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ソバ栽培に力 乾麺で地元をPR【秋田支局・2016年5月1週号】

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 【秋田支局】鹿角市八幡平の農事組合法人大里ファーム(安保春喜代表理事・構成員51戸)では、ソバ栽培に力を入れる。耕作放棄地を圃場に活用したり、地元の舞楽にちなんだ乾麺の販売やそば祭りを開いたりしながら、地域を盛り上げている。
 「集落内の耕作放棄地を見て、何とかしないといけないと思った」と浅石昌敏副理事(59)は話す。2009年、浅石副理事が1人で6.5ヘクタールで作付けを始め、翌年に任意組織「大里集落ソバの里」を発足。その後、12年4月に現在の法人の設立に至った。
 10年から3年間で、田8.65ヘクタール、畑地2.26ヘクタールの耕作放棄地を解消している。全体の作付面積も増えていて、今年は145ヘクタールを予定。「階上早生」と「虹ゆたか」の2品種を栽培する。
 7年前、市の「大日堂舞楽」がユネスコの無形文化遺産に登録されたのを機に、法人ではPRも兼ねた「大日堂そば」を地元の業者に製造依頼している。乾麺タイプのそばの味は5種類あり、ゴマや古代米をすり込んだ、歯応えと喉越しのあるものに仕上がった。パッケージには舞楽の演目名と、舞楽の写真を載せている。
 浅石副理事は「法人としては利益を出すことも大切だが、農地を守っていくことを一番に考えて活動をしていきたい」と話す。

〈写真:大日堂舞楽がパッケージされた大日堂そば〉