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今週のヘッドライン: 2019年09月 1週号

小松イ草を守りぬく 唯一の生産者 ―― 宮本農産(石川県小松市)(1面)【2019年9月1週号】

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 イグサ栽培の国内北限地である石川県小松市で、550年ほどの歴史を持つ「小松イ草」を1軒の農家が守り続けている。同市白江町で水稲19ヘクタールを軸に経営する宮本農産(宮本隆史代表、60歳)では後継者の健一さん(31)が、イグサ「ひのはるか」を60アールで栽培する。主産地の九州地方とは異なり、冬場に雪の下で育つ地理条件が特徴の一つで、畳表の製造までを行う。地域の商工業者と立ち上げた「小松イ草拡大プロジェクト」では、特に若い世代に向けてイグサの魅力を発信。「小松の伝統を守ることが宮本家の使命」との思いを胸に、年間2千畳分のイグサと向き合う。

(1面)

〈写真:母の浩子さんは「家族で協力してこれからも頑張ろう」と健一さんにエールを送る〉

九州北部で記録的大雨 農業にも大きな被害(1面)【2019年9月1週号】

 日本付近に停滞する前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだため、8月27日以降、九州北部を中心に記録的な豪雨が発生した。特に28日未明から朝にかけて数十年に一度の大雨に見舞われた佐賀県、福岡県、長崎県では大雨特別警報が発表され、人的被害をはじめ、佐賀県武雄市や大町町を中心に多数の建物が浸水・冠水するなど大きな被害が確認されている。

(1面)

日米交渉「意見一致」 9月下旬に署名か(1面)【2019年9月1週号】

 安倍晋三首相は8月25日、訪問先のフランスでトランプ米大統領と会談し、日米貿易交渉について農・工業品の主要事項で意見が一致し、9月下旬の首脳会談での署名に向け作業を加速させることで合意した。日本政府は、昨年9月の日米共同声明に基づき「農産品は過去の経済連携協定の範囲内」で合意したとするが、詳細は明らかにしておらず、生産現場では不安が広がる。政府には交渉内容の丁寧・詳細な説明が求められる。

(1面)

20年度予算概算要求 農林水産は2兆7307億円(2面・総合)【2019年9月1週号】

 農林水産省は8月30日、2020年度予算概算要求を財務省に提出した。総額は19年度当初予算比18.2%増の2兆7307億円で、農業分野は輸出力強化やスマート農業の実現など成長産業化を後押しする分野に重点配分した。水田における飼料用米など戦略作物への転換を促す「水田活用の直接支払交付金」は、19年度当初予算と同額の3215億円を計上。農業農村整備事業関係予算は22.0%増の5388億円に拡充した。また、19年1月からスタートした「収入保険制度の実施」は、事業運営に必要な額として149億円を盛り込んだ。豚コレラ対策を含む「消費・安全対策交付金」は、30億円増の50億円に大幅拡充する。

(2面・総合)

被災経験基に備えを呼びかけ ―― NOSAI岩手(岩手県)(5面・NOSAI部長)【2019年9月1週号】

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 NOSAI岩手(岩手県農業共済組合)では、大震災や冷害、台風などを経験したNOSAI部長が、備えの重要性を訴え、加入を呼びかけている。東日本大震災で被災した農地を新たに受託するほか、小学生に農業を教えるなど、地域農業の発展に奮闘する2人のNOSAI部長を訪ねた。

(5面・NOSAI部長)

〈写真上:NOSAI職員と話す伊藤壽雄(としお)さん(左)は、収入保険への加入も検討する〉
〈写真下:木村良一さん(前列左)は、娘の美由紀さんとともにこの圃場で小学生に米作りを教える〉

イチジク:簡易雨よけ施設を導入 低コストで高収益 ―― 浅野正明さん(滋賀県甲賀市)(9面・営農技術)【2019年9月1週号】

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 滋賀県甲賀市のJAこうかいちじく生産部会で部会長を務める浅野正明さん(68)は、栽培するイチジク30アールの約半分に、県開発の低コスト簡易雨よけ施設を導入し、増収と品質向上につなげている。パイプハウスに比べて資材費は4割ほどに抑えられる。既存の露地栽培の圃場にそのまま設置でき、農家による自主施工も可能だ。共同作業などで施工し、部会に所属する22戸のうち7戸で導入されている。

(9面・営農技術)

〈写真:「保温効果で、収穫が11月まで延長できた」と浅野さん〉

水稲作況 早場は「やや良」10道県(2面・総合)【2019年9月1週号】

 農林水産省は8月30日、2019年産水稲の作柄概況(8月15日現在)を発表した。早場地帯(19道県)では、北海道や東北など10道県が作況指数102~105相当の「やや良」で、茨城や栃木など7県は99~101相当の「平年並み」となった。千葉と三重は95~98相当の「やや不良」。東日本を中心に田植え期以降はおおむね好天で推移し、7月上中旬は低温・日照不足傾向となったが、全もみ数は平年以上に確保され、登熟も順調な推移が見込まれるため。ただ、今後の天候次第で作柄は変動する可能性もある。

(2面・総合)

中山間地に生きる 絆づくりと農業振興に尽力 ―― 三浦寿紀さん(島根県浜田市)(3面・暮らし)【2019年9月1週号】

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 「弥栄は人口1300人ほどの小さな町だが、昔ながらの住民の交流が減っている。恒例行事の運動会のテーマを防災にして、共同作業をすることで人のつながりをつくっている」と話す、島根県浜田市弥栄町の三浦寿紀〈ひさのり〉さん(62)は、約40品目の果樹と野菜を約1.6ヘクタールで栽培する傍ら、地区のまちづくり委員会の代表として活動している。営農では、農薬や化学肥料を使わない栽培を就農以来約30年継続。収益性向上のため、野菜や果実はペーストに加工して地元の酪農家と組んでジェラート作りに生かすほか、エゴマやイタリア野菜など仲間と共に新規作物にも取り組む。

(3面・暮らし)

〈写真:「小豆は土寄せすると新しい根が出て倒伏予防になる」と説明する三浦さん〉

旬を広げて需要喚起 新たな季節感を訴える注目青果(6面・流通)【2019年9月1週号】

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 9月に入って市場にも秋に旬を迎える青果物が登場し始めている。消費者の志向が多様化する中で、秋向きのエダマメや早生の夏リンゴ、夏の消費拡大を目指すヤマトイモなど新しい需要を開拓する動きがある。東京・大田市場で見つけた商材から産地の考え方や販売戦略を探った。

(6面・流通)

〈写真:主産地3県のヤマトイモを手にする東京青果株式会社の狩野純一さん。「昔ながらのヤマトイモを再評価してほしい」〉

相談体制を整備 農家の目線で新規就農支援【高知県 9月1週号】

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 【高知支局】「農業を通して四万十町の人口を増やしたい。農業を次世代につなぎたいという思いで活動しています」と話すのは、「NPO法人かまん」の副理事長を務める大石穣〈おおいし・ゆたか〉さん(72)。同法人は、四万十町の地域保全を目指し、農業を愛する医師、議員、農家らで2005年に結成され、新規就農者への支援事業を中心に活動している。

〈写真:箱詰め作業に集まったNPO法人かまんのメンバー。前列左端が大石副理事長〉

いもち病に強く倒れにくい 良食味・多収「ゆみあずさ」【秋田県 9月1週号】

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 【秋田支局】大仙市高梨の於園共同農場(佐藤秋弘会長、66歳)では今年、水稲「ゆみあずさ」の試験栽培をJA全農あきたから請け負い、3ヘクタールで手掛けている。ゆみあずさは、いもち病抵抗性が"かなり強"、耐倒伏性が"強"の特性を持つ品種。「あきたこまち」や「ひとめぼれ」と同等の良食味米で、それらより約1割多収なことから業務用米に適している。

〈写真:ゆみあずさの圃場で「より効率的な栽培方法を模索したい」と茂木さん〉

ユリの香りがする一筆箋 魚沼市で販売【新潟県 9月1週号】

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 【新潟支局】ユリ切り花の栽培面積日本一を誇る魚沼市で、ユリの香りがする一筆箋が販売されている。2016年5月に「魚沼ゆりプランプロジェクトチーム」を結成し、2年かけて完成した。一枚一枚に描かれたユリの花のイラスト部分を軽くこすると、ほのかにユリの香りがするオリジナルの一筆箋だ。ユリの香りは、魚沼産のカサブランカの香り成分を基に、特別に調合した専用の香料を使う。

〈写真:「カサブランカのいい香りがする一筆箋です」と野村さん〉

「つわの栗」産地再生へ一致団結【島根県 9月1週号】

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 【島根支局】津和野町のクリ農家で構成する津和野栗生産部会(石川敏明部会長、会員29人)は、クリ産地の再生を目指し町やJAなどと連携した取り組みを進めている。農・商・観光が連携し、「つわの栗」の名称でブランド化を進め、クリを使った商品開発に力を入れている。同町産のクリは、料理や和菓子向けとして京都市場を中心に出荷してきたが、近年は生産者の高齢化などで生産量が減少し、産地の維持が危ぶまれていた。

〈写真:「地元でクリが活用できるように働きかけています」と石川部会長〉

大輪ガーベラ 営業重ね販路拡大【福岡県 9月1週号】

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 【福岡支局】付加価値のあるガーベラで差別化を図っているのは、大刀洗町の仲田国治さん(69)。ハウス38アールで大輪の品種を栽培している。「JAの担当職員と一緒に、市場や仲買業者への営業に回り、もらった意見をもとに、現在栽培している大輪のガーベラにたどり着きました」と仲田さん。大輪は結婚式などで利用されるようになり、販路が拡大した。

〈写真:「これからも高品質なガーベラ作りに励みたい」と仲田さん〉

防風林「ふるさと納税の活用を【2019年9月1週号】」

 ▼納税者が市町村などの自治体を選び、寄付を通じて応援するふるさと納税の2018年度実績を、先ごろ総務省が公表した。受け入れ額は約5127億円(前年度比1.4倍)、受け入れ件数は約2322万件(同1.34倍)となった。返礼品の競争過熱もあり15年度から急速に伸びてきた。
 ▼過度な競争の回避のため、本年6月以降は、返礼品を地場産品に限定し、調達額は寄付額の3割以下とするよう見直された。ただ、少ない自己負担額と簡単な手続きで全国各地の特産品などを入手できるメリットから、利用者は今後も増える見込みという。インターネット上には、ふるさと納税の利用促進サイトが複数あり、独自の特典を上乗せするなどPR合戦を展開する。
 ▼これまでは、利用者の過半が返礼品目当てと聞き、故郷や縁のある自治体を応援するとの趣旨にそぐわない印象を持っていた。だが、地場の農林漁業産品生産者の収入源となり、財源不足に悩む自治体などの事業に生かされることは確かだ。
 ▼自治体の9割超では、寄付の使途が選択できる仕組みがあり、7割が受け入れ実績と活用状況(事業内容)を公表している。最近は、目標金額と事業内容を示し、一定期間内に寄付を募るクラウドファンディング型の取り組みもあるという。
 ▼さらには、地震や豪雨などの災害発生時に、返礼品を前提としない被災地支援も行われている。指摘される課題も多いが、工夫次第で活用の幅は広がりそうだ。

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