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今週のヘッドライン: 2021年10月 2週号

ふるさと納税 産地の苦境を寄付で応援 災害・コロナ禍に対応(1面)【2021年10月2週号】

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 ふるさと納税の2020年度の受け入れ額は前年度比1.4倍の6725億円、件数は1.5倍の3489万件と、ともに過去最高を更新した。近年は、コロナ禍による販売縮小や豪雨被災など苦境に立つ産地・農家を応援する取り組みも注目を集めている。被災地域では、規格外品の活用や復旧後の収穫物など、返礼品を通じた関係づくりを始める動きも出てきた。

(1面)

〈写真:ふるさと納税のポータルサイトでは、災害ごとに寄付の総額などが公開されている(さとふる)〉

岸田内閣が発足 農相に金子原二郎氏(1面)【2021年10月2週号】

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 岸田内閣が4日に発足し、農相に金子原二郎参議院議員が就任した。5日の就任会見で、「農林水産省の使命は農林水産業を強くし、美しく豊かな農山漁村を次の世代に継承していくことだ」と述べ、現場重視で改革を進めていく考えを強調。喫緊の課題である米の需給安定については、作柄を踏まえ適切に対応するとした。

(1面)

〈写真:農林水産大臣に就任した金子原二郎氏〉

農水省 2022年度予算概算要求 みどり戦略実現へ新事業 温室ガス"ゼロ"に前進(2面・総合)【2021年10月2週号】

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 農林水産省は、2022年度予算概算要求で「みどりの食料システム戦略実現技術開発・実証事業」に65億円、「みどりの食料システム戦略推進総合対策」に30億円を新規要求した。50年までに温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指す政府方針を農林水産分野で実現する取り組みを本格的にスタートする。生産力向上と持続性の両立という高い目標の実現には、消費者の理解を醸成するとともに、生産、加工・流通、消費の各段階が連携し、行動する環境整備が重要だ。スマート農業をはじめとする技術革新(イノベーション)の生産現場への実装・導入を促進し、環境負荷軽減を図りながら農業・農村が持続的に発展できる食料システムの構築が求められる。

(2面・総合)

農水省 バター輸入枠数量3100トン増 生乳需給は大きく緩和見通し(2面・総合)【2021年10月2週号】

 農林水産省は1日、国家貿易によるバターと脱脂粉乳の輸入枠数量を検証し、年末の需要期に向けてバターの輸入枠数量を3100トン増の9500トンにすると発表した。1月に設定した総輸入枠数量(生乳換算で13万7千トン)などは据え置く。

(2面・総合)

薬用作物 産地拡大へ高まる期待 中山間地での複合経営に(3面・ビジネス)【2021年10月2週号】

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 製薬企業からカンゾウやシャクヤクなど生薬の原料となる薬用作物の国産拡大への期待が高まっている。漢方製剤などの生産金額は1984億円(2019年)と、15年比で18.7%伸びた。一方、国産の生薬は1割にとどまり、約8割は中国からの輸入に依存する。薬用作物は、主に中山間地での複合経営の一品目としての導入が見込まれるが、安定生産や収益面など課題も多い。薬用作物産地支援協議会が先ごろ開いた地域説明会では、薬用作物の産地化に向けた現状や課題などが報告された。

(3面・ビジネス)


カボチャランタンを作ろう ―― 北海道フードマイスター「最北の海鮮市場」店舗運営部長の佐藤まどかさんに聞く(5面・すまいる)【2021年10月2週号】

 もうすぐハロウィーンだ。新型コロナウイルスの影響で増えた家族の時間を、今年はハロウィーンカボチャランタンを作って満喫してみてはどうだろうか。北海道フードマイスターで、北海道の食材を扱う通販サイト「最北の海鮮市場」の佐藤まどか店舗運営部長にハロウィーンカボチャランタンの作り方を教えてもらった。

(5面・すまいる)

水稲 雑草生かして雑草防ぐ ―― 「舘野かえる農場」の舘野廣幸さん(栃木県野木町佐川野)(7面・営農技術・資材)【2021年10月2週号】

 水稲12ヘクタール、小麦、大豆各1ヘクタールなどを栽培する栃木県野木町佐川野の「舘野かえる農場」代表の舘野廣幸さん(66)は、稲刈り後から翌年の田植え前に発生する雑草を夏の水田除草に生かしている。複数回の代かきや5葉期の成苗作り、深水管理などを組み合わせ、農薬や化学肥料を使わない稲作を実践する。さきごろ報農会が開いたシンポジウムでの発表から概要を紹介する。

(7面・営農技術・資材)

農薬・化学肥料ゼロ、年100品目栽培 野菜作りは土が決め手【10月2週号 香川県】

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 【香川支局】香川県にIターン就農した2009年から、農薬・化学肥料を一切使わない野菜作りに取り組む「大空のうえん」の竹田信太さん(さぬき市小田、45歳)。現在、借地を含めた農地約240アールで、年間100品目の野菜を栽培する少量多品目経営を実践する。竹田さんは「自然のままに育てた野菜は味が違います。安全・安心なおいしい野菜を食べてもらいたい」と話す。メインで栽培するのは、旬のある秋冬野菜。管理が大変になる夏場は栽培を減らし、農地一面を透明のビニールで覆い、1カ月以上をかけ太陽熱で消毒する。「菌や害虫を退治してくれ、連作障害が出ません。草も生えにくくなります」。土作りは、おからの堆肥や緑肥、もみ殻などを使う。牛ふん堆肥などのアンモニア系は使用せず、必要に応じて少量の魚粉を用いる程度にしている。「草の種類を見て、土中のチッ素成分を推測します。当初は害虫被害に遭ったこともありますが、土作りが下手だったから招いた結果です。すべては土作りから始まります」。目指すのは土中の微生物を増やしたふかふかの土だという。苗作りの土から化学肥料を一切使わない徹底ぶりだ。竹田さんに師事する農園「旅」代表の蓮井俊輔さん(同市、43歳)は「竹田さんの土作りからの栽培技術は本当に素晴らしい。農薬と化学肥料を使わない野菜は幅広い年齢層に需要があり、中でも竹田さんの商品は取引先から味や品質が高く評価されているため、引き合いが多く品薄の状況だと聞きます」と話す。

〈写真:「良いものを作りたい」とレタスを播種する竹田さん。値段はすべて自分で決めている〉

収入保険・私の選択 果樹共済から移行、想定外の事態に対応【10月2週号 秋田県】

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 【秋田支局】「収入保険の存在が日々の経営の安心につながっている」と話すのは、収入保険に加入する鹿角市十和田地区の果樹農家・上野純一さん(47)。リンゴ210アール、モモ40アールを栽培し、直売所を経営している。上野さんは収入保険開始初年から加入した。以前は果樹共済の特定危険方式を選択し、リンゴ収穫量の減少リスクに対応していた。しかし、モモは秋田県では農業共済制度の対象品目ではないこと、収量ではなく収入減少そのものを補てんするという点が加入の決め手となった。同市は昼夜の寒暖差が大きく、食味の良いリンゴやモモが育つ。「かづの北限の桃」は全国のモモ産地で最も遅い9月に市場出荷のピークを迎え、贈答用として人気がある。「リンゴ、モモどちらも順調に生育する年はなかなかない。病気や天候などに左右され、収入がどちらかに偏ることが多い」。収入保険は経営している品目全体を対象としているため、売り上げが減ったときには最善の制度だという。昨年は新型コロナウイルス感染拡大で、直売所出荷による収入に影響が出た。出荷している十和田湖に続く国道沿いの直売所では、観光客が減少したため、店の売り上げが平年より落ち込んだ。「直売所出荷と系統出荷した場合では単価が違う。販売先の変更で売り上げにも大きな影響がある」。収量や品質の低下による収入減少だけではなく、こうした想定外のリスクに対応している点もメリットを感じる。収入保険について「白色申告を長年している方は青色申告を始めることにちゅうちょしてしまう。白色申告でも加入できる仕組みだと、加入者がもっと増えると思う」と上野さん。「今年も春先の霜で多くの農家が被害を受けた。販路の拡大など、地域全体で協力して果樹生産を盛り上げていきたい」と話す。

〈写真:鹿角市の特産「北限の桃」を栽培する上野さん〉

ワイナリーで地域貢献 「地元に根付く産業に」【10月2週号 岩手県】

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 【岩手支局】陸前高田市小友町の及川恭平さん(28)は、「地元にワイナリーを建てたい」と、2021年5月、リンゴ100本とブドウ800本の苗木を植樹し、ワイナリー「ドメーヌ ミカヅキ」を立ち上げた。果樹の栽培と並行し、果実酒の製造・販売に向けて取り組んでいる。同市出身の及川さんは、高校2年生のときに東日本大震災を経験。震災後の状況を目の当たりにし、「復興に携わり、地元に貢献したい」と考えた。関東の大学に進学し、授業でワインを学ぶ機会があった。「陸前高田の風土や地質がワイン造りに適していることを知り、地元にワイナリーを建てることを決心しました」。大学を卒業後、ワインの販売や流通を扱う専門商社に就職した。「就農する前に、ワインの販路をつくろうと思いました。生産者の目線も大事ですが、消費者や販売の考えも必要」。3年間勤務し、サラリーマン時代に築いたつながりは続いているという。商社を退職後は、フランスのワイナリーで半年間働いた。「醸造設備を共有したり、ワイナリー横の道路で瓶詰め作業をしているのを間近で見られたりします。日本では見慣れない光景に刺激を受けました」。20年にUターンし、親戚から譲り受けた園地23アールでリンゴ栽培を始めた。規模拡大を見据え、耕作放棄地を開墾し、「バックホーを運転して、半年かけて整地しました」と及川さん。今年は耕作放棄地40アールにブドウの苗木を植えた。「リンゴは加工に向いた『紅玉』、ブドウは陸前高田の気候に合う『アルバリーニョ』を選びました」。今後について「地元に根付く産業にするために、10年かけて規模を広げたい。ワイナリーの経営も安定させたいです」と話す。

〈写真:「収穫が待ち遠しいです」と及川さん〉

豪雨被害から再起 祖父の養蚕を継ぐ【10月2週号 愛媛県】

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 【愛媛支局】「就農のきっかけは『平成30年7月豪雨』でした」と話すのは、大洲市三善で養蚕を営む瀧本慎吾さん(26)。祖父の亀六さん(79)が養蚕を営んでいたが、豪雨で蚕室が浸水被害に遭い、落ち込む祖父の姿を目にし、自身が継ぐことを決意した。いざ始めると、蚕の餌となる桑畑の手入れや蚕室の消毒、早朝からの餌やり、ふんの掃除など大変なことばかりだった。「祖父に教わりながら、一つ一つできるようになりました」と瀧本さん。近年、シルクに含まれる豊富なアミノ酸成分が注目され、さまざまな活用方法が研究されている。瀧本さんが生産した繭も生糸になるだけではなく、パウダー状にしてシャンプーやボディークリーム、化粧品などに添加されるという。「大事に育てた蚕が作り出す繭が、いろいろな商品になるのを見るとやりがいを感じます」と瀧本さん。「全国の若手養蚕農家が集まるオンライン研修会で、勉強や意見交換をしています。日々精進し、一人前の養蚕農家になれるよう頑張ります」と話してくれた。

〈写真:「新しい世代に『新しいシルクの魅力』を伝えたいです」と瀧本さん〉

防風林「温暖化の影響は水産分野にも色濃く【2021年10月2週号】」

 ▼岸田内閣で初入閣した金子原二郎農相は、就任会見で漁業を取り巻く情勢の厳しさを重ねて口にした。海面漁業・養殖業の産出額がトップの北海道に次ぐ長崎県の出身。衆院議員を3期、県知事を3期務めており、現在の参院議員としても水産を自らの仕事と認識していると述べた。特に北上するブリの例を挙げ、漁業対策に意欲を示した。
 ▼北海道のブリ漁獲量は2010年ごろまで年間数百~3千トン程度だったが、11年以降は7千~1万2千トンで推移する。本来は高水温を好む魚で、海水温の上昇が要因とみられる。せっかくの豊漁も、地元での処理が追いつかず、当初は魚価も低調だったそうだ。
 ▼近年、不漁が話題になるサンマやスルメイカ、サケなども温暖化やそれに伴う海洋環境の変化が主な要因とされる。加工や流通の体制は、獲(と)れる魚種に合わせて構築されており、急な変化への対応が難しいという。
 ▼水産分野も消費減少や担い手不足など問題に直面する。おいしい魚を食べ続けるため、有効な対策の構築を求めたい。

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