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今週のヘッドライン: 2020年04月 1週号

作業受託で地域支え 50ヘクタールの主食用米とWCSを収穫 ―― 株式会社百姓王(千葉県富津市)(1面)【2020年4月1週号】

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 人手不足が深刻化する中、農作業受託を収益性がある事業として展開する千葉県富津市の株式会社百姓王。若手を中心に野菜作や稲作などの専業農家29人で活動する。3市で水稲約50ヘクタールの収穫など機械作業に加え、台風で被災したハウスの再建など地元の課題に柔軟に対応。営農継続を支える。メンバーは、作業賃が副収入となるだけでなく、法人所有のトラクターなどは共同利用し、投資の抑制や農機操作の上達など各自の利点にもつなげている。

(1面)

〈写真:収穫作業に働く百姓王のメンバー。前列左がCEO(最高経営責任者)の森田泰彰さん〉

新基本計画案を答申 全ての経営底上げ(2面・総合)【2020年4月1週号】

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 農林水産省の食料・農業・農村政策審議会(会長=髙野克己東京農大学長)は3月25日、新たな「食料・農業・農村基本計画」案を江藤拓農相に答申した=写真。10年先を見通した農政の指針として、2030年度のカロリー(供給熱量)ベース食料自給率45%や農林水産物輸出額5兆円などの目標を設定。「産業政策」と「地域政策」を車の両輪に、経営規模や中山間地など条件にかかわらず、農業経営の底上げを図る方針を掲げた。農業・農村を取り巻く環境が厳しさを増す中、政府には、農業・農村に対する国民理解を醸成し、農業・農村の振興につながる施策を着実に実行していく責務がある。

(2面・総合)

〈写真:江藤拓農相(右)に答申した食料・農業・農村政策審議会会長の髙野克己東京農大学長〉

20年産主食用米の県別作付け意向 前年並みが41都道府県(2面・総合)【2020年4月1週号】

 農林水産省は3月26日、2020年産米などの都道府県別の作付け意向(第1回、2月末現在)を発表した。
 主食用米では主産地を中心に8割強の41都道府県が19年産並みの見込みとなった。減少傾向は6府県にとどまり、増加傾向はなかった。同省では、20年産主食用米の適正生産量を708万~717万トンに設定。作況指数99となった19年産の生産量(726万トン)と比べて9万~20万トン減らす必要がある。飼料用米など戦略作物への転換を進めなければ主食用米の需給が緩む恐れがあり、需要に応じた生産への取り組み強化が急務となる。

(2面・総合)

収入保険の「つなぎ融資」資金繰りをサポート 新型肺炎による収入減少も補償(3面・収入保険)【2020年4月1週号】

 収入保険に加入するメリットの一つが無利子のつなぎ融資(資金)を受けられることだ。自然災害や価格低下など、さまざまな要因による収入減少を補償している。補てん金(保険金など)の受け取りが見込まれる場合は、一定限度額までの資金を手当てできる。つなぎ融資について稲穂ちゃんがNOSAI職員のみのるさんに聞いた。

(3面・収入保険)

人をつなぐ手作り弁当 顔を合わせて話しかけ地域の見守り活動も ―― お米シスターズ(岩手県奥州市)(5面・すまいる)【2020年4月1週号】

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 お弁当で地域を見守りたい――岩手県奥州市江刺稲瀬の農家女性ら8人で構成する「お米〈こめ〉シスターズ」(佐々木祐子代表、66歳)は、地元の農産物を使用して弁当を作り、週5日、平均20軒に配食する。主に昼食用で1食550円。栄養面を考慮した献立を心掛ける。高齢や一人暮らしの利用者が多いことから、顔を合わせて近況を尋ねるなど交流を深めながら活動する。

(5面・すまいる)

〈写真:会話が弾む佐々木祐子代表(右)と利用者の戸田タメ子さん〉

初産時から乳量確保 経産牛と給餌内容統一 ―― エリックファーム(長野県富士見町)(6面・営農技術)【2020年4月1週号】

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 経産牛45頭、育成牛25頭を飼養する長野県富士見町のエリックファームでは、初産牛から経産牛と同等の給餌メニューを与えるなどの飼養管理を実践。経産牛1頭当たりの年間乳量は約1万3千キロ(305日乳量は約1万1千キロ)、乳脂率4.4%、無固形分率8.8%など高泌乳と高品質生産を実現する。日本ホルスタイン登録協会主催の2017年度年型別記録牛では、2年型305日乳脂量で807キロ、2年型365日乳脂量で949キロを達成し、2部門で日本記録を更新するなど高い評価を得る。

(6面・営農技術)

〈写真:給餌する五味英介代表。「牛の体調を大崩れさせない飼養管理を心掛けている」と話す〉

新型コロナで来園者激減 収入保険加入が支えに【茨城県 4月1週号】

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 【茨城支局】イチゴ狩りやイチゴ直売の観光農園を運営する大洗町神山町の「大洗ベリーズ」では、茨城県オリジナル品種の「いばらキッス」を中心に、さまざまなイチゴを味わうことができる。1月から5月まで営業しているが、今年は新型コロナウイルスの影響で、来園者が激減。そうした大打撃の中でも、収入保険に加入していることが救いとなっている。

〈写真:売店でイチゴを販売する大貫代表(右)と絵美さん〉


菌床キクラゲ 需要期の安定生産へ【岩手県 4月1週号】

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 【岩手支局】矢巾町煙山でキクラゲの菌床栽培に取り組む晴山千代さん(59)。冬場の収量を増やすことで、年間を通して安定した出荷を目指す。晴山さん方では、もともとシイタケを栽培していたが、2016年からキクラゲの通年栽培を始めた。母の佐々木こよさん(83)と2人で、実家のハウス1棟で栽培に取り組んでいる。「東日本大震災の影響で機器が壊れる被害や価格低下などもあり、シイタケ栽培を続けることの難しさを感じた。新しいことに挑戦したい気持ちもあり、キクラゲ栽培に切り替えた」

〈写真:「炒め物やみそ汁など、いろいろな料理で楽しんでもらいたい」と晴山さん〉


第三者継承で就農 リスクに備え収入保険加入【石川県 4月1週号】

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 【石川支局】「うまくいかないこともあるが、歯車が合うときが必ず来るので、気持ちを保つことが大切」と話すのは、内灘町湖西の小野寺優大さん(36)。第三者継承で2016年に新規就農し、コマツナ、エダマメ、ホウレンソウ(ハウス24アール)、ネギ(露地20アール)を栽培している。コマツナは、夏場は30日程度で出荷できるが、単価が安いため、あえて栽培面積を減らし、単価の高いエダマメを栽培。秋口には単価の高いネギを併用してリスクを分散している。日頃から、農機具やハウスの整備に力を入れ、リスクに備えて収入保険に加入した。

〈写真:「売り上げを伸ばすことより、農業経営のプロセスを楽しみたい」と小野寺さん〉


イノシシのくくりわなを自作 費用3分の1、捕獲数増やす【香川県 4月1週号】

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 【香川支局】イノシシのくくりわなを自作する観音寺市粟井町の豊澤芳雄さん(67)は、「費用は3分の1に抑えることができました。設置の負担が軽減されて、捕獲数は上昇しています」と話す。わな猟の免許を取得した3年前は、既製品を使って狩猟をしていた。購入すると1万円ほどの費用がかかるため、2018年から既製品をまねて作り始めた。ワイヤやバネは専用のメーカーに注文し、ネジなどは購入、そのほかの部品は自作する。捕獲数は、既製品を使用した初年度は25頭だったが、本年度は40頭に増えた。

〈写真:自作したくくりわなを手に「イノシシの習性を考え、改良を重ねています」と豊澤さん〉


防風林「新型コロナ禍収束へ最大限の対応を【2020年4月1週号】」

 ▼本来なら、入学や就職など新たな門出を祝う4月を迎えた。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大がとまらず、沈滞ムードが漂う。東京都の小池知事は、感染者急増を受け「感染爆発の重大局面」と記者会見し、不要不急の外出自粛を要請。隣接4県の知事と連名でイベント自粛や人混みへの外出回避などを求めるメッセージを出した。
 ▼政府は、安倍首相を本部長とする対策本部を設置。国民生活や経済への影響を最小限とすべく対策強化に乗り出した。政府・与党は、イベント自粛や学校給食休止などの影響を受けた事業者などの経営維持や急速に冷え込む景気の浮揚を促そうと早急に大型経済対策をまとめる予定だ。
 ▼欧米では、外出禁止や商業活動の停止を指示する国も出てきた。早期の事態収束に向け、日本も正念場を迎えている。外出自粛など感染回避対策と経済対策の両立は相当な困難を伴うが、官民を挙げた対応で乗り越えるしかない。
 ▼最優先課題は、感染の拡大を防ぎ、収束が見通せる状況の転換を果たすことだ。沈滞ムードを打破できれば、国民の気持ちも前に向いて動き出す。


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