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今週のヘッドライン: 2019年08月 4週号

かんぴょう産地支える 生産・販売に卸会社2社が協力 ―― 株式会社mf(栃木県壬生町)(1面)【2019年8月4週号】

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 かんぴょう産地を守りたい──。栃木県壬生町の株式会社mf(赤羽根正久社長=43歳)は、今年4月からユウガオの栽培を始め、この夏、初収穫を迎えた。栃木県産のかんぴょうは全国の生産量の98%を占めるといわれるが、生産者、生産量とも減少が続く。同社は、こうした現状に危機感を持った壬生町のかんぴょう卸会社2社が協力して設立。近隣農家から農地を借り受け、かんぴょうの生産・販売に取り組む。契約農家が栽培したユウガオの実を受け入れるなど、分業化による労働負担の軽減を図り、産地の維持と生産量の確保を目指す。今後は従業員の独立支援にも力を入れ、仲間を増やして産地振興につなげたい考えだ。

(1面)

〈写真上:収穫したユウガオの実を手に左から山本直哉農場長、赤羽根社長、毛塚哲生副社長〉
〈写真下:ユウガオの実を削る山本農場長〉

49歳以下の新規就農者 5年ぶりに2万人割れ(2面・総合)【2019年8月4週号】

 農林水産省は9日、2018年の49歳以下の新規就農者数は前年比1470人(7.1%)減の1万9290人だったと発表した。激化する他産業との人材獲得競争などを背景に3年連続で前年を下回り、5年ぶりに2万人を割り込んだ。就農形態別では「新規自営農業就農者(親元就農者)」が07年以降の最少を更新。「新規雇用就農者」と「新規参入者」はともに減少した。農家の高齢化が進展し担い手不足が深刻化する中、地域農業の持続性を確保し、国内生産基盤の維持・強化を図るには、次世代を担う人材の育成・確保が欠かせない。就農を志す若者の背中を押し、地域での活躍をサポートする施策の拡充・強化が求められる。

(2面・総合)

農産物輸出が鈍化 上半期2.9%増も1兆円の達成に黄信号(2面・総合)【2019年8月4週号】

 農林水産省は9日、2019年上半期(1~6月)の農林水産物・食品の輸出額は、前年同期比2.9%増の4486億円となったと発表した。上半期では7年連続で過去最高を更新した。ただ、伸び率は鈍化し、政府目標(19年に1兆円)の達成には、下半期で前年同期を17%以上上回る必要がある。同省はさらなる輸出拡大に向け、対策を強化する方針だ。

(2面・総合)

乳牛、肉牛の代謝プロファイルテスト 生産性向上を後押し ―― NOSAI岡山(岡山県)(5面・農業保険)【2019年8月4週号】

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 「代謝プロファイルテスト(牛の健康診断)の結果から、飼料をアドバイスしてもらい、乳量や乳質が良くなった」と話すのは、岡山市北区横尾で乳牛31頭を飼養する亀山昭博さん(38)。NOSAI岡山(岡山県農業共済組合)は、代謝プロファイルテストを実施し、結果に基づいた飼養管理アドバイスをすることで、病気の減少など健康状態の向上に役立っている。乳量や乳質のほか、繁殖成績の改善は生産性の向上にもつながり、畜産振興に貢献している。

(5面・農業保険)

〈写真:NOSAI獣医師に相談する亀山さん(右)。母の静子さん(67)(左)と2人で作業する〉

特集:棚田地域の持続的発展へ 新展開(10面・特集)【2019年8月4週号】

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 今年は議員立法による棚田地域振興法が通常国会で成立したほか、国は「棚田カード」を作製し、魅力や保全活動の認知度の向上に着手。中山間地域の中で多面的機能を発揮する棚田を国民共有の財産として維持しようと動きが加速している。中山間地域では、平地に比べてまとまった農地の確保が難しいことなどから、平地では経営規模1ヘクタール未満の経営体が約4割なのに対し、約6割となっている。また、農業者の高齢化や担い手不足、鳥獣被害なども相まって、平地よりも荒廃農地が発生しやすい、棚田地域の現状と今後の振興方策を取材した。

(10面・特集)

〈写真:大田寛治さん(左)が育てるコシヒカリの生育を見る和田一正さん(右)。まずまずの状態に笑みがこぼれる〉

夏秋トマトなどハウスの遮光資材を自動開閉 裂果防ぎ収量向上 ―― 広島県立総合技術研究所農業技術センター(11面・営農技術)【2019年8月4週号】

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 夏季の施設栽培では、高温や強日射などによる生育不良や収量・品質の低下が問題となっている。広島県立総合技術研究所・農業技術センターでは、日射量などに応じて遮光資材を自動で開閉するシステムを開発し、夏秋トマト栽培を中心に県内外で普及が進んでいる。作物の生育に最適な光環境にすることで、徒長や裂果などを抑制し、可販果収量が増えるなどの効果がある。市販の自動カーテンでも利用でき、既存の設備を活用すれば低コストで導入が可能だ。

(11面・営農技術)

〈写真:自動開閉システムを稼働させる岡本健さん。「急激な天候変化が頻発する中、先行投資的な意味合いもある」〉

かむ力を鍛えていきいき健康アップ ―― 一般財団法人日本口腔保健協会保健事業部・小山圭子さんに聞く(3面・暮らし)【2019年8月4週号】

 高齢になると、食べ物をかむ機能や飲み込む機能などの口腔(こうくう)機能が衰え、窒息事故や誤嚥性(ごえんせい)肺炎の原因となってしまう。口腔機能の低下に早期に気付き、歯止めをかけることが重要だ。口の健康の大切さや健康維持の方法について、一般財団法人日本口腔保健協会保健事業部の小山圭子さんに話を聞いた。

(3面・暮らし)

地域をまとめ輸入野菜に対抗【香川県 8月4週号】

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 【香川支局】「栽培方法や売り方を変え、利益を上げる経営を目指しています」と話すのは、野菜の多品目経営をする株式会社横田農園(丸亀市垂水町、経営面積17ヘクタール)代表取締役の横田幸司さん(44)。近年の野菜価格暴落を受け、地域の若手農家らを中心に市場や地域の農家に提案する農業を開始した。同社の目標は、13人(うち7人は外国人スタッフ)で1億円の売り上げを達成することだ。

〈写真:オクラ畑を背に横田さん(左)と横田農園のスタッフ〉

集落一丸で水稲の獣害解消【京都府 8月4週号】

 【京都支局】京丹波町中台集落は、電気柵の設置と檻での捕獲を組み合わせ、管理と点検の協力体制を確立し、獣害対策で成果を上げている。中台農家合(34戸)の獣害対策部が中心となり、2010年から行政や猟友会と共同で檻を設置。13年からは檻を2基ずつ増やし、現在は町が管理する大型檻7基と個人が管理する小型檻4基を設置している。獣害対策部長の山﨑建男さん(67)は「檻を設置しても管理を怠れば獣は捕まらない」と、人員を確保して日々の負担を軽減することや部員の意識付けに時間をかけた。

ヒマワリ100万本、緑肥に活用 景観も米も評判【福井県 8月4週号】

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 【福井支局】「ひと夏で8万人がヒマワリを見に訪れます。地域一体となった取り組みが好循環を生んでいます」と話すのは、小浜市加茂の株式会社「若狭の恵」代表取締役・前野恭慶さん(58)。ヒマワリを緑肥とした「ひまわり米」と「花の里宮川」を、同市宮川地区のブランドとして育てている。

〈写真:圃場の状況を説明する前野さん。5メートルメッシュで確認できる〉

高糖度のライチ栽培【宮崎県 8月4週号】

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 【宮崎支局】「台湾旅行で生のライチを初めて食べた際に衝撃が走った」と話すのは、農業法人BONNOU(ボンノウ)の代表取締役・重信光彦さん(63)。都城市梅北町でライチ20アールを作付け、オリジナルブランド「太陽の真珠」として販売している。重信さんは、5年前から清武町のハウスでライチの栽培を始めたが、3年後、地元の都城市に10アールのハウスを建て、現在では数種類を育てている。ライチの糖度は通常15度ほどだが、重信さんが手掛けるものは18.5度以上あるという。

〈写真:「太陽の真珠」はインターネットや地元の道の駅で販売するほか東京や横浜などにも出荷〉

サツマイモの直売所+カフェ 規格外はかき氷に【埼玉県 8月4週号】

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 【埼玉支局】「お芋のなめらかなクリームと、苦味の効いたエスプレッソを掛け合わせた夏の人気商品となっています」と話すのは、三芳町上富の「OIMOcafe」オーナー・武田浩太郎さん(39)。多くのサツマイモ農家が軒を連ねる地域で、サツマイモを使ったかき氷「OIMOプレッソ」(税込み850円)を提供している。

〈写真:「OIMOプレッソ」(左)と「トマトとバジル」〉

防風林「エスディージーズとは?【2019年8月4週号】」

 ▼最近目にする機会が多い言葉「SDGs(エスディージーズ)」は、「持続可能な開発目標」と訳される。2015年の国連サミットで全会一致で採択された。貧困や飢餓の撲滅など17の国際目標を30年までに達成し、"誰一人取り残さない"持続可能な社会の実現を目指すものだ。より具体的な169のターゲット、232の指標も決められている。
 ▼日本政府も16年に全閣僚で構成する推進本部(本部長・安倍首相)を設置し、体制を整えている。国内で推進するための実施指針を策定し、有識者や関係団体などを集めた円卓会議も設置した。「自分とは無関係」「難しそう」と感じるかもしれないが、農林水産や食の分野でも農山漁村の活性化、持続可能な農林水産業の推進、食品廃棄物の削減など関わる事項は多い。
 ▼飢餓や貧困の撲滅に役立つなら、積極的にかかわることも考えてみたい。「風が吹けば~」ではないが、うまく展開すれば、作物の増産は飢餓撲滅への一歩であり、堆肥など有機物活用は資源循環や環境保全に貢献できる。ただ、SDGsは、取り組みが社会的、経済的に成り立つ点も重視する。長く持続させるのはそれほど簡単ではない。
 ▼8月末から次年度予算の編成が本格化する。各省庁が打ち出すSDGs関連の施策などに注目したい。SDGsを広げ、根付かせるには、初動を後押しする施策は欠かせない。

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