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今週のヘッドライン: 2020年12月 3週号

サル害対策、住民見守り・・・電気自動車が中山間の暮らし支える ―― ふるさと屋(三重県多気町)(1面)【2020年12月3週号】

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 超小型電気自動車(EV)が、中山間地域での新たな交通手段として注目されている。三重県多気町で地域づくり活動を行う一般社団法人ふるさと屋では、一人乗りの超小型EVをサル害対策や地域住民の見守り、用水管理などに活用する。車体が小さく、狭い農道なども移動しやすい。家庭用電源で充電でき、地域内の見回りなど近距離の移動に適する。地域内に太陽光発電装置などを設け、エネルギーの地産地消も図る。高橋幸照理事は「これからは最新技術を地域政策に取り入れる必要がある」と話す。

(1面)

〈写真:ワイヤメッシュ周辺を見回る高橋幸照理事〉

今年の農業災害の特徴と対応は ―― 農林水産省経営局 谷睦枝保険監理官に聞く(1面)【2020年12月3週号】

 今年は局地的豪雨などの自然災害のほか、新型コロナウイルスの影響による需要減少なども発生し、農業分野に大きな被害をもたらした。NOSAIでは、つなぎ融資の貸し付けや、適正な損害評価と早期の共済金支払いに尽力し、農家の経営安定に努めている。農業保険制度を所管する農林水産省経営局の谷睦枝保険監理官に今年の災害の特徴を聞いた。

(1面)

21年度畜産物価格が決定 前年の水準維持(2面・総合)【2020年12月3週号】

 政府・与党は9日、2021年度畜産物政策価格と関連対策を決定した。加工原料乳生産者補給金は、20年度比で5銭引き下げて1キロ当たり8円26銭、条件不利地域で集乳を行う指定事業者(指定団体)などに交付する集送乳調整金は同5銭引き上げて2円59銭とした。合計は10円85銭で、20年度と同水準で決着した。総交付対象数量は20年度と同等の345万トン(20年度実績見込み比15万トン増)とした。肉用子牛の保証基準価格と合理化目標価格は、全畜種で20年度と同額に据え置いた。関連対策は、中小酪農経営などの生産基盤維持・強化対策などを拡充し、20年度並みとなる320億6千万円を確保した。

(2面・総合)

総合経済対策:事業規模73.6兆円 輸出と経営継続に重点(2面・総合)【2020年12月3週号】

 政府は8日、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた新たな総合経済対策を閣議決定した。農業分野では、輸出拡大に向けた生産基盤・輸出力の強化や感染症の影響を踏まえた経営継続支援などに取り組む。事業規模は約73兆6千億円で、うち国費は約30兆6千億円。2020年度第3次補正予算や21年度当初予算で措置する。

(2面・総合)

土壌診断で営農支援 適正な施肥量で生育改善 ―― NOSAI山梨の損害防止活動(山梨県)(3面・農業保険)【2020年12月3週号】

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 「土壌診断は圃場の状態を数値で確認でき、役に立つ。感覚で決めがちな施肥量の目安になる」と話すのは、山梨県都留市川棚の奥秋久さん(68)。NOSAI山梨(山梨県農業共済組合)は損害防止活動の一環として、8月から11月に申し込みを受け付け、土壌診断を実施している。水稲共済と果樹共済の加入圃場を対象に、ペーハーや電気伝導度のほか苦土やリン酸などを1シーズンに約600圃場調査し、結果に基づき施肥など改善策をアドバイス。同市の園田一二〈いちじ〉さん(71)は、診断結果に基づく施肥を実践して、収量改善につなげた。

(3面・農業保険)

〈写真上:NOSAI山梨の職員(左)と診断の結果を確認する園田さん〉
〈写真下:診断に使う土を採取する奥秋さん〉

安定生産の創意工夫 ―― 「有機農業研究者会議2020」事例発表から(7面・営農技術)【2020年12月3週号】

 有機農業の実践農家や研究者などの情報交流を目的に、有機農業研究者会議2020(有機農業参入促進協議会などが共催)が先ごろ、オンライン形式で開かれた。収量確保や病害虫対策の実践事例として、有機JAS認証を取得したイチゴ生産者と野菜多品目生産者が取り組みなどを報告した。

(7面・営農技術)

わが家の味広げる 冬野菜でピクルス ―― ピクルス屋いく農園の川谷活心さん(高知県土佐市)に聞く(5面・すまいる)【2020年12月3週号】

 寒さとともにダイコンやカブなど冬野菜が甘みを増し、漬物加工が各地で取り組まれる季節となった。洋風レシピなどに合わせやすいピクルスは、家庭料理や地域の農産物加工のバリエーションを広げられる。高知県土佐町で自家産野菜をピクルスに加工・販売する「ピクルス屋 いく農園」の川谷活心さんに、冬野菜のうまみを生かしたピクルス加工のアイデアを教えてもらった。

(5面・すまいる)

防風林「ウイルスとの攻防は続く【2020年12月3週号】」

 ▼高病原性鳥インフルエンザの発生は、11日現在で9県22事例に拡大し、全国緊急消毒など対策強化に取り組む事態となった。養鶏の1戸当たり飼養羽数は万単位で、発生時の経営への打撃は大きい。農場と周辺地域、作業者などの衛生管理に関係者が連携し、万全の対応を図ってほしい。
 ▼一方、厚生労働省による季節性インフルエンザ報告数は6日までに63件で、昨年同期比で約750分の1に激減した。新型コロナウイルス感染防止対策によるマスク着用やうがい手洗いが功を奏したとみられている。日本では、インフルエンザが要因とされる死者数は、毎年1万人前後いる。この傾向が続けば、今季はかなり減りそうだ。
 ▼この1年は、新型コロナ対策として、外出自粛やテレワークの励行、大人数の集会などの延期、中止が相次いだ。ようやくワクチン実用化にめどがつき、海外では接種も始まった。感染終息に弾みがつくよう期待したい。
 ▼人類とウイルスは有史以前から攻防を続けてきた。克服は困難でも、医学の力で重症者や死者を出さない対策の早期確立を望みたい。

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