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畝に合わせて調節可能なレタスの収穫台車(98年4月2週号・佐賀版)

unpanki.gif 杵島郡白石町小島の松尾和良さんは、収穫台車やかん水チューブ巻き取り機など、次々わき出るアイデアを農作業の省力化に役立てている。
 松尾さんの自信作は運搬車だ。これは、トンネル栽培でのレタス収穫に利用しようと、台車にエンジンとミッションを搭載したもの。畝に合わせて高さや幅を調節でき、変速も可能になっている。
 特に工夫したのは車輪。雨の日のスリップ防止を考え、既製品の台車よりひと回り太いバイクの車輪を取り付け、動力の伝達には、自転車のチェーンの利用を思いついた。
 「価格の高低にかかわらず、雨の日でもレタスの収穫が遅れてはいけない時がある」と話す松尾さん。農機具メーカーからの視察や問い合わせもあるという。
 この運搬車は、台車部分の製作を友人の鉄工所に依頼し、購入したのは、タイヤとステンレスシャフトだけ。エンジン類は廃品業者から入手し、野菜との物々交換だったという。
 松尾さんは「この運搬車は応用が利きますよ。タマネギだったらコンテナ20個は乗ります」と話す。この台車はタマネギやキャベツの収穫に限らず、苗床での堆肥の運搬作業にも応用可能だ。チェーンカバーなどはなく、一見無骨なデザインだが、松尾さんのアイデアがいっぱい詰まっている。

  <写真:自畝に合わせて車輪の幅や高さなどを自由に調節できるのが特徴>