ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

豆一粒の魅力(14-15面・営農技術)【2016年1月1週号】

 国際連合は2016年を「国際マメ年」に制定し、その栄養や健康機能、栽培による地力維持、生態系保全などに国際的な注目が集まっている。日本では古くから、大豆をはじめとする豆料理が食され、節分の豆まきのように祭礼や神事に深い由縁を今に残す。国産の生産量が減少する中で、在来品種を守り伝えたり、注目される新品種で消費者ニーズを喚起したりする農家もいる。豆の魅力をさまざまな視点から取材した。

◆     ◆     ◆


在来種などをミックス販売 手軽に食卓へ ―― 北海道上士幌町・村上農場
〈写真:「白花豆」、紫花豆、虎豆、ウズラマメ「福粒中長」、福白金時、大正金時、パンダ豆、大豆「音更大袖」、貝豆、紅絞り、「緑貝豆」の11種が入った新豆ミックスビーンズ〉
160101_05-1.jpg 北海道上士幌町の村上農場(村上知之代表、50歳)では、12ヘクタールで約20種の豆類を栽培し、個人や小売店などに販売する。「大正金時」や「福白金時」など一般的な品種のほか、「貝豆」や「パンダ豆」など在来種を含む11種類をミックスした「新豆ミックスビーンズ」が特に人気だ。チョコレートや宝石のような見た目から贈り物としての利用も多い。豆を身近に感じてもらい、手軽に食べてほしいと、パッケージには播種日と収穫日を記載し、豆の戻し方やレシピを同封している。

◆     ◆     ◆


地元で生産・加工 豆で人を呼び込め ―― 福岡県筑前町・筑前町クロダマル生産組合
〈写真:収穫直前のクロダマルを確認する興膳代表(右)と吉原係長〉
160101_05-2.jpg 福岡県筑前町の「筑前町クロダマル生産組合」(29人)が生産する黒大豆「クロダマル」は、表面に光沢があり、煮豆加工での製品歩留(ど)まり率が高い煮豆用大粒黒大豆だ。ポリフェノールの一種アントシアニンを多く含み、機能性も期待される。「坂上2号」と「新丹波黒」を交配し、市場性の高い新たな高品質品種として農研機構が育成した。組合では収穫後に天日干しや手選別を行い、ブランド価値を高める。引き合いは強く販売も好調だ。町内でドレッシングなどに加工し、地域の直売所で販売。クロダマルと加工品を目当てにした客を呼び込んでいる。
(14-15面・営農技術)