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今週のヘッドライン: 2021年05月 4週号

園芸施設共済 経営再建の力 雪害を乗り越えて(1面)【2021年5月4週号】

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 「まさか雪で鉄骨ハウスがつぶれるとは思わなかった。共済金がなかったら、再建を諦めたかもしれない」と話すのは、新潟市南区西笠巻の錦澤廣輝さん(58)。北日本から西日本の日本海側を中心とした昨年末以降の記録的な大雪では、農業関係被害額の8割近くを農業用ハウスが占める。新潟市江南区沢海の諸橋俊晴さん(55)も、1月に育苗ハウスが雪でつぶれ、共済金を受け取った。農林水産省は、台風前の6月と降雪前の11月を「災害に強い施設園芸づくり月間」として設定し、園芸施設共済および収入保険への加入推進や被害防止のための技術指導を重点的に行う。

(1面)

〈写真上:撤去したハウスのビニールの前で被害について話す新潟市南区西笠巻の錦澤廣輝さん〉
〈写真下:被害時のままのハウスの前で新潟市江南区沢海の諸橋俊晴さん〉

「日本産」の強み最大化を 自民党が稼げる農産物輸出へ政策提言(2面・総合)【2021年5月4週号】

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 自民党は20日、農林・食料戦略調査会などの合同会議を開き、農林水産物・食品の輸出を農業の"新たな稼ぎ"とする政策提言をまとめた。市場として有望な国外都市を「重点市場」とし、産地との物流・商流づくりなどを支援する「戦略的サプライチェーン」の構築や品目ごとの市場開拓などを一体的に進める「全国レベルの品目団体」の組織化支援などを柱とした。海外市場の情報収集・分析に基づくマーケットインを徹底し、持続的に稼げる輸出の仕組みを構築する。政府が6月にも策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」への反映を目指す。

(2面・総合)

〈表:「稼げる輸出」に向けた政策提言〉

農水省 農山漁村発イノベーション提起 集落機能の補完へ組織育成(2面・総合)【2021年5月4週号】

 農林水産省は19日、新しい農村政策の在り方と長期的な土地利用の在り方の合同検討会を開き、取りまとめ案を示した。農村の担い手として多様な形で農に関わる人材を育成・確保し、地域資源をフル活用してさまざまな事業を創出する「農山漁村発イノベーション」の推進を提起。中山間地域では、集落機能を補完する組織を育成する方針も示した。5月中にも正式に決定する。

(2面・総合)

獣害、虫害に負けない 組合員に備えの重要性呼び掛け NOSAI徳島のNOSAI部長(3面・NOSAI部長)【2021年5月4週号】

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 NOSAI徳島(徳島県農業共済組合)では、獣害が頻発する地域の営農継続にNOSAI部長が尽力する。電気柵の設置など対策を講じるとともに、農業保険への加入の重要性を説き、組合員の経営安定に貢献する。この2年ほど目立ってきたトビイロウンカも含め、リスクへの備えを訴えるNOSAI部長に話を聞いた

(3面・NOSAI部長)

〈写真上:NOSAIの職員と話す徳島市渋野町の岩﨑政史さん(左)〉
〈写真下:阿南市福井町の野村俊之さんは「タケノコなど幅広い品目をカバーできる点が収入保険の魅力」と話す〉

大豆の難防除雑草 早期に発見・防除を(9面・営農技術・資材)【2021年5月4週号】

 大豆作で、帰化アサガオ類やホオズキ類などによる収穫困難などの被害報告が関東以西を中心に増えている。増殖が早く、従来の防除手段では十分な効果が得られない。地域でまん延すると被害が長期化するため、侵入初期の防除徹底が不可欠だ。農研機構では、複数剤や機械除草などを組み合わせた各草種の防除体系をマニュアルにまとめ、産地への普及を図っている。

(9面・営農技術・資材)

自ら決める災害時の行動 住民参加型のハザードマップづくり ―― 徳山工業高等専門学校テクノ・リフレッシュ教育センターの目山直樹センター長に聞く(5面・すまいる)【2021年5月4週号】

 近年、豪雨や台風など大規模な災害が発生する中、緊急時の避難場所やその移動経路などを図にまとめたハザードマップの活用が求められている。住民参加型のまちづくりに取り組んできた、徳山工業高等専門学校テクノ・リフレッシュ教育センターの目山直樹センター長は「防災をジブンゴトにするために、ハザードマップをまず確認し、災害時の行動を具体的に想像してみることが大切」と話す。住民参加型のハザードマップ作成について紹介してもらう。

(5面・すまいる)

2020年産大豆価格 堅調に推移(6面・流通)【2021年5月4週号】

 2020年産国産大豆の価格が堅調だ。入札取引を実施する日本特産農産物協会によると、4月の60キロ当たり平均落札価格は、前月比268円(2.3%)高の1万1693円となった。東北や関東、九州などの天候不順で、全国の収穫量は3年連続で21万トン台の不作となり、国産大豆に不足感があるためとみられる。一方で、中国による米国産大豆の輸入拡大などでシカゴ相場が急騰しており、輸入大豆を使う豆腐や納豆メーカーの経営を圧迫している。国産大豆の需要は増加する見通しで、新品種や安定生産技術の開発・普及などで安定供給を実現し、6%にとどまる自給率の向上につなげたい。

(6面・流通)

日本酒で町を盛り上げたい ラジオパーソナリティーが参画【5月4週号 秋田県】

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 【秋田支局】井川町で水稲と大豆を作付ける株式会社ローカルフレッシュ、五城目町の福禄寿酒造株式会社、ラジオパーソナリティーの女性3人が連携し、日本酒「桜名月」を製造している。同町を盛り上げるための企画として、毎年違う味に仕上げ、今年3月に酒米の品種を変えて第5弾を発売。現在は第6弾に向けて準備が進んでいる。

〈写真:「桜名月」を手に、右からローカルフレッシュの湊喜孝代表、桜庭みさおさん、真坂はづきさん、椎名恵さん〉

果樹栽培の補助器具開発 腕にかかる負担軽減【5月4週号 山梨県】

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 【山梨支局】山梨市日下部の秋山功さん(81)は、農作業の効率化や体にかかる負担を軽減するための補助器具の開発と製作を手掛ける「チビゲト秋山製作所」の代表を務める。補助器具製作のきっかけは「兄が工場の前でブドウを栽培しています。低い棚の下で腕の上げ下げを長時間繰り返し、とても大変そうでした。何か力になれることはないかと考えて製作したのが、『ウデラク』でした」と説明する。ウデラクはバネの付いた棒をベルト部分に差し込み、パッドで脇と腕を支える構造。主にブドウの棚栽培やモモ、ナシなど腕を長時間上げて作業する場合に使うと、腕にかかる負担を軽減してくれる。

〈写真:ウデラクを着用する秋山さん。軽く柔らかいアルミをベースに、汗の不快感を軽減する通気性の良いパッドを採用した〉

シシトウ栽培 青枯病に強い台木導入【5月4週号 高知県】

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 【高知支局】中土佐町久礼でシシトウのハウス栽培に精を出す政岡秀和さん(40)。2015年に実家のニラ栽培を手伝いながら、営農指導員の下でシシトウ栽培の勉強を始めた。その2年後にハウスを増棟したことをきっかけに独立し、現在は16.8アールのハウスで栽培する。「病気のまん延には特に気を付けたい」という思いから、収量はやや少ないが青枯病には強い台木「チャガマラン」を使って栽培。また、近年のコロナウイルス感染症拡大による需要の減少と単価の低下に備えるため、本年度から収入保険に加入して経営の安定を図っている。

〈写真:シシトウを手に将来について話す政岡さん〉

耕作放棄地開墾 先進技術で立ち木・竹やぶを一掃【5月4週号 岡山県】

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 【岡山支局】津山市高倉の地域づくり団体「高倉地域づくりの会」では、耕作放棄地を効率的に解消するための実証実験で成果を上げている。先ごろ開催されたデモンストレーションでは、地元の若手農家団体「一般社団法人LAアライアンス」、農業機械輸入販売業者「日本ニューホランド株式会社」「株式会社ビコンジャパン」らと協力し、先進技術を活用して耕作放棄地を開墾した。最初にブッシュマルチャー(TMC CANCELA製)を使用して、立ち木や竹やぶをそのまま粉砕し、農地の表面を一掃した。その後はサブソイラーで土中の硬い部分の破砕や、パワーハローで農地の表層を砕土・均平する様子を披露。3時間ほどで農地全体が整地され、大型作業機を使用する有用性を示した。

〈写真:農地一面を覆うササを一度の往復で破砕〉

スタンプ板で足跡採取 獣種の特定に成果【5月4週号 福島県】

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 【福島支局】福島県農業総合センター浜地域農業再生研究センターでは、野生獣の足跡を容易に採取できるスタンプ板を作成し、現地実証で成果を確認した。スタンプ板は、ホームセンターなどで購入できる黒セルスポンジ(30センチ四方、約260円)を、ベニヤ板(30センチ×90センチ、約700円)の中央に固定し、その両側のベニヤ板上に炭酸カルシウム(粉末)を薄く敷設する。獣道や畝間など、獣が通りやすい場所に、L字ピンなどを使ってスタンプ板を固定したところ、はっきりとした足跡を採取した。安価な費用で容易に作成でき、獣種の特定が十分に可能なことから、普及が大いに期待される。

〈写真:スタンプ板に付いたイノシシの足跡(半月状のひづめと副蹄がある)〉

防風林「スマート農業 普及の鍵はコストにあり【2021年5月4週号】」

 ▼生産現場の課題解決にスマート農業の開発・実証と普及・実装化が推進されている。ロボットトラクターやドローン(小型無人機)が圃場を行き来する風景は、子どもの頃に読んだSF漫画が描く未来の姿そのものだ。圃場ごとの気象や土壌などのデータを作物の管理に生かし、良品を多収する技術の実現も間近に迫っているように思われる。
 ▼自宅からリモートでさまざまな農機を操作できる環境が当たり前になれば、農家は重労働から解放され、暑熱や寒風の中で作業をしなくてすむようになるだろう。圃場に侵入するイノシシやシカは、番犬型のロボットが追い払ってくれるのではないか。
 ▼一方で、そんな経営環境の実現にかかる費用が心配になる。米や野菜などの販売収入でまかなえればいいが、現状では困難だろう。ロボットトラクターは千万円単位で、資材や通信などに相当の費用がかかりそうだ。
 ▼ただ、弁当箱のようで高額だった携帯電話が小型化し、今や誰もがスマートフォンを持てる時代になった。よい方向に技術革新が進むことを期待していよう。

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