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今週のヘッドライン: 2021年05月 2週号

交流がみんなの力 コロナ禍に見る展望 農泊、観光農園、酪農教育ファーム(1面)【2021年5月2週号】

 新型コロナ感染症拡大に歯止めがかからず、3度目の緊急事態宣言が4都府県に発出されるなど、終わりの見えない日々が続く。人流の抑制などが訴えられるなか、衛生管理を徹底し、消費者に農業の魅力や実情を伝える交流活動の継続に努める生産者がいる。観光農園や酪農教育ファーム活動、農泊に取り組む生産者に、現状や交流への思いを聞いた。

(1面)

農水省 米の農産物検査規格見直し 21年産から順次実施(2面・総合)【2021年5月2週号】

 農林水産省は4月28日、農産物検査規格・米穀の取引に関する検討会(座長・大坪研一新潟薬科大学応用生命科学部特任教授)を開き、米の農産物検査規格などの見直し内容をまとめた。機械鑑定を前提とした新たな規格の策定や目視鑑定から書類審査への銘柄検査方法の見直し、消費者が求める情報を提供する新たな日本農林規格(JAS)の制定などについて事務的・技術的な検討を進め、2021年産米から順次実施する。生産現場に混乱が生じないよう周知を徹底し、米の需要拡大と農家の所得向上につなげていくことが重要だ。

(2面・総合)

農水省 20年農林業センサスの確定値公表 農業従事者は152万人に(2面・総合)【2021年5月2週号】

 農林水産省は4月27日、2020年農林業センサスの確定値を公表した。高齢化による離農の影響が大きく、農業従事者は前回調査(15年)比で45万7千人減の152万人となった。そのうち49歳以下の常雇いが15年推計値に比べ5万8千人減とされ、若手人材の就農・定着に向けて雇用側の経営維持など課題が明らかとなった。

(2面・総合)

6月からHACCP義務化 衛生管理「見える化」へ 小規模事業者は手引書の順守を(3面・ビジネス)【2021年5月2週号】

 6月1日から、食品の製造や加工、調理、販売などを行う原則全ての事業者に、HACCP(ハサップ=危害分析・重要管理点)に沿った衛生管理が、改正食品衛生法に基づき義務化される。HACCPとは、食中毒などの危害要因を除去するために、重要な工程を管理して記録を残し、食品の安全性を確保する手法。農産物の出荷に伴う洗浄や調製などは採取の一部と見なされ対象外だが、農産物の加工・販売は小規模でも対象となる。厚生労働省では、業種別の手引書をホームページで公開し、制度順守を呼び掛けている。

(3面・ビジネス)

ミニトマト 天敵バンカー法導入 有機栽培で反収6トン ―― (株)ユニオンファーム(茨城県小美玉市)(7面・営農技術・資材)【2021年5月2週号】

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 「天敵バンカー法は、害虫に対し先手を打つことができ、発生してもすぐに押さえ込める。有機栽培に欠かせない」と話すのは、茨城県小美玉市中延でミニトマトなどを周年で有機栽培する株式会社「ユニオンファーム」の杜建明総農場長(58)。害虫の発生前から継続的に天敵を維持するバンカー法を導入し、防虫ネットなど基本防除と組み合わせてアブラムシの被害を抑え、ミニトマトは10年で10アール当たり収穫量は4トンほど増加した。

(7面・営農技術・資材)

〈写真:天敵は代替餌に寄生する〉

防ごう食中毒 湿気を好む細菌 梅雨時期は要注意 ―― 公益社団法人東京都栄養士会常務理事の上野俊さんが解説(5面・すまいる)【2021年5月2週号】

 梅雨が近づくにあたり、食中毒には気をつけたいところ。手洗いの励行や調理用具などを清潔に保つことが大切だ。食中毒の防ぎ方について、公益社団法人東京都栄養士会の上野俊常務理事に教えてもらった。

(5面・すまいる)

家庭用切り花に需要 出荷調整に反映【5月2週号 京都府】

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 【京都支局】「いろいろな売り方を考えて、お客さんの反応を身近に感じたい」と話すのは、宇治市で花を生産する今村正喜さん(38)。花を身近な存在にしようと販売方法に工夫を凝らしながら、小学生を対象に花育にも取り組む。今村さんは、安政時代の初代・丹波屋喜兵衛さんから数えて13代目。12代目の父・信吾さん(69)と、ハウス10棟(30アール)で小ギクやグラジオラス、ヒマワリなどを生産する。切り花の市場出荷がメインだが、定期的に行われる地域のイベントでの対面販売にも出向く。「市場出荷では分からなかった消費者の反応や求めていることが分かった」
 家庭用の切り花に需要があると分析し、力を入れているという。できる限り長く、きれいに咲くように出荷のタイミングを調整するなど工夫する。

〈写真:ヒマワリを手に「花育を通じて花と触れ合ってほしい」と今村さん〉

畑ワサビ 摘花で収量アップ、花ワサビも収益に【5月2週号 岩手県】

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 【岩手支局】「畑ワサビ」を栽培する九戸村山根の下澤郁夫さん(65)は、ワサビの花を摘花し、根茎の生育を促すことで増収を実現。摘花した花は、花ワサビとして出荷し収益に結びつけた。品質管理の徹底と丁寧な作業に努め、規模拡大を目指して奮闘する。「父の代から畑ワサビを栽培し35年。10アールの作付けから始め、地道に規模を拡大してきた」と下澤さん。現在、1ヘクタールの畑で年間5~6トンを生産し、同村にあるテーオー食品株式会社岩手工場へ出荷する。収穫期にはパート従業員4人を雇用。すべて手作業の収穫で、草丈が60~70センチほどに成長する7月に始まり、9月まで続く。畑ワサビの茎の部分は、練りわさびなどの原料として加工に使われる。下澤さんは「茎に栄養が届くように、花が咲き始める4月ころに摘花する。花を摘むことで茎が2倍も太くなるため、摘花は欠かせない大事な作業」と話す。

〈写真:「畑ワサビは定植から収穫まで2年かかる」と下澤さん〉

「S.マルチ」でミカン品質向上を実証【5月2週号 静岡県】

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 【静岡支局】浜松市北区でミカン6ヘクタールを栽培する鈴木幸喜さん(57)は、農研機構が開発したかんきつ類栽培の新技術「シールディング・マルチ栽培(S.マルチ)」の実証試験に協力し、品質と収益の向上に取り組んでいる。S.マルチは防根性、防水性、自立性のある専用の「シールディングシート(S.シート)」を使う。S.シートを、樹列を囲むように深さ50センチに埋設し、通路側への根の伸長を防ぎ、樹体に余分な水分が入らないようにする。鈴木さんはデータを取るため、1週間ごとに果実の大きさを、収穫直前にはすべての木から1果ずつ採取し、糖度を測定した。その結果、糖度の平均は普通栽培が10度程度、マルチ栽培が11.2度、S.マルチが12.1度。S.マルチの8割以上が糖度12.5度以上だったという。

〈写真:「実証試験のデータを参考に、園地に合った栽培方法を活用したい」と鈴木さん〉

宮古島の学校給食にヤギミルクを無償提供【5月2週号 高知県】

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 【高知支局】「沖縄のヤギ文化の復活の手助けをしたい」と話すのは、南国市の株式会社川添ヤギ牧場で代表取締役を務める川添建太郎さん(41)。現在、600頭以上のヤギを飼育する川添さんは、沖縄県の宮古島を訪れたときに、無病息災を願い小学1年生になった子どもがヤギミルクを飲む文化があることを知ったという。それと同時に、宮古島ではヤギミルクの流通がないことも知った。「自分の作ったヤギミルクが宮古島のヤギ文化復活のきっかけとなれば」という思いで、宮古島市役所を訪れ、ヤギミルクの提供を提案。今年4月20日に680本が小学1年生に振る舞われた。同牧場のヤギは、高知県産の自給飼料と酒かすで育てられ、ヤギミルクは臭みの少ないすっきりとした風味が特徴だ。そのヤギミルクが学校給食として無償で提供されることになっている。

〈写真:宮古島で行われたヤギミルク贈呈式。左から2人目が川添さん〉

もみ殻+ビニール被覆 バナナの苗木、無加温で越冬【5月2週号 山形県】

210512_6.jpg 【山形支局】バナナの苗木栽培を手掛ける河北町谷地の鈴木亨さん(38)は、無加温のビニールハウス内に地植えした食用バナナ2株の越冬に成功した。今回越冬に成功したバナナは、「ドワーフナムワ」は氷点下3度、「カリフォルニアゴールド」は氷点下6度を下回ると枯死するとされている。同町では昨年12月から今年2月にかけ、氷点下10度以下を数回記録。鈴木さんは株を守るため、もみ殻を20センチほど敷き詰め、支柱で囲み、ビニールで二重に被覆して熱を逃さないよう工夫した。

〈写真:来年の収穫に期待を寄せる鈴木さん〉

防風林「電動車化だけで温室効果ガスは減らせない【2021年5月2週号】」

 ▼米国が主催した気候サミットには、オンライン形式で40の国・地域が参加。温室効果ガスの排出量ゼロを目指すとしたパリ協定の達成に向け、各国首脳が2030年までの二酸化炭素排出量削減目標を示した。意欲的な数字が並ぶ一方、実現可能性を疑問視する論評も多い。
 ▼菅義偉首相は、日本は13年度から46%の削減を目指すと宣言し、50%の高みに挑戦を続けていくと訴えた。今通常国会の施政方針演説では「35年までに新車販売で電動車100%を実現する」と述べており、化石燃料から電力への転換加速が主要な対応方策となるようだ。
 ▼ただ、日本の発電に占める化石燃料の割合は8割近い。電動車を増やせばその分だけ発電量を増やす必要があり、化石燃料への依存度をどのように減らすのかという相反する難題に直面する。太陽光などの再生可能エネルギーは景観を損ねる懸念があり、原発の新設を受け入れるところはないだろう。
 ▼夜の明かりを一つ消すなど、少しの不便を享受することから始めるしかない。

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