2019年8月3週号】」

 ▼2018年度の食料自給率が公表され、供給熱量(カロリー)ベースで37%と過去最低になった。1人1日当たりの供給熱量は2443キロカロリーだ。農林水産省は、1965年度からの食料自給率を公表しているが、太平洋戦争当時はどうかと疑問が湧き、検索すると算定値が確認できた。
 ▼戦前の39年度の自給率は86%で供給熱量は2075キロカロリー、戦後の46年度は88%で1448キロカロリーとする。ただし、46年度は摂取熱量が1903キロカロリーあり、455キロカロリーの上乗せ部分はヤミの横行と考えられると注釈する。高い自給率は、輸入もできない事情が背景にあったためで、実質的に自給とはほど遠い状況だった。
 ▼青空市で入手した戦時中の農家向け月刊誌が数冊手元にあり、"戦時下で米を海外に頼らない"と題した「玄米飯と雑穀飯の炊き方」の企画がある。戦前の米自給率は80~90%台で、不足分はアジア地域から輸入していた。筆者は陸軍主計少将で、米の節約励行が戦争遂行に役立つとして、各種のレシピを解説する。
 ▼不測の事態になっても国民を飢えさせない、食料安全保障の確立に向け、政府は、国内生産の増大を基本とし、備蓄と輸入を適切に組み合わせるとして自給率向上などの施策を展開してきた。その中心に、主食である米を位置づけてきた。しかし、供給熱量に占める米の割合は、戦前戦後の6割ほどから、18年度は2割強と3分の1に減っている。変化の中で水田主体の農地を活用し、いかに自給率を引き上げるかが農政の重要課題だ。

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