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今週のヘッドライン: 2020年07月 4週号

特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」広がる発生 産地に脅威(1面)【2020年7月4週号】

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 サクラやモモ、ウメなどバラ科の植物に好んで産卵し、ふ化した幼虫が樹体内を食い荒らす侵入害虫クビアカツヤカミキリの被害が広がっている。2012年に愛知県で初めて確認されて以来、11都府県に発生地域を拡大している。徳島県立農林水産総合技術支援センター・農業革新支援専門員(環境)の中野昭雄さんは、「成虫が活動する6月下旬から8月にかけてが、防除の適期」と強調する。市民の理解と協力を得て早急に防除に取りかかりたい。

(1面)








中山間直払の5期対策検証 集落活動の維持へ(2面・総合)【2020年7月4週号】

 農林水産省は10日、中山間地域等直接支払制度に関する第三者委員会(委員長・図司直也法政大学教授)の初会合を開き、2020年度から始まった第5期対策の検証に着手した。委員からは農村・集落の高齢化や人口減少が進む中で、集落活動の維持が困難になると懸念する意見が相次いだ。活動の継続に向けては、担い手の確保や協定の広域化、サポート体制の強化などに取り組むべきだとした。中山間地域は、農家数、耕地面積、農業産出額が全体の約4割を占め、食料の安定生産のみならず、国土保全や景観維持、災害防止・軽減機能など多面的な役割を担う。「田園回帰」の流れを人材確保や体制づくりに結び付け、農村・集落の将来像を描けるような現行対策の充実・強化が求められる。

(2面・総合)

農業保険予算の必要額確保を NOSAI団体が農相に要請書(2面・総合)【2020年7月4週号】

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 NOSAI団体は15日、2021年度の農業保険関係予算の必要額確保を求める要請書を江藤拓農相に手渡した。台風や集中豪雨などの大規模な自然災害が頻発し、新型コロナウイルス感染症の影響も甚大な中、農業者の早期の経営再開・営農継続に向け、共済金の早期支払いや収入保険のつなぎ融資による迅速な資金対応などに組織を挙げて取り組んでいると説明。収入保険と農業共済が基幹的な農業経営のセーフティーネットとして国内農業の生産基盤の強化や農業・農村の次世代への継承に貢献できるよう、農家負担の軽減に必要な保険料や共済掛金等に係る国庫負担金の確保などを強く要請した。

(2面・総合)

〈写真:右からNOSAI協会の山下英利副会長、江藤農相、髙橋博会長、徳井和久常務〉

全国で頻発する自然災害 「備え」を地域に浸透 ―― NOSAI岐阜(岐阜県)(3面・NOSAI部長)【2020年7月4週号】

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 NOSAI岐阜(岐阜県農業共済組合)では、共済部長(NOSAI部長)が日常の交流を通じて組合員との絆を深め、備えの大切さを地域に浸透させている。全国各地で自然災害が頻発する中、「NOSAIの役割は、さらに重要になる」と口をそろえる共済部長2人を取材した。

(3面・NOSAI部長)

〈写真:NOSAI職員とジャンボタニシの被害を見る川合義晴さん(手前)。集落営農組織・平営農組合の代表を務める〉
〈写真:NOSAI職員と柿の生育具合を見る川島千日己さん(右)。共済部長を務めて通算13年目のベテランだ〉

特集:農家との絆より強く
経営局関係業務・功績者等表彰・経営局長表彰/「安心の未来」拡充運動・中央表彰・最優秀賞(8面・特集)【2020年7月4週号】

  「安心の未来」拡充運動中央推進本部(本部長・髙橋博NOSAI協会会長)は先ごろ、「令和2年度『安心の未来』拡充運動中央表彰受賞組織」「令和2年度農業保険の推進に係る優良事例に対する経営局関係業務功績者等表彰受賞組織」の決定を発表。8日に開催した全国参事会議で両賞の授与を行った。「安心の未来」拡充運動中央表彰最優秀賞の3組織と、経営局関係業務功績者等表彰の経営局長表彰3組織の取り組みを紹介する。

(8面・特集)

大豆:良品・多収量へ 全国豆類経営改善共励会・大臣賞の経営(9面・営農技術)【2020年7月4週号】

 国産大豆は堅調な需要がある一方で、水田転作などでの収量が伸び悩み、増産が求められている。2019年度の全国豆類経営改善共励会(主催・JA全中、JA新聞連)では、大豆で2組が農林水産大臣賞を受賞。多収・高品質を実現した技術のポイントを紹介する。

<大豆 家族経営の部> アグリード株式会社(安藤重治代表)岐阜県本巣市
<大豆 集団の部> 農事組合法人強首ファーム(小山田和人代表)秋田県大仙市

(9面・営農技術)

糖度は18度超え、直売スタート 「湘南マンゴー」デビュー【7月4週号 神奈川県】

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 【神奈川支局】「お客さまが期待してくれているのがうれしい。珍しさだけでなく、品質も追求していきたい」と話すのは、平塚市徳延の臼井秀企さん(56)。2019年にガラスハウス約18アールでマンゴー栽培に着手し、「湘南マンゴー」で商標登録した。今夏から自家農園の直売所で販売し、地域に定着することを目指して努力を続ける。

〈写真:「まずは地元から湘南マンゴーを広めたい」と臼井さん。白い防草シートを敷き太陽光を反射させることでアザミウマなどの害虫を防除する〉

おしゃれで機能的 オーダーメイドもんぺ承ります【7月4週号 新潟県】

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 【新潟支局】上越市吉川区上名木に、もんぺ製作所「山のなか試着室」が先月オープンし、注目を浴びている。もんぺ製作所は、同区大賀の赤木美名子さん(45)が昨年立ち上げたブランド。本県伝統の「亀田縞」のおしゃれで機能的なもんぺを製作している。独特のストライプ柄が特徴で足が長く見える効果があり、泥汚れにも強い。もんぺはオーダーメイドで、108種類の柄と2種類のスタイルから選んでもらい、採寸、ウエストゴムやポケットの調整、細かい要望にも対応。店舗へ来られない人にはウェブサイトでの受注生産も可能だ。

〈写真:「インターネットで買った綿100%のもんぺをはいてみて、気持ち良さに気が付きました。でも、デザインが好みではなかったので、自ら設計しようと考えました」と赤木さん〉

1人で楽々作業 便利なサトイモ分離機【7月4週号 富山県】

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 【富山支局】上市町農業技術者協議会では、「系統選抜サトイモ種芋の定植」を毎年行っている。今年は6月3日に、会員の協力のもと約30アールに定植した。当日は、農機具メーカーの株式会社やまびこが「サトイモ分離機」を紹介。親芋の大きな塊を分離する作業は大きな負担がかかっているが、紹介された分離機はてこの原理を利用した簡単な操作で、親芋から子芋、孫芋を簡単に分離し、1人での作業も可能だ。

〈写真:参加者に好評だった「サトイモ分離機」〉

多彩な用途、増える需要 ビーツ増産に手応え【7月4週号 広島県】

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 【広島支局】三次市作木町の上川孝司さん(64歳、水稲約1.7ヘクタール)は、84平方メートルでビーツを栽培。同市の道の駅や産直市などに出荷し、鮮やかな見た目と珍しさから、需要が増えている。ビーツは葉も根も食べることができ、肥大した根の部分は甘味があり、生食・煮る・焼くなどいろいろな料理に使えるという。3年前に試作でビーツを植え付け、落ち葉などをすき込み土壌改良しながら、畝の高さを変えるなど生産性の向上を図っている。販売先では調理方法を記載したチラシを添付するという。上川さんは「県内ではあまり流通していなくて、譲ってほしいという友人がいるほど好評」と話している。

〈写真:「食べた人に喜んでもらえると作りがいがある」と上川さん〉


防風林「出来秋に向けて一歩ずつ【2020年7月4週号】」

 ▼サンマの初競りで、キロ単価が4万円を超えたと報じられた。店頭価格も1匹6千円ほどと庶民には手の届かない水準になった。昨年のサンマ水揚げ量も統計開始以来最低となり、卸売価格は高値で推移した。一定量以上捕れないと採算が合わないと、漁業関係者は漁獲量の回復を願っているという。
 ▼食べる側にもおいしいサンマが安く食べられる方がよい。刺し身も塩焼きも炊きたてのご飯との相性がよく、酒にも合う。良質のタンパク質のほか、鉄分やビタミン、カルシウムなど栄養が豊富で、脳の働きをよくするドコサヘキサエン酸(DHA)なども含まれる。
 ▼サンマは、北太平洋に広く分布する。日本の漁獲の対象は、夏に千島沖に集まり、夏から秋にかけて日本列島に沿って南下する北太平洋群とされるものだ。海水温の上昇や外国漁船との競合などが不漁の原因に挙げられている。ただ、明確な理由は分からないという。
 ▼異常な大雨となった梅雨も、例年に比べ遅れるが間もなく明ける見込みだ。サンマの漁獲量が増え、出来秋の新米と味わえる日を楽しみに頑張ろう。

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