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今週のヘッドライン: 2023年04月 4週号

持続可能な農業へ 有機・種・人の輪広げる(1面)【2023年4月4週号】

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 「人と生態系の調和、種の多様性が大切」と話すのは、広島県東広島市志和町の森昭暢さん(43)。代表を務める「安芸の山里農園はなあふ」で有機農業に取り組み、2.7ヘクタールで露地野菜を中心に約40品目を栽培する。農薬・化学肥料を使わず、雑草を土作りに活用する独自の栽培法で地力を高め、安定した生産につなげている。在来種の青ナスなどは自家採種し、伝統野菜の復活・振興に成果を上げるほか、有機農業を志す研修生を受け入れ、人材育成にも力を注ぐ。「有機・種・人」で地域を盛り上げ、持続可能な農業を目指す。


(1面)


〈写真:畝の間に雑草が茂り、しま模様のタマネギ畑で森さん〉

ハザードマップで自然災害リスクを把握(2面・総合)【2023年4月4週号】

 農林水産省は先ごろ、自然災害リスクへの対応に係る取り組みの強化を求める通知を都道府県やNOSAIなどの農業関係団体に発出した。農地やハウス、畜舎、農機などの自然災害のリスクを市町村のハザードマップなどで確認し、必要な対策を適正に講じるよう呼びかける。同省が提供する農業版BCP(事業継続計画書)などを活用するほか、収入保険や農業共済への加入も合わせて、災害による被害の軽減と早期の復旧・復興につなげることが大切だ。河川が増水しやすい出水期を迎える中、万が一の事態にも対応できる持続可能な営農を実現したい。

(2面・総合)

生乳受託量が4年ぶり前年割れ(2面・総合)【2023年4月4週号】

 全国の指定生乳生産者団体による2022年度(22年4月~23年3月)の生乳の総受託乳量が前年度比2.2%減の707万8005トンとなったことが、中央酪農会議が14日に発表した用途別販売実績 (速報)で明らかになった。前年度を下回るのは18年度以来4年ぶり。全国で進む生産抑制に加え、配合飼料価格の高騰などによる経営難から離農が増加した影響とみられる。

(2面・総合)

農家に身近な存在 秋田県の共済部長(3面・NOSAI)【2023年4月4週号】

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 NOSAI秋田(秋田県農業共済組合)管内では、地域の農業や暮らしを支える役職を兼務する共済部長(NOSAI部長)が活動する。兼業農家や小規模農家などにも身近な存在として、災害に備える重要性を伝える。自身の営農の改善も進めつつ、過去の災害・事故や共済金受け取りなどの経験を地域の農家と共有し、農業保険への加入を促す。

(3面・NOSAI)

〈写真:「今年は開花が早い。凍霜害が発生しないよう対策している」と菅原さん〉

直売所ですぐ実践 売上アップのこつ(6面・流通)【2023年4月4週号】

 農林水産省「6次産業化総合調査」によると、農産物直売所の総販売金額は1兆464億円(2021年度)に達している。出荷者が自ら包装、価格付けする運営が多く、アイデア次第で売り上げを伸ばすことが可能だ。本紙1週号情報面で「直売所 差が付く一工夫」を執筆する株式会社シンセニアン代表取締役の勝本吉伸さんと、滋賀県近江八幡市の農産物直売所「きてか~な」を訪問し、すぐにできる売り方のポイントを聞いた。

(6面・流通)

スクミリンゴガイ 水稲移植前後の対策(7面・営農技術・資材)【2023年4月4週号】

 近年、西日本を中心にスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)による水稲被害が拡大している。発生地域では移植直後の苗の食害が深刻化しており、被害防止には浅水管理や薬剤散布など摂食行動や発生を抑える対策の組み合わせが欠かせない。農林水産省作成の防除対策マニュアルから移植前後の対策の要点を紹介する。

(7面・営農技術・資材)

英語講師との二刀流 若者に農業の魅力伝えたい【4月4週号 広島県】

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 【広島支局】自給自足の生活に憧れ、尾道市向島町で「PITCHFORK FARMS(ピッチフォークファームズ)」を営むトーマス・コレップファーさん(35)。2011年に米国から来日し、農薬や化学肥料を使用しない自然栽培で、年間約80種類の野菜やかんきつを育てている。露地とハウス2棟でベビーリーフやスイスチャードなど葉物野菜を中心に、季節の野菜を少量多品目で栽培。農園内では、飼育する羊や鶏が自由に草を食べ、自由に生活する。「動物が雑草を食べてふんをし、それが肥料になって良い循環が生まれる」。トーマスさん夫妻が食べる以上にたくさん収穫できた野菜は、「御野菜セット」として数種類を箱詰めし、契約する人たちへ定期販売している。現在は、尾道市立大学で英語の講師を務めながら、農作業に従事。トーマスさんの農業に興味を持ったボランティアの人たちの手を借りながら収穫作業などに取り組む。作業を手伝う同大学の安田直斗さん(19)は「将来は農業をしたいので、農業のことをいろいろ知っているトーマスさんから、たくさん勉強したい」と話す。トーマスさんは16年から2年間、広島大学大学院で生物多様性と農業を学んだ。授業の一環で訪れたネパールでは現地を調査し、農業の研究に熱心に取り組んできた。来日する前から自給自足に興味はあったが、米国では農業の規模が大きく土地の値段が高いため、ハードルが高いと感じていたという。来日後、尾道市に移住したことがきっかけで、耕作放棄地だった土地を買い、本格的に農業を始めた。「日本の四季を感じながらの農業が楽しいし、自分のやり方で栽培できることがうれしい。日本は土地が安く、就農者への支援があるので、農業を始めやすい環境だ」とトーマスさん。一方、農家の高齢化は日米共通の課題だという。「大学の学生たちのような若い世代に、農業の魅力を伝えていきたい」と話している。

〈写真:「1~2年後には、ここで取れた野菜を使って農家カフェやレストランを開きたい」とトーマスさん〉

収入保険・私の選択 時代に合った経営を目指す【4月4週号 愛媛県】

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▽たかはし・ただあき▽64歳▽水稲40アール、野菜10アール、かんきつ2.2ヘクタール

 収入保険は制度開始の年に加入しました。NOSAI職員の説明を何度聞いても制度を完全に理解できたわけではなく、本当に信用できるのか、加入しても大丈夫かと悩みました。良い保険だと知ってからも、職員の"推し"がなければ加入しなかったと思います。日常は夫婦2人で作業するので、作業が遅れ収入に影響を及ぼすこともあります。鳥獣害や新型コロナウイルスのまん延で出荷が減ったとき、収入保険の補てんがあったので、ありがたさを感じています。
 収入保険のおかげで新しい品種にもチャレンジできるので、安心して農業ができるし、頼もしく思っています。これからも期待しています。30歳を前に父親の後を継いで就農しました。現在は愛媛果試第28号「紅まどんな」「不知火〈しらぬひ〉」などを主力に、レモンは愛媛果試第48号「紅プリンセス」など、時代に合わせた多品種を栽培しています。特にレモンは需要が伸びている上に、植え付けから収穫できるまでが早いので栽培面積を増やしています。販売先は、主に市場への出荷と栽培に使用する骨粉を仕入れている肥料メーカーで、味には自信があります。山頂付近の急斜面の園地での作業は年齢的にあと10年ほどしかできないので、効率の良い緩斜面の園地と家の近くの遊休地を利用して果樹栽培を続けていければと思っています。現在は、急斜面の園地を観光農園にしたいと思い、乗用車が通れるように道路を整備しています。四国中央市を一望できる素晴らしい景色を見ながら、春の桜に始まり、アジサイ、コスモス、モミジ、イチョウなど、季節の花で一年を通してたくさんの人に喜んでもらいたいです。(愛媛支局)

ペット用ミルクドライヨーグルトを開発【4月4週号 北海道】

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 【北海道支局】桑原寛晃さん(50)は、2022年2月にペットフードの製造許可を取得し、代表を務める桑原牧場産の新鮮な生乳と乳酸菌を原料とした「ペット用ミルクドライヨーグルト」を開発した。桑原さんは、士幌町共益地区の同牧場で、乳牛約260頭を飼養。牧草53ヘクタール、飼料用トウモロコシ37ヘクタールを作付け、年間の生乳生産量は約2300トンだ。商品開発のきっかけは、モンゴル人研修生が母国の伝統製法で作った固形ヨーグルトに着目したことだった。高タンパクで栄養価が高く、酸味が少なく素朴な味わいで消化吸収にも良い。これならペットにも与えられると考えた。開発に当たり、かねてから親交があり、飼料会社に勤務する小林悟さん(37)と牧場従業員の山崎美里さん(37)の協力を得た。ペットフードの試作品をペットに与え、食後の体調や便の状態を観察しながら改良を重ねた結果、満足のいく製品が出来上がった。パッケージのデザインは、農業関連のデザインなどを手がける帯広市内の会社に依頼。ロゴマークの"K"は桑原牧場の頭文字と立ち上がろうとする子牛をイメージしてデザインしたという。桑原さんは「ヨーグルトに加工すれば乳糖が分解され、おなかを壊す心配が少なくなります。商品は士幌町の道の駅やオンラインショップ(base)で販売中です。犬だけではなくモモンガなどの小動物も食べられます」とPRする。

〈写真:自社産生乳を原料に開発したペット用ミルクドライヨーグルト〉


西洋ナシ 早期成園化・省力の樹形【4月4週号 新潟県】

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 【新潟支局】果樹の早期成園化とスマート農業に対応できる技術として、新潟県は2021年度に西洋ナシのジョイントV字トレリス樹形栽培(以下:JV樹形)を発表。今後の生産基盤の強化に期待がかかる。新潟県農業総合研究所園芸研究センター育種栽培科の大村宏和専門研究員は「JV樹形は、地上高80センチ程度でジョイントして、そこから枝を斜立させて上方に誘引し、V字形の樹冠を作る」と話す。植栽4年目から収穫量が増加し、6年目には「ル レクチエ」で10アール当たり3トンと成園並みの収穫量となり、早期成園化が可能だ。側枝を平行に配置するので動線が直線的になり、慣行栽培と比較すると年間作業時間で2割短縮。側枝の高さが80~200センチと目の前の作業が増えるため、棚栽培より上向きで肘や肩より高い位置の作業が減り、体への負担が軽減される。園地造成の際、単管を組んだ施設の施工は必要だが慣行栽培と異なり栽培棚は不要で費用負担が少ない。さらに、ジョイント栽培と同様に直線状に植栽するので、スピードスプレヤーの通路が容易に確保できるため、防除効率は高い。自動収穫機に対応した樹形で見通しは明るいが、積雪への対応など解決すべき課題は残る。「慣行栽培より災害耐性が低く、特に大雪に弱い。主枝を地上高80センチに配置するので、多雪地域で樹体の倒壊が懸念される」と大村専門研究員。樹体の倒壊のほか、V字部分に積雪があると果実の成り枝が折損することもある。枝は上向きで固定部分は誘引線との留め具だけのため、留め具の更新をしないと強風に弱いという。近年、大型台風や大雪などの災害が頻発する中で、新規導入する際は長所と短所をよく考慮する必要があるとしている。


防風林「怪しい電話に警戒を【2023年4月4週号】」

 ▼先日、リサイクル業者を名乗る人物から自宅に電話があり、「不要品はないか」と尋ねられた。実際に売れるような物もなく断ったが、「何でも買います」とか、「何かあるのでは」としつこいので最後には途中で受話器を置いた。その瞬間に連続強盗事件でも事前にかかってきたという"アポ電"かもと気付いた。
 ▼アポ電は電話で訪問の約束を取り付けて売る気のない物まで強引に持っていく「押し買い」の手口にも使われる。使い古しの家電品や使っていない貴金属があると言ってしまうと訪問して家の中を物色し、目を付けた品物を二束三文で持っていくそうだ。
 ▼最近騒がれた連続強盗事件では、防犯の調査などと思わせる電話があったと報道されている。同居家族や現金の有無など情報を引き出し標的にする家を絞り込むらしい。怖いのはスマートフォンの普及で個人の電話番号は探しにくくなり、古い電話帳の固定電話にかける事例が多いということだ。
 ▼変な電話への警戒心はある方だと思っていたが、今回は話している途中は気付かず油断した。例え警察を名乗ってもお金に関わる話はしないと改めて肝に銘じたい。

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