レタスやキャベツを経営する八代市古閑浜町の入江健二さんは、雨天時でも収穫・箱詰めができる「野菜収穫用の移動式ハウス」を考案し、作業に役立てている。常時出荷しなければならない契約栽培に取り組む入江さんにとって強い味方となっているという。
ハウスと露地を含め約4.5ヘクタールで作付けしている入江さん。作物は次々に収穫期を迎えるため、雨天でも収穫しなければいけないことがある。そこで考案したのが2台の移動式ハウスだ。
このハウスの大きさは、縦5メートル×横5メートル×高さ2.1メートル。畝の上からハウスの一番高いところまでは185センチある。組み立ては現地で行い、まず自転車のタイヤ(26インチ)を2本取り付けた土台の間に1メートル間隔で6本のパイプ(22ミリ)でアーチをかける。次に補強のため下部の前後に3センチ角パイプを取り付けると完成だ。制作費は2台で7万円だった。
収穫と箱詰めはスピードが違うため、作業は2台に分かれて行う。ハウスは2つの畝をカバーし、雨天時でもカッパを着ずに1台で4〜5人がゆっくり作業できる。何より野菜を詰める箱が濡れないのが一番の利点という。
入江さんは「契約出荷のため、どうしても収穫しなければいけない時だけ使用しています」と話す。露地野菜は、収穫作業が天候に左右されやすく、価格変動が激しい。このハウスを使えば、雨天でも収穫作業ができ、市場価格が高い時期の出荷も可能だ。
入江さんは「1台60キロ程度と軽いため、風が強いときはあおられて動いてしまいます。補強や車輪の固定など、あと一工夫必要ですが、今は組み立てやすさを優先しています」と話している。
<写真:雨の日でも野菜収穫ができる>