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今週のヘッドライン: 2021年03月 1週号

春の農作業安全確認運動スタート 事故の未然防止へ情報共有・作業改善を(1面)【2021年3月1週号】

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 「春の農作業安全確認運動」が1日から始まった。就業人口10万人当たりの死亡者数は、農業は2019年に16.7人と17年に並び過去最高で、建設業(5.4人)を大きく上回る。特に乗用トラクターでの転落・転倒などの件数が多い。事故発生時に命を守るシートベルト・ヘルメットの着用に加え、危険箇所の把握や作業方法の改善などによる未然の事故防止も求められる。地域ぐるみの情報共有で、事前対策を徹底する現場の取り組みを紹介する。 

(1面)

〈写真:青森県の五戸町と新郷村の女性農業者グループ「カッチャレンジャークラブ」では、定期的に農機の講習を受け、安全確保の技能を高めている〉

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農水省 農作業安全対策強化で検討会初会合 機械装備や規格など見直しへ(2面・総合)
【2021年3月1週号】

21年産米の作付け意向 28都道府県が「前年並み」(2面・総合)【2021年3月1週号】

 農林水産省は2月26日、2021年産米などの都道府県別作付け意向(第1回、1月末現在)を発表した。主食用米では20年産実績と比べ28県が前年並み傾向で、減少傾向は19県、増加傾向はなかった=表参照。同省は主食用米の需給均衡には21年産で過去最大規模となる6万7千ヘクタール(生産量換算で36万トン)の作付け転換が必要だとする。需給緩和と米価下落の回避には、拡充された予算などを活用して地域の合意形成を図ることが重要だ。飼料用米など戦略作物へのさらなる転換を進められるか正念場を迎えている。

(2面・総合)

農水省 農作業安全対策強化で検討会初会合 機械装備や規格など見直しへ(2面・総合)【2021年3月1週号】

 農作業安全の対策強化に向け、農林水産省は2月25日、農業者や有識者、農機関係団体などを集めた検討会の初会合をオンラインで開いた。農機の安全性能向上を中心に、建設機械なども参考に必要な装備や規格、検査の見直しなどを関係法令も含めて検討する。

(2面・総合)

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【2021年3月1週号】

収入保険の加入状況 21年は5割増で5万5000経営体に(3面・収入保険)【2021年3月1週号】

 自然災害や新型コロナウイルス感染拡大の影響など、農業者の努力では避けられない収入減少を補償する収入保険。農林水産省によると2021年を保険期間とする収入保険の全国の加入実績は、昨年末までの加入申請で約5万5千経営体となり、20年の約3万6千経営体から大幅に増加。一方、無利子のつなぎ融資は、20年の収入保険では総額55億2900万円を実施して農業者の資金繰りを支えている。NOSAIは、経営のセーフティーネットである収入保険を全国の農家に届けるべく引き続き加入推進に尽力している。

(3面・収入保険)

全国果樹技術・経営コンクール 先進経営で産地けん引(9面・営農技術)【2021年3月1週号】

 先進的な経営を実践する果樹生産者などを表彰する第22回全国果樹技術・経営コンクール(中央果実協会など主催)の受賞者が、このほど発表された。農林水産大臣賞受賞者の概要を紹介する。

(9面・営農技術)

正しく知ろう ワクチン接種の有効性と安全性 ―― NPO法人「VPDを知って、子どもを守ろうの会」理事長で、すがやこどもクリニックの菅谷明則院長が解説(5面・すまいる)【2021年3月1週号】

 新型コロナウイルス終息への切り札として期待がかかるワクチン。医療従事者への接種が始まり、高齢者などに順次接種が行われる予定だ。ワクチンについて正しい知識を持ち、安心して接種を受けたいところ。NPO法人「VPDを知って、子どもを守ろうの会」理事長で、すがやこどもクリニックの菅谷明則院長にワクチンについて教えてもらった。

(5面・すまいる)

ネギでJGAP、ASIAGAP 従業員の安全確保にも【3月1週号 富山県】

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 【富山支局】富山市で白ネギを周年栽培するアイエッチファーム株式会社(五十嵐明代表取締役)は、2018年にJGAP、20年にASIAGAPを県内初の青果物ネギで取得した。食の安全の確保には、労働安全も重要となる。作業場内の危険箇所の明記や、圃場の位置や道路、用水などの周辺状況を示した圃場地図を作成した。慣れているからこそ見逃してしまう危険を洗い出し、従業員の安全確保と効率の良い作業ができるようにした。GAP(農業生産工程管理)担当の須澤玉枝さん(47)は「従業員一人一人の危険を減らすことは食の安全につながる」と話す。

〈写真:危険箇所の明記で、さらに気を引き締めて作業するようになった〉

多品目を効率良く作業 法人化のメリット発揮【3月1週号 山口県】

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 【山口支局】「先祖から受け継いだ地域農業を持続させたい」と、2018年に農事組合法人清末東ファームを設立した下関市清末の新久保克己代表(68)。10アール(4連ハウス1棟)で県産ブランドのイチゴ「かおりの」のほか、「コシヒカリ」など水稲2品種(20ヘクタール)、ミニハクサイ「愛姫」など多品目の野菜を80アールで栽培する。法人化のメリットは、資金面だけではなく、組合員同士で意見を出し合い作業効率を上げられること。12月から5月のイチゴの収穫時期は家族総出で手伝う組合員がいるので、作業がスムーズに進むという。法人の資産を守るため、園芸施設共済と農機具共済に加入。あらゆる経営リスクをカバーするため、今年、収入保険にも加入した。

〈写真:朝7時からイチゴを収穫する新久保代表(右から2人目)と組合員〉

実習中止、講義はオンライン・・・・・・ 牛飼いの現場で将来に備える【3月1週号 岩手県】

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 【岩手支局】一関市千厩町の小野寺耕成さん(20)は東京農業大学2年生。新型コロナウイルス感染症の影響で、農業実習や対面講義が中止となった。現在は実家の堀合農場で牛の世話を手伝いながら、オンラインで大学の講義を受講している。「分からないことはすぐに解決できないけれど、時間の融通が利く」と前向きだ。昨年2月に実家に戻り、両親と3人で黒毛和牛約75頭を飼養する。「自分のタイミングで講義を受けられるので、市場の日には講義を入れないようにしている」という。4月から大学の対面講義が再開するので、東京に戻る予定だ。

〈写真:「牛の世話に時間を使うことができる」と小野寺さん〉

イモ穴でサツマイモ貯蔵 自然の恵みで育まれる甘味【3月1週号 新潟県】

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 【新潟支局】佐渡市小木地域の村川チハルさん(64)は、母・中川ヤヨイさんが栽培するサツマイモを、通称「イモ穴」と呼ばれる岩室で保管している。熟成すると甘味が増す芋を蒸してつぶし、小麦粉と砂糖で練り合わせた「いももち」に加工して販売している。岩盤をくり抜いた岩室は、各家庭でそれぞれ管理。琴浦地区だけで約40室ある。高さは約2メートルで、広さは1~5畳程度だ。夏は涼しく冬は12~14度程度に保たれる。サツマイモを3~4カ月、長期保存することが可能で、条件の良い岩室ではそれ以上の保存もできるという。

〈写真:イモ穴と呼ばれる岩室〉

北国の保存食「かたもち」 手間暇かけて【3月1週号 山形県】

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 【山形支局】庄内町三ケ沢の三浦時子さん(82)は、北国の保存食として知られる「かたもち」作りに60年以上取り組んでいる。かたもちは、オーブンなどで焼くとふんわりと膨らみ、"サクサク"とした食感が特徴の乾燥餅。三浦さん方では、気温が低く空気が乾燥する11月上旬から3月末まで加工に励む。

〈写真:「かたもちは栄養豊富で、元気の源」と三浦さん〉

防風林「自殺防止は孤独にしない声かけから【2021年3月1週号】」

 ▼長引くコロナ禍で赤ちょうちんとも縁遠くなり、交流や気晴らしの機会は確実に減った。在宅勤務では、メールを基本に意思疎通を図るが、事務所でするような世間話ができず、寂しさを感じるときがある。ちょっとした会話も仕事には大事だったのかと改めて考える。
 ▼3月は「自殺対策強化月間」だ。3月の自殺者が年間で最も多いことから、関係省庁や自治体、関連団体が連携して相談事業や広報・啓発事業を展開する。コロナ禍で雇用や暮らし、人間関係などが悪化し、社会全体の自殺リスクが高まっているとされ、悩みを抱える人を孤独にしないことが重要だ。
 ▼対策では、ポスターや広告掲載による呼びかけのほか、自治体や団体による電話やSNS(会員制交流サイト)なども含めた多様な相談窓口の存在をPRする。さらに重要なのは、悩んでいる人に気づき、声かけや話を聞く見守り人"ゲートキーパー"の存在だという。
 ▼厚生労働省は、「誰でもゲートキーパー手帳」をホームページに掲載し、専門性の有無に関わらず、行動に移すことを呼びかける。誰もが生きづらさを感じる時代で、おせっかいできる人材が求められている。

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