田植え機が植え残した部分の補植を楽にしようと、安芸郡芸濃町の小林秀邦さん(水稲45アール、果樹30アール)は、補植専用の杖を考案した。
田植え機での定植は、方向転換する水田の四隅や畔の近くなど、苗を植えられない所ができてしまう。また、途中で苗が浮いて越し苗を必要とする水田は、機械で植え付けた後、人手で補植する必要がある。
この補植作業は中腰での作業になり、足腰への負担がかかり作業能率も悪い。「田植えは1日で済みますが、補植の作業は3〜4日かかり、大変ですよ。これまでは補植作業を終えると腰が痛くて痛くて」と小林さん。
そこで考えたのが、80センチぐらいの木の棒にカゴを取り付けたもの。補植の時に使ってみると「体が支えられて楽に作業ができた」という。 その杖をもとに、苗を入れるカゴを水逃がしができるようにしたりと工夫して完成。この「補植用杖」は平成9年に特許を取得し、現在は県内のホームセンターで販売されている
<写真:小林さんは「田の面積が小さい所、例えば山間部だとか、千枚田など機械が入らないような田で使ってください」と話している>