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今週のヘッドライン: 2019年12月 3週号

サフラン 百年の産地守る ―― 竹田市サフラン生産出荷組合(大分県)(1面)【2019年12月3週号】

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 スペイン料理のパエリアなどに使われるスパイスの一種、サフラン(乾燥めしべ)の国内総生産量の約8割をカバーしている大分県竹田市。屋内で開花させる栽培が約110年前に編み出されて以来、良品の産地として名をはせてきた。2018年に乾燥めしべを5.3キロ出荷した、竹田市サフラン生産出荷組合(31戸)の佐竹宗利組合長(82)は「水稲の裏作として相性が良く、作業が分散され肉体的な負担も少ない」とメリットを話す。高齢化による生産者の減少や安価な輸入品の流通に伴い、生産量は減少しているが「良品を提供し続けられるよう努めたい」と話す。

(1面)

〈写真:縄をなう工場だった建物をサフラン生産に利用している組合員の吉良陽一さん(右)と佐竹宗利組合長〉

今年の農業災害の特徴と対応は ―― 農林水産省経営局 谷睦枝保険監理官に聞く(1面)【2019年12月3週号】

 今年も台風や局地的豪雨など自然災害が頻発し、農業分野にも大きな被害をもたらした。NOSAI団体では、適正な損害評価と早期の共済金支払いに尽力し、農家の経営安定に努めている。農業保険制度を所管する農林水産省経営局の谷睦枝保険監理官に今年の災害の特徴を聞いた。

(1面)

2019年度補正予算案5849億円に 畜酪、多様な担い手、棚田を支援(2面・総合)【2019年12月3週号】

 政府は13日、2019年度補正予算案を閣議決定した。農林水産関係の総額は5849億円で、日米貿易協定の発効を見据えた「総合的なTPP(環太平洋連携協定)等関連政策大綱」に基づく施策の実施に3250億円を確保した。特に和牛・乳用牛の増頭・増産対策など畜産・酪農生産基盤を強化する。就職氷河期世代やシニア世代を含む新規就農支援や棚田・中山間地域対策なども盛り込んだ。台風19号など自然災害からの復旧・復興対策に必要な財源も計上した。

(2面・総合)

基盤強化プログラム決定 和牛の倍増目標掲げる(2面・総合)【2019年12月3週号】

 政府は10日、「農林水産業・地域の活力創造本部」を開き、新たに「農業生産基盤強化プログラム」を策定した。生産基盤の強化を目的とする政策パッケージで、輸出拡大や肉用牛・酪農生産拡大プロジェクトなど11項目で構成。激甚化する自然災害への対応の強化では、収入保険の利用拡大や園芸施設共済への加入推進などを明記した。

(2面・総合)

20年度畜産物価格 集送乳調整金引き上げも加工原料乳などは据え置き(2面・総合)【2019年12月3週号】

 政府・与党は11日、2020年度畜産物政策価格と関連対策を決めた。加工原料乳生産者補給金は、19年度と同額の1キロ当たり8円31銭で決着。条件不利地域から集乳する指定団体などに交付する集送乳調整金は、輸送費の上昇などを踏まえ5銭引き上げた。結果、合計は5銭上げの10円81銭となった。
 総交付対象数量は5万トン増の345万トン(18年度実績見込み比25万トン増)で、予算規模(所要額)は374億円(18年度当初比7億円増)を見込む。
 肉用子牛生産者補給金の保証基準価格と合理化目標価格は、全畜種で19年度と同額に据え置いた。

(2面・総合)

スマホで作業記録に独自システム開発 大規模に葉物周年栽培 ―― 株式会社RUSH FARM(福岡県小郡市)(9面・営農技術)【2019年12月3週号】

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 福岡県小郡市で、施設4.7ヘクタール、露地12.3ヘクタールで葉物野菜の周年栽培を中心に経営する株式会社RUSH FARMは、企業と共同で独自の経営管理システムを開発。栽培計画の精度向上と業務管理の効率化を図っている。スマートフォンを使い、従業員が圃場で肥料や農薬の使用量、作業時間などを最短8秒で記録できる。次の作業などが画面に提示され、指示を仰がずに作業を進められる。さらなる改良に向け、農林水産省の「スマート農業実証プロジェクト」に参加。近隣の大規模農家と協力してデータを集め、人工知能(AI)による分析などで作業の最適化に生かす方針だ。

(9面・営農技術)

〈写真:「従業員が手間なく簡単に入力できることが重要」と永利侑太朗取締役(左)〉

除雪中事故を防ごう ―― 山形県尾花沢市社会福祉協議会・除雪ボランティアセンター広報部会長の二藤部久三さんに聞く(3面・暮らし)【2019年12月3週号】

 近年では今まで雪が多くなかった地域でも大雪となる場合も多く、雪下ろしでの事故などが心配だ。山形県尾花沢市の尾花沢市社会福祉協議会・除雪ボランティアセンターで広報部会長を務める二藤部(にとうべ)久三さんに、事故防止のポイントを聞いた。

(3面・暮らし)

防風林「2019年を表す漢字は【2019年12月3週号】」

 ▼今年の世相を表す漢字は「令」と発表された。新天皇即位に伴う「令和」への改元を新時代の幕開けととらえ、希望を託したと説明にある。闇営業や薬物使用など法"令"順守が問われたことや災害による警報などの発"令"の意味もあるという。
 ▼漢字は、全国からの応募1位が選ばれる。「令」の字は、応募総数約21万6千票のうち、2位の倍以上となる3万票超を獲得した。2位は「新」、3位は「和」で、新天皇即位や改元を喜ぶ国民の多さの現れと言えるだろう。個人的には、災害頻発の印象が強く、4位の「変」、5位の「災」の方がしっくりとくる。
 ▼また、米国のタイム誌が選ぶ「今年の人」には、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)が選ばれた。スペインで開かれた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の会場でも演説し、「世界の指導者や政治家が行動しないことが(地球温暖化対策の)最大の脅威」など、強い言葉で対策の停滞に抗議する。
 ▼活動を始めたのは昨年の8月から。過激な発言や行動が注目され、学生や政治家など幅広い支持を集めている。移動する際に飛行機への搭乗を拒否しているグレタさんに賛同し、スウェーデンでは鉄道の利用者が増えたそうだ。
 ▼自国第一を主張して温暖化自体を否定したり、農地を広げるために森林火災を放置する後ろ向きの指導者たちには叱責(しっせき)の「喝」を贈ろうか。


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