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今週のヘッドライン: 2019年10月 1週号

ミカンの皮を飼料として与えた「みっかび牛」ブランド化へ ―― 株式会社和田牧場(静岡県浜松市)(1面)【2019年10月1週号】

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 温州ミカンの一大産地として知られる浜松市北区三ヶ日町で、交雑種350頭を肥育する株式会社和田牧場(和田勝美代表、50歳)では、ミカンの皮を飼料として与えた牛を「みっかび牛」の商標で生産・出荷する。肥育中・後期のビタミン補給のほか、食欲増進の効果もあり、健康的に育てるのが特徴だ。和田代表は黒毛和種の肥育農家を含む4戸で構成する「JAみっかび牛志会」の会長を務め、2月に地域団体商標を取得した。「三ヶ日町にしかできない強みを生かし、温州ミカンに続くブランドにして畜産振興を図りたい」と話す。

(1面)

〈写真:ミカンの皮を乾燥させた飼料を与える和田代表〉

日米貿易交渉「最終合意」 大幅譲歩で決着(1面)【2019年10月1週号】

 安倍晋三首相は9月25日(日本時間26日)、米・ニューヨークでトランプ米大統領と会談し、日米貿易協定の最終合意を確認した旨を盛り込んだ共同声明に署名した。焦点の農産物の関税の扱いについては、米は関税撤廃・削減からの「除外」を確保したものの、牛・豚肉などは軒並み環太平洋連携協定(TPP)水準までの大幅な市場開放を容認。一方で、TPPでは撤廃となっていた日本車の関税は継続協議で妥協するなど、日本側の譲歩ばかりが目立つ「不公平な協定」との印象が拭えない。10月4日からは臨時国会が招集される。米国産農産物との競争激化が想定される中、生産現場では影響の不安も広がっており、合意内容の詳細な説明と十分な検証の徹底が求められる。

(1面)

韓国でアフリカ豚コレラ拡大 水際対策の強化を(2面・総合)【2019年10月1週号】

 韓国国内でアフリカ豚コレラの感染が広がっている。韓国政府によると9月17日に同国内で初の感染を確認して以降、26日までに計6例に拡大。韓国政府は発生農場の豚の全頭殺処分などを進めているが、アフリカ豚コレラは伝播力が非常に強いことから、感染は一気に拡大する恐れも指摘されている。日本への侵入を許せば、国内の養豚業に深刻な打撃を与えることから、水際対策のさらなる強化・徹底が求められる。

(2面・総合)

自然災害への備え呼び掛け ―― NOSAIとちぎ(栃木県)(5面・NOSAI部長)【2019年10月1週号】

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 「以前と比べると最近は局地的豪雨がよく発生し、被害を受ける可能性が増していると感じる」と話すのは、NOSAIとちぎ(栃木県農業共済組合)の共済部長(NOSAI部長)と損害評価員を務める那須塩原市東関根の久留生〈くりゅう〉孝直さん(70)。組合員に自然災害の恐ろしさを伝え、地域の災害に対する意識を高めている。那須烏山市小木須の小森義男さん(83)は、台風被害で収穫量が大幅に減少した経験を心に刻み、県内では珍しい温州ミカンの栽培を地域の農家とコミュニケーションを取りながら営んでいる。農業保険への期待について2人に聞いた。

(5面・NOSAI部長)

〈写真上:久留生さんは息子が後を継いでくれる予定だという〉
〈写真下:那須南支所の小口洋一支所長とミカンの生育を確認する小森さん(左)〉

オリジナルの総菜や郷土料理を商品化 ―― 橋本清子さん(福井県永平寺町)(6面・流通)【2019年10月1週号】

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 「お客さんの反応をじかに聞きたい。売れたとしてもおいしく召し上がってもらえたかは分からない。知人ではないので素直な感想を言ってもらえる」と話すのは、福井県永平寺町山王の橋本清子〈きよこ〉さん(69)。「永平寺の里 野彩工房」を営み、栽培したダイコンやナスなどと地域の農家の野菜を使って「大根のりんご酢漬け」「いろどり味噌〈みそ〉」など自身が考えた料理や、「なすのこうじ地辛子漬け」などの郷土料理20種類ほどに加工、販売し地域の味を守っている。県内のイベントや店舗などで対面販売をし、顧客の感想を参考にして味を改善するほか、みその容器をパウチ状にするなど工夫して利用しやすくすることで、販売を伸ばしている。

(6面・流通)

〈写真:化学肥料を極力使わず栽培している橋本さん〉

施設キュウリに環境制御システム導入 樹勢管理徹底し増収 ―― 黒澤忠弘さん(埼玉県秩父市)(9面・営農技術)【2019年10月1週号】

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 埼玉県秩父市などで養液土耕の施設キュウリ55アールを経営の柱とする黒澤忠弘さん(52)は、季節ごとの整枝や施肥など樹勢管理を徹底するとともに、一部圃場で環境制御システムを導入して増収につなげる。10アール当たり収量は全体で30トン、環境制御システムを導入したハウスは35~40トンを実現。養液供給や換気などの作業を自動化しつつ、葉の生育や気象を確認して灌水(かんすい)量などの設定値を調整する。整枝を工夫し、夏の抑制栽培では側枝での更新を繰り返して長期どりを実現する。

(9面・営農技術)

〈写真:「キュウリは樹勢のコントロールが一番大事」と黒澤さん〉

子供たちに食の学びを ―― 元気やさい雅・谷口雅樹さん(長崎県西海市)(3面・暮らし)【2019年10月1週号】

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 ダイコンなどの根菜類をはじめ、年間40~50品目の野菜を27アールで栽培している、長崎県西海市大島町の「元気やさい雅〈みやび〉」の谷口雅樹さん(24)。「食は体をつくる、人にとって一番大切なものだということを伝えたい」と、営農の傍ら、近隣の小学生らが対象の食育活動に力を入れている。安全・安心・健康につながる野菜作りを志し、EM(有用微生物群)菌と生ごみからボカシ肥料を製造。農薬や化肥を使わない栽培に取り組んでいる。

(3面・暮らし)

〈写真:右から環境美化を考える会の北村瑞枝さん、谷口さん、山下静子さん、田口昭子さん。左端は大島「SOY-ne」の森山元子さん〉

温湿度管理を徹底 品質追求の菌床シイタケ【島根県 10月1週号】

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 【島根支局】「良いシイタケをコンスタントに栽培するにはどうしたらよいか、常に考えて作業しています」と話すのは、出雲市宇那手町でシイタケの菌床栽培に取り組む本田尚志さん(42)。収穫時期を考えた作業計画と栽培管理の徹底で、就農1年目ながら品評会で高い評価を得るなど、生産部会をけん引する若手農業者として期待されている。

〈写真:「ハウスが重層構造なので、年中快適な環境で作業ができます」と本田さん〉

ウェブコミック「みのりの大地」 特産スイカのPRに一役【鳥取県 10月1週号】

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 【鳥取支局】「漫画をきっかけに、倉吉の農産物や農業、農山村の生活を知ってもらえる良いきっかけになっている」と話すのは、ウェブコミック「みのりの大地」の市の窓口を担当する倉吉市企画産業部商工観光課の垣原将志主事。みのりの大地は、倉吉市を舞台にしたウェブコミックで、本田技研工業株式会社のウェブサイト「パワープロダクツ・ブランドサイト」で4月から配信され、毎月更新されている。

〈写真:イベント会場でもパネルなどでPRに一役買っている〉

ウサギ専門ショップと契約 ビジネスになるニンジンの葉【高知県 10月1週号】

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 【高知支局】収入の約8割がニンジンの葉などで占めるという高知市春野町秋山の小島学さん(42)。現在は販路を拡大し、首都圏のウサギ専門ショップと栽培契約を結ぶほか、ネット販売も行っている。小島さんは就農して8年、ニンジンを70アール、ブロッコリーを5アール栽培する。就農当初はニンジンの販売を考えていたが、2年ほどたったころ、「ウサギがニンジンの葉を特に好んで食べる」と知人から聞き、調査を重ねてビジネスになると判断した。また、ウサギのビタミン補給に良いという理由からタンポポの葉に注目し、収量の確保に試行錯誤を重ねている。

〈写真:タンポポを前に小島さん〉

パプリカの着色促進 高校生が成果発表【石川県 10月1週号】

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 【石川支局】「農家の負担軽減につながればと思い、研究しています」と話す県立翠星高等学校・総合グリーン科学科3年生の村上亜瑚さん。2年生時から4人チームで、パプリカの着色を早める研究に取り組み、本年度の日本学校農業クラブ石川県大会で最優秀賞を受賞し、北信越ブロック大会で発表した。研究題材を選んだきっかけは、パプリカは着果してから完全に着色するまで1カ月ほどかかるため、この時間を短縮できれば、農家の負担軽減につながると考えたからだ。

〈写真:インキュベーターの使い方を説明する村上さん〉

赤キウイを特産に 耕作放棄地活用、さらに増産へ【広島県 10月1週号】

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 【広島支局】「まずは赤キウイの生産販売を軌道に乗せ、町の特産化を目指したい」と話すのは、神石高原町の水井農園代表・井上光基さん(63)。
 井上さんは10年ほど前、赤いキウイフルーツを食べて、そのおいしさに魅了された。すぐさま栽培を決意し、会社勤めの合間に愛媛県のキウイフルーツ農家へ通い、栽培技術を学んだ。6年前に妻の実家がある神石高原町に移住し、近隣の耕作放棄地を活用して増産を図り、現在の栽培面積は約1ヘクタールとなった。今年は春の遅霜が影響したが、昨年の2倍、約8千個の収穫を見込む。収穫は10月からで、下旬には道の駅やスーパー、地域のイベントなどで販売する。

〈写真:赤キウイは果肉の中心が赤く、糖度は20度前後、酸味が少なく食べやすい〉

防風林「新蚕業を支える養蚕農家の育成を急げ【2019年10月1週号】」

 ▼シルクを利用した新たな市場創出と、需要にあった生産体制の構築を目指すとし、農林水産省は「新蚕業プロジェクト方針」を策定した。繊維と繊維以外の用途で、新たなシルク利用の方向性を示し、産業化に向けて政府や関係機関などが実施すべき内容をまとめた。取り組みを推進するため、関係者による協議会の立ち上げも提起した。
 ▼繊維用途では、遺伝子組み換え技術により、緑色や青色などの蛍光糸や、強くて切れにくいクモ糸シルクを作るカイコが開発されている。繊維以外の用途では、シルクタンパクが持つ紫外線吸収や保湿、抗酸化などの機能性を生かし、化粧品や食品、医療用品への活用が期待されているという。
 ▼その一方、良質繭の安定生産が新産業創出に向けた課題に挙げられている。養蚕業の衰退に伴い、経験豊富な生産者が減っているほか、桑収穫機などの機械や養蚕設備は古いものしかなく、生産性は低い。当然、新たな機械などの開発や改良を行う企業もないためだ。
 ▼農林水産省の統計では、2018年の養蚕農家数は全国で293戸、繭の生産量は110トンだ。輸出産業として日本経済を支えた1930年には、220万戸で約40万トンを生産していた。
 ▼養蚕は、土地の気候に合わせた施設環境の管理などカイコの飼養技術に加え、桑園管理も重要だ。新たなシルク蚕業を支える養蚕農家の育成には、知識だけでなく、経験者が培った知恵の継承も欠かせない。さらに養蚕農家が減る前に、担い手育成を進めてもらいたい。

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