岩瀬町友部の宮山善雄さんは、5年前からニクロム線を利用した自作の施設で水稲の育苗を行っている。今年の作付けは自耕地と作業受託地を含めた約9ヘクタールで、育苗箱1800枚を予定する。
育苗施設は自宅の敷地内に妻のせつ子さんと2日間ほどで設置。一度に120枚(15枚×8列)の育苗箱を重ねたパレット3つと、空きスペースに90枚の計450枚を出芽させて、この作業を4回繰り返す。
施設作りは、育苗箱がずれないように地盤を水平にして、土の中に電源の異なるニクロム線2系統を交互に7〜8センチの等間隔に張ることがポイント。最初の一昼夜は2本とも電気を流して温度を上げ、その後は天候を見ながら電源を入れる本数を決める。「2本を組み合わせることで、温度の調節が簡単にできる」と宮山さんはメリットを話す。
施設の資材は、以前使っていたものや自宅にあったものを利用するため、費用は電気代くらいという。