

▼数年ぶりに自宅で掘りたてのタケノコをゆでる。水で土を洗い流し、穂先と根元を切り落として皮を数枚むく。包丁で縦に切れ目を入れ、鍋に投入して水をたっぷり注ぐ。
▼そして登場するのが一握りの米ぬかだ。アクの原因物質が中和・抑制され、えぐみが感じにくくなる。米の一番とぎ汁でも代用できるそうで、イネ科の食材のうまみを引き出すのが米の副産物というのも面白い。
▼調理したのは「モウソウチク」だが「マダケ」「ハチク」「ネマガリダケ」なども代表的な食用品種。いずれも地下茎から次々に顔を出し食卓を賑(にぎ)わす。さらに「竹かんむり」に10日間を意味する「旬」と書くように、驚異的な早さでまっすぐ伸びることから縁起物としても親しまれている。一方で、生命力が旺盛な分、近年は管理が行き届かない放置竹林が問題となっている。
▼国内最古の物語が「竹取物語」であるように古くから日本人は竹を生活用品や各種資材などに活用。農業分野でも肥料や飼料などに利用されている。中東情勢の泥沼化で輸入依存のリスクが高まる中、国内に眠る宝に目を向け、有効活用する手立てはないか。春の味覚を味わいながら、そう思った。