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今週のヘッドライン: 2020年05月 3週号

イノシシ害防止へ ICT活用の箱わなで成獣狙い捕獲 ―― 宇部市有害鳥獣捕獲対策協議会(山口県)(1面)【2020年5月3週号】

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 イノシシによる農業被害を防ごうと、山口県宇部市では、市や猟友会、農業関係団体などで組織する宇部市有害鳥獣捕獲対策協議会が、ICT(情報通信技術)を活用した箱わなを設置し、成果を上げている。箱わなに取り付けたセンサーは、一定以上の大きさの動物に反応するように設定でき、被害への影響が大きい成獣のイノシシを狙って捕獲できるのが特徴だ。また、捕獲の情報は管理者にメールで通知されるため、これまで大きな負担になっていた毎日の見回りが不要になるなど、省力的、効率的な捕獲ができると喜ばれている。

(1面)

〈写真:箱わなを管理する有害鳥獣捕獲員の野村敏則さん。わな上部のセンサーは地上から約50センチの高さで反応するように設定している〉

18年農作業死亡事故 65歳以上が最多86%(2面・総合)【2020年5月3週号】

 農林水産省はこのほど、2018年に発生した農作業事故による死亡者数が前年比30人減の274人となったと発表した。4年連続で前年を下回り、1971年の調査開始以来最少となった。一方で、年齢階層別では65歳以上の死亡者数の割合が86.5%と過去最高となった。就業人口10万人当たりの死亡者数は15.6人で、建設業の6.7人の2倍超、全産業平均の10倍超で推移する。死亡事故撲滅に向けて、行政や生産者団体、農機メーカーの連携を強化するとともに、先端技術を活用した安全性の高い農業機械の開発・普及など高齢者を守る対策が急がれる。

(2面・総合)

果樹振興基本方針を公表 優良品種・省力樹形推進へ(2面・総合)【2020年5月3週号】

 農林水産省はこのほど、今後の果樹農業振興の方向性を示す、新たな果樹農業振興基本方針を公表した。生産量の減少が需要の減少を上回っている状況から、これまでの供給過剰基調に対応した生産抑制的な施策を転換。生産基盤を強化し、供給力の回復を目指す。

(2面・総合)

園芸施設共済がさらに加入しやすく 新築価額の10割まで補償(3面・農業保険)【2020年5月3週号】

 台風や豪雨による被害が毎年のように発生し、園芸施設でも被害が多発している。NOSAIは、2019年4~12月に発生した被害に対し、園芸施設共済では約62億円の共済金を支払い、復旧を支えた。農林水産省は、台風前の6月と降雪前の11月を「災害に強い施設園芸づくり月間」として設定し、園芸施設共済および収入保険への加入推進や被害防止のための技術指導を重点的に行う。園芸施設共済は新築価額までの補償やビニールが破れた場合など小さな損害での補償ができるよう、9月に改正される予定だ。園芸施設共済の改正について稲穂ちゃんがNOSAI職員のみのるさんに聞いた。

(3面・農業保険)

食中毒を防ごう 家庭でできる予防策 ―― 公益社団法人日本食品衛生協会・技術参与 山下千恵さんに聞く(5面・すまいる)【2020年5月3週号】

 新型コロナウイルスの対策として、自宅で食事を作る回数が増えている家庭も多いだろう。暑さも本格化するこれからの季節、家庭での食中毒に注意が必要だ。食品を購入する段階から調理時、残った食品を扱う際まで、簡単に実践できる予防のポイントを公益社団法人日本食品衛生協会の山下千恵技術参与に取材した。

(5面・すまいる)

化学肥料+堆肥 同時施用で使いやすく 改正肥料取締法に基づき年内施行へ(9面・営農技術)【2020年5月3週号】

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 農林水産省は、昨年12月に公布された改正肥料取締法に基づき、配合規制や公定規格の見直しを進めている。年内には「指定混合肥料」として、堆肥と化学肥料、土壌改良資材の混合が可能となる予定だ。複数回に分かれていた散布作業を1回に集約したり、化学肥料と堆肥を組み合わせた施肥設計が可能となり、土づくりの労力軽減や資材コスト低減につながると期待されている。

(9面・営農技術)

〈図:想定されるメリット(農林水産省資料から作成)〉

行き場失った給食用野菜 SNS活用で新たな販路【山形県 5月3週号】

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 【山形支局】新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、自身が生産する野菜の大きな販売先を失った鶴岡市東堀越の叶野幸喜さん(40)。行き場がなくなった野菜があるという現状をSNS(会員制交流サイト)で発信したところ、予想を大きく上回る注文があり、多くの消費者へ販売することができた。また、新たな出会いが生まれ、販路の拡大にもつながったという。

〈写真:ジャガイモを手に笑顔の叶野さん〉

菌床シイタケに参入 リース活用、初期投資を軽減【島根県 5月3週号】

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 【島根支局】「リース事業を利用して今年3月に菌床シイタケの栽培を始めました」と話す出雲市東福町の常松拓人さん(25)。現在、週6日は別の仕事をする傍ら、ハウス1棟でシイタケ約5千菌床を、祖父母、曽祖母の家族4人で作業に当たる。菌床シイタケは価格の変動が少なく、周年栽培が可能なこともあり、新規の生産者は多いが、高額な初期投資が課題だ。このためJAしまね出雲地区本部では、2019年度に菌床シイタケのリース事業を開始。リースハウス11棟を建設し、常松さんを含む新規就農者4人と4経営体が入植した。常松さんは「空調を含めた栽培施設一式をリースにして負担を軽くすることができた」と話す。

〈写真:「天候に左右されないことも魅力の一つです」と常松さん〉

夫が捕獲、妻がレシピまとめ「わが家の簡単いのしし料理」【愛媛県 5月3週号】

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 【愛媛支局】「シシ肉は臭みが気になるといわれますが、処理や味付けをきちんとすれば、おいしい料理に仕上がります」と話すのは、八幡浜市磯津地区の寺岡恭子さん(79)。夫の俊二さんは25年前、山を荒らしていたイノシシを駆除するため狩猟免許を取得。捕ってきたイノシシは俊二さんがさばき、その後は恭子さんにバトンタッチする。初めはイノシシがどんな料理に向いているか分からなかったという恭子さん。いろいろと試していくうちにイノシシ料理のおいしさに気づいたという。俊二さんがさばいた肉は臭みがなく、頻繁に寺岡家の食卓に並ぶ。これまでに恭子さんが考案したレシピは、子や孫に伝え残したいという思いから、亥年の2019年に「わが家の簡単いのしし料理」としてまとめるに至った。

〈写真1:「夫がさばいたイノシシは臭みがありません」と恭子さん〉
〈写真2:恭子さんが考案したイノシシ料理のレシピ「わが家の簡単いのしし料理」〉
〈写真3:「孫が喜んで食べてくれる」という「かわりハンバーグ」〉


防風林「災害への「備え」に取り組もう【2020年5月3週号】」

 ▼新型コロナウイルスによる感染症拡大を防ぐため、外出自粛が続く中で家庭ごみが増えて自治体が対応に追われているという。食料品などの消費量増加に加え、物置などを片付けて不要品を捨てる「断捨離」も要因とされている。
 ▼何もしないで家の中で過ごすのも相当にストレスを感じるもの。家族による作業の一つとして、この機会を利用し、台風や豪雨などの災害を想定した避難のシミュレーションをしてはどうだろう。
 ▼昨年の台風19号による豪雨災害などを踏まえ、内閣府(防災担当)と消防庁は、「避難の理解力向上キャンペーン」を進めている。市町村にハザードマップや避難情報の配布を求め、教育機関や福祉関係者、企業などには、避難に関する国民の理解が深まるよう普及啓発活動の実践を促している。
 ▼やり方は難しくない。まずは在住する市町村のハザードマップで自分の家が浸水などの想定地域かどうかを確認。市町村が提供する避難情報などのレベルに応じ、いつ、どこに避難するかを家族で相談すればよい。
 ▼昨年の災害を受け、ハザードマップを見直した市町村もある。ホームページなどで最新版を入手し、平時のうちに命を守る「備え」をしておこう。

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