岡山市北区御津で農園菓子工房「ホトトギス」を営む吉原修蔵さん(37)は、自家産の米と卵を使ったチョコレートケーキ・ブラウニーを製造・販売する。「種をまくところからお客さんに行き着くまでが一つの物語だ。全ての過程に関われるのが楽しい」と話し、水稲「アケボノ」90アールや平飼い養鶏などを手がける。田園風景の中で農的な暮らしがしたいと米国から移住した。自家産小麦を使うパン屋を始めたが、妻のサラさん(35)が麦製品を食べられない疾患と分かり、グルテンを使わない菓子製造に切り替えた。ブラウニーは、食品アレルギーなど疾患のない人にも好評で、循環型農業と菓子工房の経営がうまく回り出している。
(3面・暮らし)
〈写真上:「買うのではなく、ゼロから自分で始める面白さがある」と卵を手に修蔵さん〉
〈写真下:サラさんは「大好きなブラウニーがまた食べられてうれしい」と喜ぶ〉