西諸県郡高原町の内村由太郎さんは、20年前から牛舎内の暑熱対策としてダクト(園芸施設暖房用のビニールの筒)を利用して効果を上げている。
このダクトは「だれでも簡単にできる」と説明する内村さん。作り方は、ダクト(直径95センチ)の先端を縛って途中に空気穴を開け、やや小型の鶏舎用の扇風機に取り付けるだけ。このダクトをパイプラインのように牛舎の天井に張り巡らせる。
使うのは夏の間で、1日5時間。扇風機のスイッチを入れると、涼風が牛舎に広がる。扇風機の設置台数も少なくて済み、コスト低減につながっているという。
内村さんは母牛30頭を飼育する繁殖農家。子牛が高値の時期にあわせて、授精を夏に集中させる。しかし、暑さや湿気のストレスは繁殖の大敵。内村さんは「ダクトを使うと牛舎内の気温が2度は下がる。今年も受胎率100%間違いなし」と笑う。