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今週のヘッドライン: 2021年02月 2週号

産地守る二つの柱 高付加価値生産型と低コスト大量生産型 ―― (株)アグリーンハート(青森県黒石市)(1面)【2021年2月2週号】

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 水稲58ヘクタールを栽培する青森県黒石市馬場尻東の株式会社アグリーンハートは、休耕地で有機JAS認証を取得した米を栽培する高付加価値生産型「職人農業」と、ドローン(小型無人機)などを活用する低コスト大量生産型「企業農業」の二つのモデルを実践する。産地間競争の激化に対応する差別化と、広範囲の地域農地の維持を両立させ、地域農業を先導する。

(1面)

〈写真:「『笑顔農業・感謝農業』が理念」と佐藤拓郎代表〉

農水省 大雪被害の支援策まとまる 早期の経営再建へ農業保険加入が要件(2面・総合)【2021年2月2週号】

 農林水産省は2日、昨年12月以降の大雪により東北、北陸地方を中心に発生した、農業用ハウスや畜舎などの倒壊、果樹の枝折れなど農業被害への支援対策をまとめた。4日現在の農業関係被害額は、27道府県で89億3千万円に上る。国は、被災農業者の一日も早い経営再建に向け、共済金などの早期支払いや災害関連資金を措置。農業用ハウスや畜舎などの再建・修繕では事前着工を可能とし、果樹の改植や種子・種苗・融雪剤の経費なども支援する。地方公共団体や関係団体と連携し、各支援対策の実行時を含め収入保険や農業共済への加入を促進する考えも示した。

(2面・総合)

20年輸出額が過去最高に 巣ごもり需要で家庭食向けが増(2面・総合)【2021年2月2週号】

 農林水産省は5日、2020年の農林水産物・食品の輸出額(速報値)は前年比1.1%増の9223億円だったと発表した。8年連続で前年を上回り、過去最高額を更新。国全体の輸出が11%減となる中で、巣ごもり需要から鶏卵や米など家庭食向けの産品が増加した。野上浩太郎農相は同日の会見で「家庭食シフトなど海外需要の変化への対応を支援し、引き続き輸出の維持・促進を図る」と話した。

(2面・総合)

災害の教訓伝える語り部 経験を継承 住民の活力に(5面・すまいる)【2021年2月2週号】

 東日本大震災から今年で10年を迎える。被災地での語り部は、災害の経験や教訓を伝える重要な役割を担う。一方で、時間の経過に伴う意識の変化や、昨年からのコロナ禍で地域外からの受け入れなど活動が難しい状況もある。災害の語り部の重要性や今後のあり方について、東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授に教えてもらう。

(5面・すまいる)

トマトのコナジラミ類対策 株を揺らして防除 ―― 森林総合研究所など(7面・営農技術)【2021年2月2週号】

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 森林総合研究所などの研究グループは、トマト株を細かく振動させることで、コナジラミ類の密度を低下させる新たな防除技術を開発し、実用化に向けて研究を進めている。ハウスのパイプに振動発生装置を取り付け、誘引具を通じて複数の株を同時に揺らす。コナジラミ類の吸汁や交尾などの行動を抑制し、試験段階では幼虫の発生を半減できた。さらに、振動は受粉促進につながり、収量安定にも貢献すると期待されている。

(7面・営農技術)

〈写真:振動によるコナジラミ類防除のイメージ コナジラミ類の定着を阻害〉

青色申告に廉価で使いやすいソフト活用【2月2週号 秋田県】

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 【秋田支局】にかほ市大竹地区の須藤秀昭さん(57)は、パソコンソフト「らくらく青色申告農業版」(株式会社セーブ)を使用して青色申告に取り組んでいる。このソフトは農業者の声を参考に設計され、農業に特化した青色申告用ソフトだ。ほかのソフトと比較すると「新たに科目などを登録する必要がなく、ほぼそのまま使用でき簡単に感じた」と須藤さん。新規購入は8800円、次年度からは更新版を4400円で購入できるため、ほかと比べて低コストなことが一番のメリットだという。

〈写真:青色申告用ソフトで帳簿を管理する須藤さん〉

収入保険で損失を補てん、挑戦を後押し【2月2週号 静岡県】

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 【静岡支局】ブルーベリーの栽培に取り組んでいる浜松市中区の「株式会社WOOD」では、自社産果実を使った加工品を販売している。ブルーベリーの知名度を向上させるため、栽培管理やリスク管理に力を入れて生産性の向上を図るほか、新たな加工品の開発にも意欲的だ。昨年は暖冬の影響で灰色かび病が発生。約4千本が被害を受けた。これまで病害虫の発生などに悩まされることが多かったため、万が一に備えて加入していた収入保険で、被害の損失を補てんした。

〈写真:ブルーベリーの誘引作業に励む倉田さん〉

水田除草にヤギが活躍 カメムシ対策にも有効【2月2週号 福井県】

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 【福井支局】「ヤギが雑草を食べ尽くすおかげで、草刈りが楽になりました」と話すのは、敦賀市奥野で水稲16ヘクタールを栽培する岸本拓哉さん(49)。雑草の除去係としてヤギを放牧し、草刈りの省力化を図っている。水田の周りには獣害対策の金網柵があり、その中でヤギを放牧。ヤギは、セイタカアワダチソウやクズなどの雑草が好物で、春先に芽吹くさまざまな新芽を食べるため、7月まで草刈りをしなくて済むという。

〈写真:ヤギに竹の葉を与える岸本さん〉

コロナ禍でも販売堅調 酪農を基盤に多彩な加工品【2月2週号 岡山県】

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 【岡山支局】津山市の山間部で酪農業を60年以上営む「株式会社坂手ファーム」では、ブラウンスイス4頭をはじめ、約50頭の乳牛を家族で飼育し、生乳の販売のほか、加工品の製造・販売を手掛ける。自宅に加工場を建設し、同市の美作大学と共同で商品を開発した。現在はビーフジャーキー、干し肉、チーズ、ドレッシングなど幅広く手掛け、6次産業総合化事業計画の認定を受けた。コロナ禍の影響を同社も少なからず受けた。以前は加工品の販売のため、各地のイベントに出かけ集客を図ってきたが、現在は一切なし。飲食業からの注文も激減した。だが、良いこともあったという。GOTOトラベル実施期間は、地域クーポン券を使っての土産として売り上げが伸びた。同市のふるさと納税の返礼品としても人気が高く、「おこもり需要」でインターネット通販は好調だという。

〈写真:チーズはタンパク質が豊富なブラウンスイスの生乳を使用して作る〉

温度管理・根張り・摘果 1粒80グラム超のイチゴ【2月2週号 島根県】

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 【島根支局】「大きなイチゴを作って収量を上げるのが私流のやり方です」と話すのは、出雲市の藤江守さん(67)。13年前に会社勤めを辞め、イチゴ栽培を始めた。3連棟のビニールハウス10アールで「紅ほっぺ」を栽培している。収穫は12月から5月までで、最盛期は3月ごろだ。多いときは1日350パック出荷することがあり、年間出荷量は約6トンに及ぶ。出荷量が多いのは、1粒80~90グラムにもなる巨大イチゴがあるからだ。栽培の秘けつは、適切な温度管理と、しっかりと根を張らせること、そして最も重要なのは小まめに摘果することだという。

〈写真:「栽培方法には自信があります」と藤江さん〉

防風林「コロナ禍で迎える花粉症の季節【2021年2月2週号】」

 ▼また憂鬱〈ゆううつ〉な季節がやってきた。花粉症である。日本気象協会の発表では、2月上旬に九州や四国、東海、関東の一部から飛散が始まり、ピークは東京で3月上旬~下旬との予測だ。気になる飛散量は、例年比では広い範囲で少なく、昨年比では多い見込みという。
 ▼今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の発令中であり、両にらみの対策が重要だ。マスク着用やうがい手洗いの励行、外出自粛などは共通だが、コロナ対策で推奨される換気は花粉症にはつらい時間になる。最近は、よい内服薬もあるから、1日数回だけ我慢することにしたい。
 ▼ネット情報では、花粉症による目や鼻のかゆみに注意を呼びかけている。目や鼻を手でこする行為は、手にウイルスが付着した場合に感染しやすいためだ。くしゃみが出たときの周囲の反応も心配の種だ。白い目で見られるだけならいいが、"自粛警察"のような過剰な反応だけは勘弁してほしい。
 ▼周囲に花粉症と知ってもらう缶バッジが売れているという。かわいい動物のイラスト付き。おじさんが通勤で付けるには、ちょっと勇気がいりそうだ。

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