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防風林「今後の気象、突然の豹変に備えが必要【2016年7月1週号】」

 ▼気象庁は、ペルー沖海水温が上昇することで異常気象となりやすい「エルニーニョ現象」が終息し、「ラニーニャ現象」に転じたとした。エルニーニョとは逆に、貿易風が赤道付近の海水温を低下させ西に吹く気流が弱まることで、「短い梅雨、暑い夏」の傾向になる。先日発表の3カ月予報も夏は高温との予想だ。
 ▼エルニーニョが発生した場合、「夏に低温、長雨」になるとされるが、ここ数年を見ると確かに、集中豪雨による河川の氾濫や土砂崩れなどの自然災害が多かった気がする。一方、猛暑により水稲など農作物の生理障害や、肥切れによる登熟不良などの品質低下も多く見られたようだ。
 ▼さて、ラニーニャ現象に転じたとされる気象だが、先日は九州地方に大豪雨をもたらし、一部地域では生育期途中の水田や畑に、雨水の流入や冠水被害に遭った圃場も多いよう。短い梅雨の割には爪の傷跡は深い。
 ▼スペイン語ではエルニーニョは男児を、ラニーニャは女児を意味する。「ニーニョくん」と「ニーニャちゃん」と性格の異なる男女の双子の兄妹だ。乳幼児と考えると、「夜泣き」「夜中の高熱」「いやいや」「かんしゃく」「わがまま」は当然。落ち着いたと思ったら「反抗期」で口も聞かずに手が付けられない時期も来る。
 ▼「油断大敵」の言葉があるように、子育てだけでなく天候も、突然の豹変(ひょうへん)は世の常。2014年2月の関東豪雪のようにあり得ないことはない。不測事態に備えること、それが肝要だ。