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今週のヘッドライン: 2021年01月 4週号

U-motion活用し牛の行動を記録・分析 個体管理をより精密に ―― 田中牧場(熊本県菊池市)(1面)【2021年1月4週号】

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 酪農を中心に和牛繁殖との複合経営に取り組む熊本県菊池市旭志伊坂の田中牧場では、採食、飲水など牛の行動を記録・分析するモニタリングシステム「U-motion」〈ユー モーション〉を導入し、事故低減や繁殖成績・乳量の向上を実現している。行動の記録に基づき疾病や発情の兆候が把握でき、より早期の治療やタイミングを外さない種付けが可能になった。後継者の田中正輝さん(39)は、データと自身の目を合わせ、一頭一頭の状態に即した丁寧な飼養管理に力を注ぐ。観察時間の短縮など省力化にもつながっており、今後、システムを活用しながら規模拡大を目指す。

(1面)

〈写真:作業前にパソコンで牛の状態を確認する田中正輝さん〉

米の農産物検査見直し 機械鑑定の新規格策定へ(2面・総合)【2021年1月4週号】

 農林水産省は20日、農産物検査規格・米穀の取引に関する検討会(座長・大坪研一、新潟薬科大学応用生命科学部特任教授)を開き、目視による現行の農産物検査規格とは別に、穀粒判別器を使用する「機械鑑定を前提とした規格」の策定を提起。農家の所得向上につながる基盤とする新たな日本農林規格(JAS)を民間主導で制定する案も示した。新たな農産物検査規格は、専門家による検討チームを設け、規格項目の数値の定義などの議論を進めるとした。生産者、消費者双方に分かりやすく、品質などの情報が示される表示と証明の仕組み構築が課題となる。

(2面・総合)

菅首相が施政方針演説 輸出5兆円へ産地支援(2面・総合)【2021年1月4週号】

 第204回通常国会が18日、開会した。菅義偉首相は衆参両院で就任後初となる施政方針演説を行い、農林水産物・食品の輸出額を2030年に5兆円にする政府目標の達成に向けて「27の重点品目を選定し、個別に目標金額を定めて、産地を支援する」と強調した。また、日本酒や焼酎を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録することを目指す意向も示した。

(2面・総合)

日頃から加入呼び掛け備えの意識を浸透 NOSAI秋田のNOSAI部長(3面・NOSAI部長)【2021年1月4週号】

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 「ここ10年くらいでは最もひどい大雪だ。このような被害に備えて農業保険に加入し、組合員にも加入は不可欠と伝えている」と話すのは、秋田県湯沢市上関で共済部長(NOSAI部長)を務める佐々木克男さん(79)。12月中旬からの大雪で自身もサクランボや園芸施設に被害を受けている中、被害を受けた組合員にNOSAIへの被害申告を促し、声を掛けて励ましている。同県羽後町鹿内の共済部長、土田貞夫さん(68)は、大雪など自然災害を教訓に万が一の災害に備える大切さを伝え、地域に浸透させている。

(3面・NOSAI部長)

〈写真上:湯沢市上関の佐々木克男さんは雪害対策として枝をパイプで固定しているという〉
〈写真下:「NOSAIが事務局を務める協議会の防除も助かる」と羽後町鹿内の土田貞夫さん(右)〉

改正肥料法 ニーズに応じた肥料生産へ選択肢が拡大(9面・営農技術)【2021年1月4週号】

 肥料の品質の確保等に関する法律(改正肥料法)が昨年12月1日に施行され、「化学肥料と堆肥」「肥料と土壌改良材」などを配合した肥料や、造粒などの加工をした肥料が、届け出制で製造可能となった。今春以降には、新たな配合による肥料の販売・流通などが見込まれる。原料の選択肢が広がり、農家にとっては土づくりと施肥が同時にできるなど、省力化・効率化が期待されている。

(9面・営農技術)

料理彩るドライエディブルフラワー【島根県・1月4週号】

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 【島根支局】色鮮やかな花を、いつもの食卓に、いつもの料理に添える。そしてその花が飾りではなく食べることができたら――奥出雲町のきれいな水、きれいな空気の中で育った花を「食べられる押し花」として生産・販売する有限会社トムの八澤豊幸代表取締役(34)。自社の発展が町全体の雇用と活気につながればと願い、認知度アップに向けPRを続ける。

〈写真:「インターネットから購入いただけます」と八澤代表〉

白ネギ産地化 地域活性化へ【山梨県・1月4週号】

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 【山梨支局】「山梨県で新たに白ネギを産地化して地域農業を活性化したい」と話すのは、甲斐市双葉地区の原田勝由さん(36)。白ネギ60アールを主力にブドウ50アール、スイートコーン30アールを栽培する。白ネギは病虫害に強い「夏扇」を中心に栽培し、「甲斐のぎゅぎゅっとねぎ」としてJAや直売所に出荷する。

〈写真:白ネギを手に原田さん〉

鳥害防止に爆発音と発射物が効果【岡山県・1月4週号】

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 【岡山支局】ドンッという大きな音が広い放牧地に響きわたる――乳牛と肉牛を飼養する岡山市北区のまつだ牧場では、爆発音と発射物で鳥害防止に効果を上げている。

〈写真:農場に設置した「ビックラー(タイガー株式会社)」〉

アイデア光る6次産業化――行者にんにくもつ煮込み【新潟県・1月4週号】

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 【新潟支局】長岡市北荷頃の「株式会社夢ガーデン」は、同市内の企業とコラボし「行者にんにくもつ煮込み」を開発。冷凍で通年販売され、同社の目玉商品となっている。

〈写真:「行者にんにくもつ煮込み」〉

アイデア光る6次産業化――ナシのドライフルーツ【岐阜県・1月4週号】

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 【岐阜支局】水稲60ヘクタールやナシ15アールを栽培する大垣市曽根町の「株式会社DIB」の林達也代表取締役(47)。大垣市のナシを一年中楽しんでもらえる方法はないかと「梨のドライフルーツ」を地元企業と協力して開発した。

〈写真:「梨のドライフルーツ」〉

アイデア光る6次産業化――野菜のスープ【福岡県・1月4週号】

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 【福岡支局】「トマトとブロッコリーは鮮度が重要なので収穫当日に、カボチャは寝かせて糖度の状態を見極めてから加工します」と話すのは、鞍手町新延の株式会社花田農園で代表取締役を務める日髙ゆかりさん(56)。自社農園で栽培したトマト、カボチャ、ブロッコリーでスープを生産している。

〈写真:自社産野菜のスープ〉

防風林「命に関わる情報には敏感に【2021年1月4週号】」

 ▼「慣れる」とは、こういうことかと日々のニュースを見て考えている。新型コロナウイルスの感染者数が「過去最大」「曜日では最大」など報道が続き、1日数千人では驚かなくなった。11都府県に緊急事態宣言が再発令されても、昨年の緊急事態宣言の期間ほど繁華街への人出は減っていないという。
 ▼自粛疲れもあるだろう。しかし、感染を抑える最善策は人との接触を断つことと理解しながら、外出する人が増えているよう。今まで感染しなかったから大丈夫と危機感が薄れているのかもしれない。
 ▼思い返せば、東日本大震災でも同じような経験をした。津波の経験を踏まえ、地震の都度、報道は津波への注意を呼びかける。だが、過去に津波に襲われた地域でも災害の記憶は薄れていく。すぐ避難しない人も多く、被害を広げた。
 ▼国土交通省は、水害・土砂災害に関する防災用語の改善を検討中だ。簡潔で分かりやすい言葉と情報伝達方法で、災害時の警戒レベルに合わせ、住民の緊急的な行動を促すのが狙いだ。「命を守る」ため、こうした情報には敏感でいたい。

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