環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合を28~31日に控え、政府が妥結最優先で臨む姿勢を鮮明にしている。甘利明TPP担当相は14日の閣議後会見で「(今会合を)最後にしないといけない」と述べ、交渉が遅れる一部の参加国を除外した妥結の可能性を強調した。閣僚会合と並行して日米は2国間閣僚協議を開き、農畜産物などの扱いで政治決着を目指す方針だ。米国産主食用米の輸入枠設定など大幅な譲歩検討が報じられ、生産現場の不安・不信はピークに達しつつある。米価下落や担い手不足など農業・農村の疲弊は深刻化している。政府は国会決議を順守し、農業・農村所得倍増や地方創生など地域の産業・経済を活性化する政策目標の実現にこそ全力を挙げるべきだ。
(2面・総合)