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今週のヘッドライン: 2022年01月 4週号

みんなで青色申告 年代を超えて教え合い ―― 藤島地域農業青申会連絡協議会(山形県鶴岡市)(1面)【2022年1月4週号】

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 青色申告は最大65万円の特別控除や経費計上など有利な点がある一方、近年は手続きの電子化など新たな対応が求められるようになった。山形県鶴岡市の藤島地域農業青申会連絡協議会は、高齢農家から若手まで369人が参加し、青色申告を実施している。農家の教え合いや自主的な学びの体制を重視しているのが特徴だ。5ブロックの会長が年5回、税務署を交えた会議を開き、税制の変更などに理解を深め、地元農家の相談役となっている。JAやメーカーとも連携し、会計ソフトの利用も若手中心に広がっている。

(1面)

〈写真:若手の冨樫史紀さん(中)の帳簿を見ながら助言する齋藤忠克会長(右)と佐藤浩幸さん〉

見直そう安全対策 春作業前に危険箇所洗い出し リスクの芽を摘め(2面・総合)【2022年1月4週号】

 農林水産省は14日、2月14日から18日に「農林水産業・食品産業 作業安全推進WeeK」をオンラインで開くと発表した。特設サイトを設けて、「農林水産業・食品産業の作業安全推進シンポジウム」や作業安全対策の取組事例の紹介、分野別の会議などを開催する。農作業中の死亡事故は毎年300件前後発生。建設業などと比べても発生率が高く、死亡事故の約88%を65歳以上が占める。春作業が本格的に始まる今の時期から作業安全に対する意識や知識、技術を高めるとともに、誰もが安心して農作業に取り組める環境を整備することが重要だ。

(2面・総合)

農水省 農政改革6法案の概要示す 自民党 土改法改正骨子を了承(2面・総合)【2022年1月4週号】

 農林水産省は19日、自民党農林関係合同会議で、今通常国会に提出予定の6法案の概要を説明。うち土地改良法改正案は骨子を示し、了承された。
 土地改良法改正案は、農用地の集積を促すため、農業者の費用負担・同意を求めない防災事業の対象に、農業用用排水施設を追加。農地中間管理機構(農地バンク)が借り受ける農用地の基盤整備事業の対象にも農業用用排水施設などを追加する。年度内成立を目指す。

(2面・総合)

台風、豪雨が頻発 増えるイノシシ 被害の未然防止に貢献 ―― NOSAI茨北、NOSAI県央南のNOSAI部長(茨城県)(3面・NOSAI部長)【2022年1月4週号】

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 茨城県のNOSAI団体では、地域の事情に精通する共済部長(NOSAI部長)や推進員が、組合員農家の営農と暮らしを守るために活躍している。自然災害や鳥獣害が頻発する中、備えの大切さをアピールするとともに、被害の未然防止に努めるNOSAI茨北(茨城北農業共済事務組合)とNOSAI県央南(県央南農業共済組合)の2人に話を聞いた。

(3面・NOSAI部長)

〈写真上:NOSAI職員とのコミュニケーションを大切にする北茨城市中郷町の根本善三郎さん(右)〉
〈写真下:イノシシに荒らされた水田で状況を説明する笠間市笠間の藤澤伸一さん(左)〉

カリウムの過剰や欠乏 生育障害の要因に(9面・営農技術・資材)【2022年1月4週号】

 土づくり推進フォーラム(事務局・日本土壌協会)はこのほど、「カリウムの欠乏と過剰による作物生育障害発生の現状と対応」をテーマに土づくり推進シンポジウムを開催した。カリウム過剰によるホウレンソウの食味などへの影響や、欠乏によるトマトの灰色カビ病の発生増加の事例と対応策を示した二つの発表の概要を紹介する。

(9面・営農技術・資材)

脱プラスチック肥料で環境を守る ―― 高校生ビジネスプラン・グランプリ 宮城県農業高等学校が最優秀賞(5面・すまいる)【2022年1月4週号】

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 全国の高校生が新たなビジネスのアイデアなどを競う「第9回高校生ビジネスプラン・グランプリ」(日本政策金融公庫主催)の最終審査会がこのほど、都内で開かれ、プラスチックでコーティングしない水稲用肥料を開発し、環境汚染を防止するプランを発表した宮城県農業高等学校が最優秀賞のグランプリを受賞した。全国353校、3087の応募があり、書類選考を通過した10校の生徒が独自のプランを発表。農業関連は4題あった。

(5面・すまいる)

〈写真:同校「農業経営者クラブ」のメンバー。左から目黒花織さん(2年)、河東田彩花さん(1年)。右は顧問の山根正博教諭〉

需要高まる国産大豆 振興の鍵は安定生産(6面・流通)【2022年1月4週号】

 需要に応じた大豆の安定生産をテーマとする東海大豆検討会(主催:東海農政局)が13日、オンライン方式で開かれた。国産大豆は、国内食用大豆需要量105万3千トン(2020年度)の約2割を占め、今後も需要増加が見込まれる一方、生産量や品質が天候に左右されやすく、価格の安定や販路の確保など課題が多い。同検討会では、安定生産の確立に加え、消費者への理解醸成も重要との声が挙がった。

(6面・流通)

ホウレンソウ年6作 全国に届けます【1月4週号 岩手県】

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 【岩手支局】普代村中山の「マルハ農園(中村駿人(はやと)代表=28歳)」では、夏はホウレンソウ、冬は寒締めホウレンソウに切り替え、年6作の回転栽培に励んでいる。JA新いわてや地元産直のほか、ふるさと納税の返礼品として全国に出荷。特産ホウレンソウの普及拡大を目指す。中村代表は2014年に就農した。「冬にしか味わえない甘い寒締めホウレンソウを全国の方に食べてもらいたい」と、家族2人とパート2人を雇用し、一年を通して出荷している。マルハ農園がある久慈地域は、夏は冷涼なやませが吹き、冬は積雪量が少ないため、暑さに弱いホウレンソウの栽培に適しているという。冬季に出荷する寒締めホウレンソウは、糖度8度以上で肉厚な食感が特長だ。「寒締め栽培は地中温度が大事で、地中温度が5度以下になると糖度が増す。今季は特に甘く、糖度が14度になるものもあった」。露地栽培(35アール)は、昨年の8月末に播種し、11月中旬から約1カ月間収穫。ハウス栽培(11棟22アール)では、9月下旬に播種し、12月中旬から2月末まで収穫する予定だ。寒締めホウレンソウは横に広がって育つため、葉に土が付着しないように手作業で収穫する。「土が付着していると、土を落とす作業に時間がかかってしまう。梱包までの流れをスムーズにするため、丁寧な収穫を心掛けている」。同農園では、連作障害を防ぐため、収穫後の圃場に牛ふん堆肥を混ぜている。土壌の水分量が増え、夏の暑い時期でもしおれずに丈夫なホウレンソウが育ち、年間を通して品質が向上したという。「産直などに出荷するものには、自社のロゴステッカーを貼って、ほかの生産者の商品と区別できるようにしている。このステッカーを目印に購入してほしい」。ふるさと納税の返礼品として、地元の海産物とホウレンソウのセットを出品している。今後は販路拡大のため、ネット販売を視野に入れているという。中村代表は「この地域の風土を生かして栽培しているので、高品質でおいしく育つ。家族などと協力しながら自慢のおいしいホウレンソウを全国に届けたい」と意欲を見せる。

〈写真:「寒締めホウレンソウは、しゃぶしゃぶで食べると甘さが引き立っておいしい」と中村代表〉

収入保険・私の選択 少しでも長く農業を続けたい【1月4週号 徳島県】

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 母と2人で、イチゴ「さちのか」と水稲を栽培しています。生産のメインのイチゴ栽培は父の代に始めました。始めた当初は出荷先の確保や選定にとても苦労したようでした。私がイチゴ栽培を始めて16年目になりますが、父世代の方々のおかげで、今は全量をJAアグリあなんに出荷することができています。収入保険には、制度開始の年から加入しています。鷲敷苺部会の仲間と相談したところ、「今まではJAや市場のおかげで単価は安定していた。しかし、今後はどのような状況になるか分からない」という意見が多かったので加入を決めました。1年のうちでも単価の波があります。出荷が高単価のときに当たればいいですが、低単価のときに出荷が増え、その年の販売金額が下がる心配があります。私自身はそれに加え、栽培管理がうまくいかなかった場合に、収量が減り販売金額が下がることを懸念して加入を決意しました。単価の下落だけではなく、収量減少にも対応できる総合的な補償に魅力を感じています。定植直後に苗の生育不良が原因で収量減となり、販売金額が減少した年がありました。保険金を請求してすぐ受けられたので、重油などの経費支払いの助けになりました。5年前、川の堤防工事でハウスの移設を余儀なくされたときは、もう辞めようかと考えました。しかし、現在の場所へ再建し、栽培を続ける決意をしたときの母の喜んだ顔を見ると、少しは親孝行ができたかなとうれしく思っています。異常気象といわれて久しいですが、10月の高温や今までにない長雨に対応するのは容易ではありません。異常気象に対応するのは難しくても、今の規模を維持し、少しでも長く母と農業を続けられたらいいなと思っています。
 ▽62歳▽ハウスイチゴ6アール、水稲35アール
 (徳島支局)

〈写真:木箱を手に収穫作業に励む岩代さん〉

野菜作りにリサイクル堆肥 廃食用油はボイラー燃料に【1月4週号 石川県】

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 【石川支局】加賀市塩浜町の株式会社なっぱ会は、加賀市の食品リサイクル事業と連携した循環型農業に取り組んでいる。同市内の家庭などの生ごみや廃食用油をリサイクルし、堆肥や農業用ハウスのボイラー燃料に利用中だ。堆肥をまいているため、連作障害は10年以上ないという。同社代表取締役・北村栄さん(65)は堆肥の手応えを感じている。「昨年は堆肥をまかなかったハウスが連作障害になった。堆肥は確かに連作障害を防ぐ。土壌消毒が不要でいいことづくめ」。加賀市内と白山市内に農場を持つ同社では、キュウリ、ミニトマト、ホウレンソウ、「金時草」など8品目を栽培する。土作りには生ごみをリサイクルした堆肥を元肥として使用。1作終わるごとに10アール当たり2トンの堆肥をまくという。ハウスのボイラー燃料には、廃食用油をリサイクルして使う。加賀市内のごみステーションやスーパーなどに回収コンテナを設置し、廃食用油はペットボトルに詰めてもらい回収する仕組みだ。一昨年は1万7千リットルを回収した。野菜の販売は県内スーパーなどの産直コーナーやJAの直売所。ごみ分別の成果が目に留まりやすく、消費者から評価を直接受けられることを意識した。

〈写真:金時草のハウスで「味が濃く、栄養がぎゅっと詰まっています」と北村さん〉

子連れで楽しめる観光農園オープン【1月4週号 和歌山県】

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 【和歌山支局】「子連れでも疲れない」という観光農園「くつろぎたいのも山々。」を今月26日に開設したのは、かつらぎ町の猪原有紀子〈いのはら・ゆきこ〉さん(35)。「気を使わずに子どもを遊ばせることができて、親はそれを見ながらゆっくりできる、そんな"自分がほしい観光農園"です」と笑顔で話す。猪原さんは夫の祥博〈よしひろ〉さんと大阪府内で仕事に就いていた。長男を妊娠中に訪れたかつらぎ町の景色に祥博さんが一目ぼれし、縁もゆかりもない同町への移住を考えたという。猪原さん自身、自然体験や観光農園をよく利用したが、おむつ替えや授乳ができるスペースがなく、苦労した経験があった。そこで目指したのが、「お母さんが疲れず、親子でゆっくりくつろげる観光農園」だ。農園のメインは原木シイタケとブルーベリー。近所のブルーベリー農家にいろいろ教わりながら、何十年も耕作放棄地だった土地を自分たちできれいに整備し、設備を整えた。開設に向けてクラウドファンディングを活用し、昨年3月24日からの51日間で733人・1千万円という支援が集まった。支援者の中には、ボランティアとして農園に手伝いに訪れ、そのまま同町に移住を決めた人がいるという。観光農園は1日限定5組で開催し、季節によってシイタケ狩り、ブルーベリー狩り、バーベキュー、たき火、キャンプなどを用意。シイタケやブルーベリーの年間オーナー制度を設け、年3回の栽培・収穫体験に優先的に参加できるなどの特典を付けている。

〈写真:ブルーベリーの生育を見る猪原さん。「子どもの遊具を設置して楽しめる場所にしたい」と話す〉

防風林「ひとごとにできない火山災害【2022年1月4週号】」

 ▼南太平洋のトンガで起きた大規模な火山噴火は、遠く離れた日本やペルーにも津波被害をもたらした。海底ケーブルが断絶し、噴火から5日を経た時点でも、火山から100キロ圏内で首都ヌクアロファのあるトンダカプ島など主要地域の被害も分からず、不安が募る。
 ▼トンガの災害をひとごととは言えない。日本には富士山をはじめ111の活火山があり、うち50は、地震計やカメラなど24時間体制での監視が行われている。噴火を防ぐのは無理でも、被害を最小限にとどめられるよう政府や自治体、関係機関などの連携を一層強化してほしい。
 ▼富士山は300年ほど前「宝永の大噴火」と呼ばれる噴火をした。火山灰などの噴出物は、偏西風に乗って静岡県北東部から房総半島まで広範な地域に降ったという。灰が堆積した地域は耕作が困難になり、大雨で流れた泥流が河川の氾濫を招くなど影響は数十年続いた。
 ▼トンガの復旧・復興も長期にわたる可能性がある。日本も含めた国際的な枠組みの構築はもとより、民間ベースも含めたきめ細やかな支援が欠かせない。

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