「うちの米を待っている人がいる。地震の被害を心配する電話をもらい、今年も米を作ろうと心に決めた」と内田智也さん(31)。熊本県阿蘇市内牧の有限会社「内田農場」の代表を務める。実需者との契約栽培で、用途や好みに合わせた業務用の米や酒米など12品種ほどを栽培する。4月に発生した「熊本地震」では水路が破損したり、圃場に地割れが走るといった被害を受けた。2015年産で作付けた水稲50ヘクタールのうち5割程度しか作付けできないと見込んでいたが、4月下旬から水路の補修などを自主的に進め、7割程度で水稲を作付けた。残りの圃場では黒大豆への転換を進めたものの、6月20日から降り続く雨が追い打ちを掛ける。湿潤害の発生も懸念される。
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〈写真:土砂が流入した水田を指す内田さん。大雨が続き6月23日、水路があふれた〉