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今週のヘッドライン: 2023年03月 3週号

松江市で「全国モーモー母ちゃんの集い」 全国の牛飼い女性 180人が交流 喜びも悩みも共有(1面)【2023年3月3週号】

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 酪農・肉用牛生産の女性たちが交流する「全国モーモー母ちゃんの集い」の第11回大会が9~10日、松江市の玉造温泉で開かれた。全国から約180人が参加。牛乳消費の落ち込みや、飼料価格の高騰など厳しい経営環境の中、日々の悩みや喜びを共有し、共に乗り越えようと、体験発表や1分間スピーチ、現地視察などで情報交換し、交流を深めた。

(1面)

〈写真:牛飼い女性として共感できる意見に、拍手が送られた〉

コロナ禍後の農泊 宿泊700万人目指す 農水省が推進実行計画骨子を提示(2面・総合)【2023年3月3週号】

 農林水産省は10日、「農泊推進のあり方検討会」を開き、2025年度までに年間の延べ宿泊者数を700万人に増やす目標を掲げた次期「農泊推進実行計画」の骨子案を示した。農泊地域の裾野拡大や地域の魅力充実、インバウンド(訪日外国人)の取り込みなどで、コロナ禍で落ち込んだ宿泊者数の回復とさらなる積み上げを目指す。農泊は移住・定住を見据えた関係人口の創出や農山漁村の活性化、農家の所得向上につながると期待されている。農泊の受け入れ側である農家や地域がメリットを感じ、主体的に取り組めるような環境整備など仕組みの構築が求められる。

(2面・総合)

基本法 「食料施策」見直し方向示す 適正価格の実現が必要(2面・総合)【2023年3月3週号】

 農林水産省は14日、食料・農業・農村政策審議会基本法検証部会を開き、食料・農業・農村基本法の「食料施策」の見直し方向を示した。
 食料安全保障には農産物などの適正な価格形成が必要とし、生産から消費に至るフードシステム全体で適正取引が推進される仕組みの構築を検討する方針を提示。農業者・団体が適切なコスト管理の下で価格交渉できる経営管理や食品に係る消費者のコスト認識など理解醸成を課題とした。委員からは「食料安全保障には再生産が可能な価格形成が大原則だ」などの意見が上がった。

(2面・総合)

NOSAI団体 「未来へつなぐ」サポート運動が4月開始 安心をすべての農家に(3面・農業保険)【2023年3月3週号】

 NOSAI団体の新たな全国運動「『未来へつなぐ』サポート運動」が4月からスタートする。運動目標に「安心をすべての農家に届けよう」を掲げ、役職員は行動スローガン「より身近に、より丁寧に、農家のもとへ」の下、農業経営の基幹的なセーフティーネットとしての農業保険を生産現場に深く浸透させる取り組みを一層強化する。収入保険の加入目標は「加入資格を有する経営体の概(おおむ)ね半数」とした。期間は2027年度まで。

(3面・農業保険)

トラクターの転落・転倒防止へ 圃場進入路を簡易に改善(7面・営農技術・資材)【2023年3月3週号】

 農研機構農業機械研究部門はこのほど、2022年度研究報告会をさいたま市で開催。乗用型トラクターが圃場から退出する際に多い圃場進入路での転落・転倒を防ぐ補強部材を開発したと発表した。車輪が最も沈下する法尻〈のりじり〉に補強部材を傾斜させて埋め込んで沈下を抑制し、スリップや前輪の浮上などを防止する。農家自身で圃場進入路を簡易に改善でき、農作業の安全性を高める手法だ。

(7面・営農技術・資材)

緑肥や混植栽培に向く野菜 家庭菜園で試そう ―― 自然農法国際研究開発センター研究部育種課の加藤茂さんに聞く(5面・すまいる)【2023年3月3週号】

 家庭菜園で農薬や化学肥料を使わない農法を導入し、緑肥利用や混植など栽培の工夫も楽しんでみてはどうだろう。有機農業など環境保全型農業に適した品種を育種・流通する自然農法国際研究開発センター(長野県松本市)研究部育種課の加藤茂さんに、おいしさや栽培しやすさで人気が高い野菜品種を教えてもらった。

(5面・すまいる)

高品質飼料を開発、肉質向上 乳雄の価値向上にも尽力【3月3週号 岩手県】

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 【岩手支局】雫石町上野新里の「中屋敷ファーム」では、地元産の飼料だけを与えた肉用牛の育成に取り組む。農薬を使わない飼料用作物の生産や、栄養バランスを考えた飼料の配合で、飼料の原料となる作物の流通活発化と肉質向上の両立を目指す。同ファームは、株式会社重次郎の中屋敷敏晃代表取締役(45)が、2013年に同社の畜産部門として立ち上げた。現在は従業員3人で500頭ほどを管理し、牧草などの飼料用作物を約130ヘクタールで栽培する。中屋敷代表は「輸入飼料に頼る畜産に、以前から疑問を持っていた」と話す。環境問題や食料問題が深刻になり、餌の入手が今後は困難になるのではないかと考え、自社で飼料を賄う方法を模索した。「輸入飼料は農薬の使用量が多く、近年は価格が上昇している。飼料の自給に挑戦し、安全・安心でコストを抑えたいと考えた」。19年から東北農業研究センターと共同で、農薬を使わない飼料用大豆の栽培方法の研究を始めた。開発した大豆に自社産の牧草やデントコーン、地元の米ぬかと酒かすなどを配合する。「大豆は葉や茎も使うため、タンパク質以外の栄養素も豊富。栄養バランスを整えた高品質の飼料が完成した」。すべてこの飼料に切り替えたところ、肉質が向上したという。同ファームでは、肉用牛としてジャージー種も飼育する。中屋敷代表は「乳牛の雄は価値が低いが、肉質を向上させれば評価されるはず」とみている。農家から高値で買い取り、自社飼料で育成したジャージー牛は、ヘルシーで肉のうまみを感じられると評判で、県内外の飲食店で利用されるようになった。「乳牛の雄の価値が上がれば、農家の利益につながり、地域が潤う一端になる」と中屋敷代表。「畜産農家の減少は地域の課題。餌の原料の栽培を地元農家に委託し、農家の利益につなげたい」と意気込む。

〈写真:「次世代でも継続可能な畜産の方法を確立させたい」と中屋敷代表〉

高品質キャベツを追求 「安心を買う」収入保険加入【3月3週号 岡山県】

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 【岡山支局】「『安心を買う』という言葉の通り、万が一のことがあった際に補償があるのとないのとでは、これからの安心感が違う」と話すのは、真庭市蒜山の入澤廣成〈いりざわ・ひろよし〉さん(70)。夫婦二人三脚でキャベツ220アール、水稲80アールを栽培する。経営安定と新たな取り組みの後ろ盾として収入保険に加入した。2003年にキャベツ栽培を始めた入澤さん。同じ志を持つ仲間と出荷組合を設立し、鳥取県や島根県など、山陰地方を中心に販路を確保していった。「品質の高いキャベツを栽培したい」という思いから、たどり着いた品種が「初恋」。甘味が強く玉ぞろいの良さが特徴で、蒜山の厳しい雪の中で越冬できる強さがある。「特注の移植機を使って1畝に2列の苗を植え付け、夏どりと冬どりを組み合わせることで、効率的な栽培ができるように努めている」。22年にはスガノ農機株式会社の「部分深耕プラソイラ」を購入し、耕地の排水性を高めることに力を注いだ。根こぶ病などの土壌伝染病の予防に取り組みながら、収穫物の品質向上に努めている。質の高い農業を求め、08年に取り組み始めたのが青色申告だ。「税理士に任せるだけではなく、エクセルファイルなどで日々の収支を管理し、より詳細に『見える化』をすることが経営安定につながる」。22年はキャベツの販売価格が大幅に下落し、収入が大きく減少した。自助努力ではどうすることもできないもどかしさを抱え、解決策を講じていたときに知ったのが収入保険制度。農業共済制度は認知していたが、野菜に対して補償があることを初めて知り、興味を持った。「保険の対象にならないほど豊作になることが農家にとっては一番だが、『守られている』ということに意味がある」。保険料は決して安くはないが、「安心を買う」ため加入へと踏み切った。「収入保険に加入することが、新しいチャレンジをする、その足がかりになる」と入澤さん。「品質の高いキャベツを消費者に提供し続ける」と、将来を見据えた農業に意気込む。

〈写真:「高い品質を維持するためには農機具の日々のメンテナンスが欠かせない」と入澤さん〉

ハウスに効率よく「風の取り込み装置」【3月3週号 新潟県】

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 【新潟支局】「外気を効率よくハウス内に取り込めるように『風の取り込み装置』を自作しました。実用新案も登録済みです」と話す本間達雄さん(75)。佐渡市豊田で水稲30アール、果樹13アール、ビニールハウス3棟で野菜などを栽培するほか、手作りのかき餅を販売している。元々は、住宅の窓から効率よく風を取り込むため、窓枠に設置する装置として考案。ビニールハウスにも活用し、栽培管理に役立てている。風向きに合わせて羽根の角度を調整し、風が羽根にぶつかることでハウス内に風が効率よく入る仕組みだ。ハウス栽培では、病害虫の予防などの管理がしやすい反面、ハウス内は密閉状態のため二酸化炭素量が減少し、光合成が十分にできないのではと本間さんは考えた。この装置をハウスに設置してから農作物の成長が早くなり、しっかりとした実になったという。本間さんは「製作した装置で地域農業の発展に貢献できたらうれしいですね。これからもたくさんの方と情報を交換しながら、さらなる生産性の向上を目指したいです」と意気込む。

〈写真:ハウスに設置した風の取り込み装置と本間さん〉

雪中貯蔵のリンゴ 際立つ甘みと食感【3月3週号 秋田県】

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 【秋田支局】リンゴ60アールや水稲85アール、オウトウ60アールを栽培する湯沢市上関の丹一博さん(65)は、収穫したリンゴを雪中貯蔵し、甘くおいしい果実に仕上げている。リンゴを約40個入れた出荷用コンテナを2段に重ね、木ぶたをして、全体をブルーシートで覆う。その後、除雪機で雪をかけて貯蔵。今冬は12月14日から40箱を貯蔵した。零下10度の寒気でも雪中内は0.5度に保たれ、リンゴが凍ることはない。密閉空間では、鮮度を落とす原因となるエチレンガスの発生を抑制できる。酸味がなくなって甘みが際立ち、水分が抜けないため、収穫直後のように新鮮でシャキシャキとした食感を味わえる。品種は主に「ふじ」のほか、「はるか」も7箱貯蔵。丹さんは「品種によって香りや甘みの変化を楽しめるのも雪中貯蔵の魅力」と話す。豪雪地域では厄介な雪を利用しようと、10年前に雪中貯蔵を始めた。「珍しい手法ではなく手間がかかるが、毎年楽しみにしてくれるお客さんがいて、自分も楽しみながら取り組めている」と丹さんはほほ笑む。

〈写真:「冷蔵より長くリンゴを楽しめる」と丹さん〉

防風林「サクラサク春を迎えて【2023年3月3週号】」

 ▼東京・靖国神社の桜の標本木が14日、開花した。気象庁が開花を確認するソメイヨシノでは全国で一番早い。昨年比で6日、平年比で10日早く、2020年、21年の記録と並び、統計開始以来で最も早い開花宣言という。今年は3月に入って全国的に気温が高く推移し、開花が早まった。
 ▼気象庁が定める桜の標本木は、全国に58本あり、花が5~6輪咲くと開花宣言となる段取りだ。靖国神社の標本木には、開花が近づくとテレビ各社のカメラが日参し、気象庁職員よりも早く、「○輪咲いた」と報道する。大げさと思いつつ、花見文化が根付いた日本人として、わくわくする気持ちもある。
 ▼ソメイヨシノは、江戸時代の終わりから明治にかけ、現在の東京都豊島区駒込辺りで育成された。オオシマザクラとエドヒガンの交配種で、全国の公園などに多く植栽されている。成長が早く、新芽が出る前に花が木を覆い尽くすように咲く特徴が好まれたためだ。
 ▼今年は、コロナ禍で中止や自粛が続いた花見の宴会やイベントを解禁する動きが広がっている。以前の日常が少しずつ戻るようでうれしい限り。ただ、沈静化しているとはいえ、コロナ禍は収束したわけではない。何事も過ぎないよう気をつけたい。

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